表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/136

本当に看護師になりたいの? 2

梅田教授に


『看護部長さん、先週の精神科のインターンシップの挨拶の時に来てました。病院長さんに臨地でS単位取った子って説明してくれてました』


と話すと梅田教授は


『へぇ、後からの挨拶が楽しみだわ』


と何やら黒いオーラが出現しました。


少し広めの部屋に案内されました。


【病院側】

病院長・看護部長・榎本看護師


【大学側】

看護学部部長先生・梅田教授・よつ葉


『あれ? この学生さん、S単位の子』


病院長が私の名前は覚えていないようでしたけどS単位を取った学生という認知はあったようです。


『看護過程実践臨地実習で泌尿器科病棟でお世話になりました。☆☆大学看護学部看護学科3年、菜須よつ葉です。実習やインターンシップでは大変お世話になりました。ありがとうございました』


自己紹介を丁寧に行いました。


『そうかぁ、君が◎◎(看護学部部長先生の名前)君のとこの生徒さんかね。数年後期待しているよ』


『ありがとうございます。ご期待に添えるよう頑張ります』


ここは、しっかりと好印象でいなくっちゃ。


梅田教授も自己紹介が終わり、本題へ入っていった。


昨日の事が話され病院側から謝罪されました。嫌な気持ちになりましたがそれは病院のせいではなく和田さん個人の発言によるものだから、それを伝えたけど、主催した病院側にも監督不行きがあると謝罪を受けました。


そしてドアの開く様子に。全員の注目が入り口へと向かった時、少し不機嫌な和田さんとふたりの男性が入ってこられた。


病院側・大学側・専門学校側と三角形になるようセットされた机に全関係者が揃いました。


改めて全員(9名)の自己紹介が行われました。


【専門学校】

学校長・担任・和田ゆかりさん


まず、病院長からの挨拶とこうして集まったことの経緯が話された。


専門学校長と担任から病院側へ謝罪。病院長が、すぐさま言葉を発した。


『病院側が頼んで来てもらった訳ではありませんので二度と来ないで頂ければ結構です。あなた方が謝罪をしなければならないのは☆☆大学の菜須さんにです。理不尽に怒鳴り付け罵倒したと聞いております。常識を持って対処してください』


と厳しく言い放った。それを聞き専門学校長が


『☆☆大学の皆様、私共の学生がご迷惑をおかけしまして申し訳ございませんでした』


と頭を下げられた。看護学部部長先生がそれに応えた。


『私共の大学では学生に、看護は一人で行うものではない。チームで行うものと日頃から指導しております。技術だけ秀でていても仲間との信頼関係が築けません。専門学校さんでは技術先行指導なんですか?』


部長先生、いつになく厳しい。


『基礎の部分が疎かになっていたのかも知れません。再教育を検討しております』


と仰いました。その時、


『私、患者を代えて。とお願いしただけなのになんでこうなっているのか意味不明なんだけど! アイツ(私のこと)が素直にジシイの面倒を代わってくれたらこんなことになってないんじゃ無いの? ちゃんとお願いしたのに指定されてるからどーのって言ったんじゃん。若い男をジシイと交代するのが嫌がったから、こんなことになったじゃん。ウザイ』


この発言にも驚いたけど、よくこの場で言えたね。感心さえ覚える。和田さん以外が、呆気にとられる。


『この時点で、金輪際当病院でのインターンシップ・臨地実習の参加を禁止します。★★専門学校の処分も追ってお知らせいたします』


看護部長さんが仰った。専門学校の校長先生が「あの・・」と言いかけたが病院長が、


『謝罪にいらしたのではないのですか? この学生の態度はどういうことですか?』


間髪入れずに言い切った病院長。


★★専門学校の方達は、もう何も発言ができない状態にみえた。


『菜須さん、何か言いたいことは、ありますか?』


病院長に言われました。


『この場で言わなくてはいけないことはありません。後程、病院関係者の皆様に素敵なインターンシップに参加させていただけたお礼をお伝えしますので今は、何も無いです』


わかりました。と言われました。★★専門学校の皆様は退席となった。いったい何しに来たんだろう?



昨日のインターンシップの様子など、榎本看護師が話を始めて座談会のようになった室内に笑いや笑顔が溢れるようになった。ここで、看護学部部長先生が余計なひと言を言った。


『見学に来たら良かったな。勿体無いことをしたもんだ』


えっ? 来なくていいから!! 成績表が届くのを大学で待っていて下さい。


病院長が、これに応える。


『これから予定がなければ、菜須さんにインターンシップしてもらってお二人に見学をしてもらったら良いと思うが榎本看護師、菜須さんのフォローに入れますか?』


はっ? 嫌です。 皆に見られながらインターンシップなんて、どんな虐めですか?


『勿論、大丈夫です』


榎本看護師、そんなに笑顔で・・・勿論だなんて! 心の準備ができていない。


『良いんですか? 病院長ありがとうございます。成長を生で見られて光栄です』


看護学部部長先生!! 何てことを言ってるんですか? そこは、やんわりと辞退して下さい。なに張り切ってお受けしているんですか? あっ、良い事を思いついた!


『看護学部部長先生、私、実習服持ってきていません』


どう? 諦めて下さい看護学部部長先生!!


『それなら、ワンピースタイプのナース服にエプロンしたら区別がつくから問題ないから大丈夫』


マジかぁ。 ん? ワンピースタイプのナース服?! あの、憧れだったナース服!! ってなにテンション上げてるの、ダメダメダメ!! 


『着替えてここに戻っていらっしゃい』


看護部長さんが仰った。榎本看護師に連れられ着替えに行くことになった。


榎本看護師に一式用意してもらい着替える。 わぁワンピースのナース服ってなんか下がスウスウする! いつもはツーピースなのでパンツスタイル。違和感半端無い。 まるでコスプレじゃん!!


『わぁ~、菜須さんって言うより、よつ葉ちゃんって感じ!!』


榎本看護師、どんな感想なんですか!! 何かの罰ゲームですか? 榎本看護師と元の場所へ戻る。嫌な予感しかしない。


『おおぉ、なかなか似合うじゃないか』


病院長、ありがとうございます。 


『よつ葉さん、ふふっ』


梅田教授、笑わないで!! だから言ったのに! 嫌な予感しかしないって!!


六人で循環器内科病棟へ向かう。 榎本看護師が「内海さん喜ぶわね。驚く顔を見逃さないようにしなくっちゃ」という言葉に梅田教授が反応した。


『菜須は、担当患者様にしっかり看護できてましたか?』


『内海さんって言うんですけど、菜須さんと信頼関係できているように見受けられましたよ』


大人同士の会話に、ちょっと照れつつこのコスプレ衣装が気になって仕方ない。


まず、ナースステーションで看護師さん達に挨拶をして、この異様な人数に見守られ(病院長・看護部長・看護学部部長先生と梅田教授)にナースステーション内は、クスクス笑って私に口パクで頑張れと応援?してくれる看護師さん多数。私だったら無理。と大笑いしている看護師さん。私も嫌です。


そんな中で榎本看護師が


『看護記録チェックしていらっしゃい』


いきなり実習モードに突入しました。 よつ葉、もう頑張るしか無さそうです。


病院長・看護部長・看護学部学部長先生・梅田教授に見守られ循環器内科で再びインターンシップ開始。


内海様の看護記録をみる。 特に急変していなくて落ち着いていたんだ。良かった。とホッとする。


『病室行くよ』


榎本看護師の声に、返事をして榎本看護師と病室に向かう。  ・・・後ろから足音聞こえる。しかも複数人。 榎本看護師が、こっそり私に「ゾロゾロ着いてきてるよ。まるで公開処刑みたいだねよつ葉さん。アハハ」笑い事じゃあありませんよ。 なんとかして下さいってお願いしたら無理って言われちゃいました。


病室に入ると内海様が気付き


『菜須さん、今日もインターンシップなの?』


いやいや、違うんですけどね・・・。


『はい。また、担当させてもらっても宜しいですか?』


『勿論、毎日でも良いよ。退院出来る日まで居てくれる?』


そんな会話をしていたら、入口付近から大きな声でボソボソ話し声が聞こえてきて榎本看護師が笑いだした。「学生にしておくのは勿体無いですな」「ありがとうございます」「普段の教育が良いんでしょうね」「学生のやる気に感謝です」


もう、丸聞こえですけど。 榎本看護師爆笑してますけど! あぁ…病室の患者様全員が、


『なんだか、賑やかで良いね。病室が明るいわ』


と患者様が喜んで下さったが、私は居心地が悪いです。


『心音聴くかい?』


と流れを変えて下さった内海様。そうしたいんですけど聴診器が無いんです。


『私のをどうぞ』


榎本看護師が貸してくださった。


『内海様、失礼します』


ん? 心音少し速くない? あぁ、こんなに見られていたら緊張するよね。うんうん納得。


『心音、少し速いですよ。こんなに多くの人に見られてたら緊張しますよね』


和やかな雰囲気が流れる病室。


『菜須さん、回診のフォロー入って』


榎本看護師に言われ素早くフォローの出来るよう位置につく。主治医が診察しやすいよう観察する。聴診器を準備したのでパジャマの前を開けて胸の音を聴きやすくフォローする。聴診を終わるとパジャマを元に戻す。看護記録を渡す。医師がなにやら書き込む。そして看護記録を預かりカートに戻す。


病室4人分行わせて下さった。入り口付近で看護学部部長先生と梅田教授が微笑んで私の様子を見守ってくれていた。


何だかんだ思っていたいきなりな実習でしたが少しでも成長した姿を看護学部部長先生や梅田教授に見てもらうことができたのでしょうか?


何だかんだ勉強させていただけたし、頑張る姿を見てもらえたので、良かったと思いました。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ