インターンシップ【循環器内科】
私達の大学からインターンシップ参加学生たくさんいました。今日の診療科は選択制。【精神科】か【循環器内科】のどちらかを選択します。
美羽ちゃん、循環器内科を選ぶと思っていたら「よつ葉が体験した精神科での急変を体感したい」と精神科希望。紺野君は「よつ葉、倒れたらフォローできるようによつ葉と同じ方に行くわ。よつ葉どっち?」
『循環器内科』
『じゃあ、俺も循環器』
と、紺野班の選択はこのようになりました。
インターンシップ参加回数も少しずつ増え診療科も色々参加させてもらっています。今回は【循環器内科】でインターンシップしました。
他科と比べ(比べるのは失礼かと思いますが、素直な感想を・・・)急変する患者様が多すぎます。
心電図が読めないと役に立ちません。というわけで看護学生心電図の見方を教わります。生きてる。って思える波形が可愛く見えました。
ピッピッピッピッ…規則正しく刻む生きてる証
今回は4人グループの班編成。
A班
☆☆大学 紺野智樹
☆☆大学 菜須よつ葉
★★専門学校 小林 翔
★★専門学校 和田ゆかり
担当看護師 榎本早苗
循環器科医師 坂下 悠貴
担当病室 6号室 内訳
担当患者氏名 担当看護学生
相沢政夫(38) 紺野智樹
内海真樹(27) 菜須よつ葉
七川 悟(45) 小林 翔
吉田健一(69) 和田ゆかり
※ ここでの氏名は全て仮名で書かせていただいています。
急変が多い診療科のため、看護学生一人に医療用PHSが手渡される。
『私の班は、菜須さんに渡しておきます。今から言う番号を覚えて◇◇◇番・◇◇◇を押してこのボタンを押すと坂下ドクターに繋がるから、一度実践してみましょう』
と榎本看護師に言われ指示通りしてみると、目の前の坂下ドクターが出た。
『はい、坂下です』
えっ? 続けるの? アドリブ?
『看護学生の菜須です。ナースステーションで榎本看護師が倒れました』
こんな感じでいい? 榎本看護師笑ってます。まさか自分が登場すると思っていなかった様子。ドクターの返答に期待している様子。坂下ドクターが
『そうなんだ。そのまま放っておいて良いよ。菜須さんは実習続けて頑張ってね』
えっ? このお芝居いつまで続けるの? 誰か止めてください! そこに私の救世主が現れました。
『坂下ドクター、学生で遊ぶのやめてください』
榎本看護師のひとこと出ました。
『学生の緊張を解いてあげる優しいドクターなのに酷い言い方だね。皆さんは優しい看護師に成長してくださいね』
と言いたいことを伝えてサッと逃げていった坂下ドクター。
榎本看護師は私達に、それぞれの担当の患者さんの看護記録を見るように言われた。
私の担当患者様は・・・
内海真樹さん 27歳・男性。
病名、看護計画などは守秘義務のため割愛させていただきます。
安定してないなぁ…。 予想されることはなんだろう? 自分なりに看護計画を立ててみる。 患者様の希望なんかも聞いて取り入れられるものはしてあげたい。 (よつ葉の心の声…優しい人でありますように)
看護学生4人で、看護記録で患者様の状態や看護計画を確認中に事件?!が起きた。
『ねぇ、菜須さんだっけ?』
和田さんに声をかけられた。
『はい』
ふたりの男子看護学生が、心配そうに事の成り行きを見守っている。
『患者、取り代えて』
えっ? 何を言い出すの?
『患者様を指定されているので私の一存で交代できません』
と言うと、和田さんは
『患者が、若い男だからでしょ? 69のジジィに代わるのが嫌なの?』
マジで言ってるの? 患者様を選り好みするの? 貴女に担当される患者様は可哀想ですね。
『和田、やめろ! また停学になっても良いのか? わがまま言うな。菜須さんに謝れ、酷い言葉言い過ぎだ』
同じ専門学校の小林さんが言葉をかけて止めてくれた。
『別に代わってくれたら良いじゃん。ウチらが、誰を見てたなんて担当看護師にバレ無いんじゃね?』
『・・・・・』
私は、和田さんの相手を小林さんに任せて看護記録を見て看護計画を紺野君と相談をする。
その間、和田さんと小林さんの言い合いは続く。これを、直ぐ後ろで榎本看護師が全て見ていた。(ひぇ~~怖い。そりゃ、そうだよね学生放置するわけないよね。こういう時間も全てチェックされてきました)
『和田さん、残念だけど今回のインターンシップの参加は認めません。あなたの言動は看護師に向いていません。決められた患者さんの担当ができないなら実習してもらわなくて良いし、そんな考えの看護師は要りません。★★専門学校に連絡を入れさせてもらいます。着替えて帰りなさい』
命を預かる現場での、こういう考えしかできない学生は患者さんにも指導看護師にも迷惑をかける。
『☆☆大学だから贔屓してるんじゃ無いですか? 頭良い国立大学ですもんね!!』
えっ? まだ言い返すの? 本当に看護師になりたいの? 今日何しに来たの? 学校では学べない現場での体験をさせてもらいに来たんじゃないの?
『和田さん、あなたは自分の★★専門学校に誇りを持っていないんですか? ☆☆大学を妬んでいるなら貴女も☆☆大学に入学したら良かったんじゃないかしら?』
うん、自分の学んでいる場所で誇りを持ち教わっているんじゃないの?
『☆☆大学なんて無理に決まってるじゃん』
もう開いた口が塞がらない。とはこの事を言うんだよ。きっと!
榎本看護師が何処かに電話をして直ぐに誰かが来た。
『和田さん、他の方のインターンシップの邪魔になりますから別室で聞きますよ。勿論★★専門学校の方にも来ていただきますから、文句や言い訳はご自分の学校の先生にどうぞ』
と言われて連れていかれた和田さん。静かになった。小林さんを見たら、何とも言えない表情をしていた。




