先輩看護師からの期待に頑張ることを誓う看護学生
ナースステーションへ向かっていると
『あれ? よつ葉さん?』
私は声のした方を見ると、私が担当させていただいた患者様でした。
あの時はベッド安静だった患者様が、病棟内なら歩行の許可が出たんだと教えていただきました。
『こんにちは、元気そうで安心しました。体調は大丈夫ですか?』
『よつ葉さんに看護してもらったから、この通り回復してるよ』
と言ってくださいました。その頃、またまた私を呼ぶ声がしました。
『よつ葉ちゃん、いらっしゃい。皆待ってるわよ』
私の指導看護師だった宇佐美さんでした。
『こんにちは、お久しぶりです』
挨拶もそこそこにナースステーションに連れて行かれた。
看護主任の滝澤さんが
『奥の休憩室で、ササッと着替えて処置室においで』
えっ? なあに? 何があるの? 取り敢えず着替えて処置室に。
ノックをして処置室に入ると、何? なんかいっぱい人がいる。えっ? 梅田教授までいる。なんで?
事態を把握していない私に、看護師長が話し始めた。
『☆☆大学看護学部看護学科3年 菜須よつ葉 前へ進みなさい』
といきなり言われ看護師長の前へ立つ。
『只今から、菜須よつ葉への戴帽式を行います』
えっ? ・・・・・? 何が起こっているのか理解できない間に進んでいく戴帽式
看護師長が、私の頭にナースキャップを載せ留めてくださいました。
『よつ葉さん、誓いの言葉を』
いきなり言われる。ぶっつけ本番、涙が溢れて言葉にならない。私のために執り行なってくれている戴帽式。ちゃんと言わなくては申し訳ないし良い式典にしたい。
『わたくし菜須よつ葉は、看護師になる夢に向かって頑張ることを誓います。命にかかわる者として責任と自覚を持ちます。患者様が安心して看護を受けられるように知識や技術を磨きます。このように戴帽式を行なっていただいた喜びを忘れず支えてくださる方に感謝をして看護の道を歩んでいくことを誓います』
何とか、言えた誓いの言葉。その後、梅田教授と看護師長、そしてその場にいた槙野医師から言葉をいただきました。
このような戴帽式をしてもらえたのは、指導看護師の宇佐美さんが何気なく看護師長に話した、私が戴帽式が無くて残念ですと言ってましたよ。何気ない会話で、たまたま実家に帰った看護師長が押し入れの奥から見つけたナースキャップ。実習一人だけ最高単位と取っていったしこれが後輩の役に立つなら。と思って下さって今回の戴帽式になりました。とてもあたたかな雰囲気で行っていただきました。
槙野医師が
『俺、戴帽式初めて見た』
と呟きました。 まあ、医師には戴帽式無いですもんね。
これから先、辛いことがあったり挫けそうになった時は、このナースキャップを見て今日のことを思い出して真っ直ぐに看護の道を進んでいくと誓った事を思い出そうと思います。
◇◇総合病院 泌尿器科病棟の皆様、本当にありがとうございました。
これからも、看護の道を迷わず進んで行きます。1年間の看護過程実践臨地実習を頑張ります。




