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農業青年会のうた。

紀香ちゃんの旦那さんの波野真吾さんから、リョウタに、農業青年会の歌を作ってほしいと依頼があった。

真吾さんは、農業青年会会長なので、Avid crownのライブを見て、ロックで熱い曲をぜひリョウタに作ってほしいとのことだ。もちろん、ノーギャラである。


「オレに農業の歌作れるかなー」

リョウタは、少し悩んでたようだ。

「依頼されて曲作るんなら、こだわらないでジャンルレスで、いかないとね」

私は、曲作りに悩んでるリョウタに、自分が作るんじゃないことをいいことに、分かったように言った。



水曜日の店休日。

リョウタが、都会にバンドの練習に行ったので、恭ちゃんと散歩した。

「喉乾いたから、そこのお店で、なんか食べよっか」

「うんっ」

そこのお店とは、一ヶ月前にオープンした都会的なカフェだ。

少し入りづらそうな店だが、スイーツもあるみたいだし、入ることにした。

店に入っていくと、30代くらいの女性店員に怪訝そうな顔をされた。

「当店では、お子様連れは、他のお客様の迷惑になりますので、お断りをしていますっ」

と、いきなり女性店員にキツイ言い方で、言われた。

「すいません。わかりました」

私は、恭ちゃんを連れて、その店を出た。

「ママー。ボクがいたから、お店に入れなかったの?」

恭ちゃんは、泣きそうになった。

「ううん。ママが悪いの。ごめんね。あっちのファミレスに行こうっか」

そう、私が悪い。あんな店を選んだ私が悪い。子供が気にするくらいの対応の悪さの店員。客を選ぶ店。気分悪いつーの。



私と恭ちゃんは、向こうの通りのファミレスに行った。

「いらっしゃいませ。何名様ですか?禁煙席、喫煙席どちらが、よろしいですか」

20代前半の可愛らしい若い女性店員さんが、対応してくれた。

恭ちゃんと、二人だけど、広いソファの席に案内してくれた。

「ボク、プリン。」

恭ちゃんは、プリンに、クリームがついたスイーツを指差した。

「プリンと、ケーキセットお願いします。あと、ドリンクバー二つ」

「かしこまりました」

若い女性店員は、笑顔で、答えていた。


注文したものがくると、恭ちゃんに、若い女性店員は、小さな玩具のセットを渡してくれた。

「わーい。赤い車だー」

恭ちゃんは、喜んだ。

中には、小さいミニカーや、笛が入っていた。おそらく100円ショップで、手に入るものだろう。しかし、値段ではない小さい子供のために、気遣いの心が嬉しい。

このファミレスは、全国チェーンのファミレスなので、マニュアルかもしれない。しかし、店員にサービスの心得というものを徹底してる会社だと感じた。


「ありがとうございます」

私は若い女性店員に、礼を言った。若い女性は、にっこり笑って会釈した。

「プリン美味しいー」

味は普通のプリンだが、店員の対応の良さと、店の雰囲気で、料理が美味しく感じた。



帰ってきてから、花江に、あのオープンしたばかりのカフェの対応の悪さを愚痴るLINEをした。

「私も、そのカフェに娘の同級生のお母さん達と行ったのよ。」

即、花江から返信があった。

なんでも、花江達が、カフェに入って、ガハハ笑いで盛り上がっていたら、他のお客様の迷惑になりますので、静かにしてください。当店は、お洒落なカフェですので、下品な笑いはやめてください。と、店員に言われたらしい。アイスカフェオレ頼んだら、800円したわりには、粉をかき混ぜような味のカフェオレだし、最悪だったらしい。花江は、二度と行かないっ。と言っていた。


こんな田舎で、都会的なお洒落なカフェを目指すのは、勝手だが、店員の態度の悪さ、値段、不味さ、入りづらさを見ると、この田舎では、人気の店になるのは難しいだろう。金持ちの道楽で開いた店なのか知らないが、1年持たないだろう。



でも、こういう対応の悪い店に入ると、改めて、私は接客に力をいれないといけないと感じた。お客様は、お金を払って食べに来るのだから、それを接客の悪さで、気分悪くさせて、召し上がって頂くわけには、いかない。たかが店。されど、店。しかし、店にきて、休憩したり、空腹を満たしたり、友達と雑談したり、癒しでもあり、ストレス発散の場であったりもする。それを、私達は、お客様に満足して頂けるように、サービスをしなければならない。対応の悪さで、お客様のストレスを増やしてはいけないのである。

利益だけを考えて接客は二の次の店を見習ってはいけない。



リョウタが、バンドの練習から帰ってきた。

「真吾くんに頼まれた曲、どうにかデモにしてきたよ。まず聴いてもらってからだな」

「気にいってもらえると、いいね」

リョウタの作った曲が、決まれば、今度ある市の農業青年会の部会で、披露される。

でも、リョウタに農家の気持ち分かるのだろうか。曲を聴くのが楽しみだ。


リョウタが、お風呂からあがってから、ソファで、デレデレしながら、スマホを見ている。

なんだろう?エロサイトでも見てるのだろうか。

後ろから回って、リョウタのスマホ画面を見ると、なんと、結婚式のウェディングドレス姿の私だった。

「なんで、今更、こんなの見てるの?」

「ウェディングドレスの京子、色っぽいからー。」

リョウタは、デレデレしてた。

こいつは、着物好きだったり、もしかしてコスプレ好きか?!

「またドレス姿見たいから、披露宴やろっか?」

リョウタは、言った。

「今度は、白無垢でも、いいぞ」

「イヤだ。40歳で、白無垢なんて、絶対イヤだ」

絶対、披露宴なんてしない。

「年関係ねーよ。」

リョウタの趣味に、付き合ってられないー。



リョウタが作った農業青年会の歌は、気にいってもらえたようだ。

真吾さんの要望どおり、熱いロック調の曲だった。

真吾さんは、ギャラの代わりに、米俵3俵を持ってきた。



とても、米は、ありがたい。






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