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看護学部看護学科梅田ゼミ生1年生・2年生・4年生からの愛

看護学部棟の掲示板に数枚貼り出されたお知らせの紙


大学の個人ページに届いた新着メール1件


『梅田ゼミ生の学生は、金曜日14時、5103講義室へお越しください』


なになに? 何があるの?


梅田ゼミ生

1年生  9名 (男5人・女4人)

2年生 10名 (男5人・女5人)

3年生 10名 (男5人・女5人)

4年生  9名 (男4人・女5人)


紺野班は紺野君とよつ葉のふたり。待ち合わせをして5103講義室へ向かう。


『よつ葉、先に入りなよ』

『えっ? いやいや班長からでしょ?』

『ゼミは、班長じゃないから』

『じゃんけんする?』

『どうせ、よつ葉が負けるでしょ』

『……』


だって、覗き窓のところ目隠ししてあるの怪しくない?


取り敢えずノックをして扉を少しずつ開く。ちょっと中を覗いてみる。


ん? んん? 


『よつ葉、何してるの? 入らないの?』

『中がね、華やかになってるよ』

『えっ? どーなってるの?』

『派手』

『取り敢えず入ろ』

『そうだね』


後ろから押されながら、恐る恐る中へ足を踏み入れる。


3年生以外のゼミ生が全員揃っていて3年生が入って来ると拍手で出迎えられました。


何事? 何やら貼ってある!


【3年生の皆さん、応用臨地実習いってらっしゃい がんばれ~】


梅田ゼミ生のみんなで私達3年生を励ましてくれました。


なにぃ~~~~!!!!!!!!


この映像は! これ提供者だあれ??


『きゃあ~、よつ葉先輩可愛い』

『よつ葉先輩が、後輩みたいっす』

『よつ葉ちゃん、似合ってるわよ』

『よつ葉先輩、私達1年生も生で見たいです』

『よつ葉、みんなのために一肌脱いで』


『……ぃゃ』



『よつ葉、お疲れ』

『私に恨みでもあるの?』

『そういうキャラだからだろ』

『そういうってどういうのよ』


『愛されキャラ?』


紺野君なんで疑問系なの!!


※ みんなが盛り上がって見ているのは、過去に資料映像として撮影された物で……


ピンクのミニスカートナース服を着せられ受付で看護学部の資料を配布しているよつ葉。


去年の医療系学部コスプレ対決に出させられた時のもの。看護学生9人で「ラブライブ」のμ’sをした時のもの。コスプレ衣装も準備されていて衣装のサイズで選ばれた可哀想なよつ葉なんです。


Sサイズ2人・Mサイズ4人・Lサイズ3人の衣装を着られる学生を選んだんですが教授が


『実習服Lサイズの人、起立して下さい』


十数人が立ち上がり立候補者がいないためじゃんけんで決められました。じゃんけんに弱い3人が決定。同様にMサイズの4名が選出。じゃんけん盛り上がってましたよ。残るはSサイズ2着。


『実習服がSサイズの人、起立して』


教授の声に立ち上がった学生はふたり。じゃんけんすることもなくあっさり決まったSサイズ2着のμ΄sメンバー。


この黒歴史のコスプレして歌って踊らされている映像。美羽ちゃんも一緒に歌って踊っていますが、梅田ゼミ生では無いので恥ずかしい思いをしているのはよつ葉ひとりです。


恥ずかしい思いをしているよつ葉だけは激励会じゃない気がするのは気のせい? いやいや、きっとこれを読んでくれている優しいユーザ様は「よつ葉、かわいそうに。頑張ったね」と言ってくれているに違いない!


映像が一通り落ち着いた時、4年生の先輩が


『私達の後輩のあなたたちなら、何も心配要らないと思っています。私達4年生も先輩として恥ずかしくない実習をしていると思っています。私達の後にしっかりついておいで』


今現在、実習と実習の合間の隙間時間に、後輩の激励をしてくださいました。不安な気持ちを一番理解して下さいました。


『3年生の先輩方、私達後輩は先輩方の学ぶ姿勢を見て尊敬と、先輩方の後輩で良かったと感謝の気持ちでいっぱいです。先輩方の活躍を信じてます』


先輩と後輩から応援の言葉をもらいました。後ろ向きになりかけていた私に考えさせられる出来事でした。感動に浸っていたら梅田教授が


『よつ葉さん、3年生を代表して一言』


えっ? 何て言う無茶ぶりしてくるの? 前もって言っておこうよ!


『皆様、私達3年生のために、あたたかい素敵なサプライズをありがとうございました。本当のことを言うと来週に迫った実習に緊張をしていました。胃が痛くなる日もありました。そんな不安の中、頑張る力と初心に戻る事を教えてもらいました。未来を見つめて一歩ずつ前へ歩んで行けるように頑張っていきたいと思います。今日は本当にありがとうございました』


大きな拍手と「よつ葉ならできるよ」「トップ取って帰ってこい」「よつ葉先輩大好き」などあたたかいお言葉をもらいました。


梅田ゼミ生、頑張るしかなさそうです。


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