看護学生の涙を無駄にしないために私が出来ること。
担当教授に呼ばれて講義の始まる前に教授室へ呼ばれた。私の担当は梅田教授。
梅田教授の教授室へ行くと中村教授と二人で私を待っていました。
中村教授のゼミ生の伊藤麗華ちゃんと梅田教授のゼミ生の私が、インターンシップで患者様から受けた事故の報告が病院からきているそうで、これ以上、知らないでいるために受けてしまう事故を防ぐために、インターンシップが増える学生にこういう事実があったと言うことを公表しようと思い、伊藤さんと私の許可を得るために教授室に呼ばれました。
伊藤麗華ちゃんは、伝染性のある病気の患者様に、引っ掛かれたり噛みつかれたため検査入院中。私は心療内科受診中。麗華ちゃんの許可は得ているそうです。私も学友に同じ事故に遭わないためにも話そうと思いました。
午後の講義が空きコマのため、麗華ちゃんと私の許可が出たらその時間を使おうと思ったそうで急遽、本日の5.6時限目に自由参加ではありましたが[本大学学生が受けた医療現場での事故]という場が設けられました。
紺野班は私の事故を知り、麗華ちゃんの班は麗華ちゃんの事故を知っている。という状態だったので不公平と言えば不公平だったのかも知れませんが、話す勇気が持てたのも落ち着いてきたからだと思います。
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午後、集まった看護学生はほぼ全員(留年組の先輩方は不参加)。
中村教授が、今回のこの「医療現場で起こった事故」の公表についての趣旨を話ました。そして現在入院中の麗華ちゃんの代わりに中村教授が話しました。知らされていなかった学友からの声が正直、痛い言葉もあれば気遣う言葉もありました。
確かに感染の疑い…なんて言われたら怖い。勇気を持ってみんなのためになれば。と思って話す許可をしてくれた麗華ちゃんを思うと辛いものが込み上げた。次は私の…と思うと手が震えた。隣にいた紺野君が素早く気付き「よつ葉には俺らがいるから」と言葉をくれた。私の事故は梅田教授が話してくれました。私はそのあとで質問や感想を言わされました。
梅田教授に、今現在の気持ちは?と問われました。
『心療内科で治療を受け、落ち着いてきました。精神科で学んだのは「不穏患者様の対応とアセスメント、複数看護の徹底だと今は思えるようになりました」』
と話しました。反応が怖くて心臓止まりそうでしたが、先程とは違い
『菜須、お疲れ!』
『よつ葉ちゃん、頑張った!』
『菜須さん、お帰り』
『無事で良かったな』
『治療頑張れよ、途中で止めるなよ』
暖かい言葉に張りつめていた糸が切れました。涙が止まりませんでした。
『よつ葉、泣くと過呼吸なるぞ』
小野君の言葉に
『小野!泣くだけで過呼吸にはならないと思うよ』
と他の班の学生から、突っ込みを入れられ顔を赤らめていた小野君。
心配されていた事態も起こらず、無事に大役を勤めれた事に安堵する。
美羽ちゃんが、
『よつ葉、頑張ったね。お疲れ様』
と言って抱き締められました。美羽ちゃんにされるがままのよつ葉でした。
明日のインターンシップは、美羽ちゃんと紺野君が一緒なので心強いです。
診療科は[精神科]か[循環器内科]の選択制。
どちらにするのか決めかねていますが、この模様は更新予定でいるので(私に余程の事が無い限り)お楽しみにしていてください。




