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ディナータイムのコース料理が決まった。
Aコース。サラダ、パスタ、ピザ、デザート、ドリンク付。
Bコース。ブルスケッタ、パスタ、グラタン、デザート、ドリンク付。
Cコース。サラダ、ハーフパスタ二種類、ピザ、ドリンク付。
このコースを1500~1800円くらいで、提供したい。
ディナータイムのオーダーストップが終了した時間に、初老の男性のお客様がやってきた。
「にいちゃん、アンタが店長?」
少しお酒が入ってると思われる初老のお客様は、リョウタに絡んできた。
「はい。私が店長です」
初老の男性は、空いてる席にドカッと座ると
「うちの母ちゃんに、余計なことを言ってくれてよー。こっちは、迷惑なんだよー」
どうやら食事をしにきたのではなく、リョウタに文句を言いに来たらしい。
「アンタ、うちの母ちゃんに、若く見えるって言ったんだって?60歳のババアに、40代に見えるとまで、言ったそうじゃないか。母ちゃん、浮かれちゃってよ。おかげで、こっちは、ジジイ扱いだよ。私みたいな若い奥さんなのに、そんな格好恥ずかしくないのって、見下されるようになってよ。客を誉めるにしても、ほどほどにしてくれよー。こっちは、とんだ、とばっちっりだよ」
どうやら、リョウタがお客様に、若く見えると言ったのが原因らしい。
「申し訳ございません。でも、奥さま、とても若く見えたので、正直に言っただけです」
リョウタは、その初老のお客様に、説明した。
「まあ、こんなイケメンの兄ちゃんに、いわれれば、悪い気はしないだろーけどさ。母ちゃん、機嫌いいから、いんだけどよ。」
「お客様、うちの店長が、なにか不手際がございましたでしょうか」
私は、ホールにでて、初老のお客様に、事情を聞いた。
「あなたは?」
「私、オーナーシェフの笹原と申します」
「オーナーさん。えらい美人なオーナーさんだなー。オーナーさん、今からオレと飲みいこうっ」
そういって、初老のお客様は、私の腕をつかんで、飲みに連れて行こうとした。
「ダメです。オーナーは、私の妻だから、ダメです」
リョウタが、初老のお客様を制止した。
「へっ。妻ー?なんだい。イケメンは、こんな美人な奥さんをもらえるのかー。ますます腹立つな。飲みに行くくらい、いいだろ。減るもんじゃないし」
「ダメです。行かせません」
リョウタが、断固拒否した。
「ちっ、兄ちゃんも強情だな」
「お詫びといっては失礼ですが、宜しかったら、パスタ召し上がりませんか」
私は、初老のお客様に言った。
「ワインもつけてくれよ」
「かしこまりました」
初老のお客様に、ホタテとアスパラのパスタをお出しした。
「オーナーさん、飲みにいくのは、諦めたから、ワインくらい注いでくれよ」
「かしこまりました」
私は、グラスに赤ワインを注いだ。
「オーナーさんなら、オレの行きつけのスナックのホステスの中でナンバーワンになれるよ」
「私のようなものは、年齢で無理です」
「大丈夫。大丈夫。オーナーさん、一番若いから」
なんでも、行きつけのスナックは、50代のホステスが多いらしい。田舎のスナックでは、それは普通である。
「このスパゲティー美味いな」
初老のお客様は、パスタを完食した。ワインも3杯飲み、良い気分になり、帰って行かれた。
「なんだ。あのスケベオヤジ。京子の体をジロジロ見てた」
リョウタは、怒って言った。
なんか、疲れた。リョウタは、オバサンウケがいいからリョウタに誉められれば、悪い気は、しないだろう。でも、旦那さんに嫉妬されるくらい過剰なホスト的なお世辞は、ほどほどにしてほしい。
ランチタイム。
外で、揉めてる親子がいた。
「いやだー。あっちのハンバーグ屋がいいー」
「ハンバーグ屋は、この間も行ったでしょう。たまには、ママの好きなもの食べさせてよ」
どうやら、5歳くらいの息子さんは、ハンバーグ屋に行きたかったらしい。
「ご注文お決まりでしょうか」
リョウタが、その親子に、注文を聞きに行った。
「私は、ベーコンアスパラのパスタと、コーヒー。ヒロちゃんは、ナポリタンでいいでしょう」
「いやだー。ハンバーグがいい」
息子さんは、ハンバーグを諦めてないようだった。
「かしこまりました。チーズは、つけますか?」
「うんっ」
リョウタは、ハンバーグのオーダーを受けた。
「お待たせいたしました」
リョウタは、親子のところに、注文された料理を運んだ。
「わー。ハンバーグだー」
息子さんには、ワンプレートで、お子さまが食べれる量で、ハンバーグと、ピラフとナポリタンをつけた。
「わー。ハンバーグの中に、チーズが溶けて出てきた。美味しいー。あっちのお店のハンバーグより、美味しいー」
息子さんは、ハンバーグに大喜びだった。
「ヒロちゃん、よかったね」
お母さんは、言った。
その親子の会計の時
「ハンバーグ代は、おいくらですか」
お母さんが、聞いてきた。
「ハンバーグは、メニューにないので、お代は、よろしいです」
リョウタは、言った。
「でも、息子も、美味しいって満足したので、やはりお支払いします」
「急遽でしたので、ありあわせの材料でお作りしましたので、値段はつけられませんので、やはり、お代は頂けません」
リョウタは、断った。
「おにいちゃん、バイバイっ」
息子さんは、リョウタに手をふって帰って行った。
お子様連れの方が来やすいように、親子共々、食べれるメニューを増やさないといけないと考えさせられた。
母親が、パスタが、食べたくても、小さい子供がいると、子供優先になる。そうすると、色々おいてるファミレスに行くしかない。
ディナーのコースを考えたが、ランチも、お子様メニューを考えよう。




