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司会の梅田教授が


『それでは続いて菜須さん、お願いします』


とアナウンスされ私が体験した実習の話をするため後輩たちの前まで歩みを進めました。



自己紹介をして体験した事を話してあげる交流時間。ここから回想シーンが始まります。


『菜須よつ葉です。☆☆総合病院の泌尿器科病棟の配属でした。受け持ち患者様は、男性患者様26歳。病名は△△△△でした。主な処置は導尿です。ベッド安静の指示あり。そのため清拭、洗髪なども行いました。実習二日目の回診時、指導看護師に見守られ主治医の回診のサポートに徹しました。聴診時の聴診フォロー(パジャマを開けて聴診しやすい状態にする)そしてパジャマのボタンをして元に戻し主治医の指示が「菜須さん、今から導尿処置をして3時間後に導尿処置をして尿量計測して報告をお願いします」と指示を受けました』


カーテンで仕切られた外に着替えを持ってきていたご家族(お母様)の方が、この会話を聞いていてカーテンを開けて入ってこられ『家の息子の処置をこんな資格も持たない学生にやらせるんですか? いつもの看護師さんにしてもらって下さい』と怒鳴られました。患者様が『主治医の槙野医師と看護師長さんから事前に僕に看護学生さんを担当させていただけますか?と相談をされ、自分で納得して了承の返事をしたから黙って見ていられないなら、うもう帰って良いよ』と言う患者様にお母様は『あなたのためを思って言ってあげてるのに何て言い種なんですか』と親子喧嘩に発展しそうな勢いに主治医の槙野医師がフォローに入っていました。指導看護師にナースステーションに戻っているように声をかけられナースステーションに戻って大学の1年の時に私のお世話係だった先輩が偶然にもこの病棟の看護師だったのでその先輩をみたら泣けてきて実習中なのに泣いてしまいました。


担当させていただく予定だった患者様の強い希望で、そのまま私が担当をしてほしい。との事で実習はそのまま男性患者様で行いました。


『主治医の槙野医師、指導看護師の宇佐見さんに見守られ男性患者様の導尿処置を行いました。男性特有の現象に処置の手が止まり主治医の槙野医師が「そのまま続けて」と声をかけて下さり指導看護師の宇佐見さんも「大丈夫手順通りに処置できてるよ」と励ましてくださり無事に導尿処置をすることができました』


と話してる時、患者様のご家族(お母様)の怒鳴られたことが思い出され、言葉に詰まりましたが、なんとか後輩に話すことができました。


途中泣きそうな私に『菜須先輩、頑張って』と声がかかり、ますます泣きそうでした。


実習は勉強になることもたくさんあるけど、辛いことも経験してしまう事もあると言うことを伝えられました。


私の実習は、男性患者様が優しさと思いやりに溢れる方でしたのでその後はスムーズに実習をさせていただけました。おかげで病院実習、最高単位のS単位を取得できました。



後輩達に話をしていて、そんなことあったなぁ…と思い出しました。



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