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Live

地元の市民会館で、音楽祭をやることになった。そのイベントにリョウタのバンド「Avid crown」に、オファーがきた。


地元の市民会館は、キャパは、800人で、発表会や市の催しものに使われるが、たまに演歌歌手のコンサートをしたりする。

今回は、演歌ではなくて、あまり売れない県内出身の歌手の人を何人か呼ぶみたいだが、やはり、若者の観客も動員したいということで、バンドも、何バンドか呼ぶみたいである。

前回の市民まつりの時は無料だったが、今回は、入場料1000円である。800人も来るだろうか。完売するか心配である。



そんなわけで、今回はホールでライブということもあり、リョウタは、休みの日は、バンドの練習に行ってる。



しかし、1発屋とはいえメジャーレーベルの歌手の方と一緒のイベントなんて、観客が、年齢層高くないだろうか。リョウタのバンドは、市民まつりに出たとはいえ、リョウタのバンドで、チケットを買ってまで、動員数を増やせるとも思えない。



「京子、リョウタくんのバンド、音楽祭に出るんだって。絶対行くからね。娘も友達と行くって言ってた」

花江と、ランチをしている。

「ありがとう。でも、チケット売れるかな。それに、若者来るかな。おじいさん、おばあさんばっかだったりして」

「大丈夫よ。常連客は、みんな行くわよ」

それにしたって、今回はライブハウスと違う。座席があるホールだ。


「京子、チケット完売したー」

リョウタが、嬉しそうに言った。

発売わずか一週間で、キャパ800人のチケットは完売したのである。きっと1発屋歌手の名曲を聴きにくるのかもしれない。


「よっしゃあー。ホールでライブだ」

リョウタは、やる気満々である。私は、また不安である。そして、リョウタのバンドのセットリストが気になる。

「今回は、全部オリジナル曲で、行く。」

ひえー。5曲全部をオリジナル曲でいくというのか。なんて無謀な。

頼む。誰もが知ってる曲をやってください。



音楽祭当日。


出演者。

プロの歌手3名。県内で活動してるフォークシンガー1名。県内で活動してるソウルシンガー1名。インディーズバンド、リョウタのバンドを合わせて3組。


リョウタのバンドは、最後から3番目の出演である。

トリは、1発屋の歌手である。



会場を、見渡すと、高校の後輩では、砲丸投げ王者、咲ちゃん。ハンドボール部の三人組。バスケ部の絢斗くんが来ている。工業高校の潤くん達も来ている。翼くん夫婦も来ている。

真吾さんと紀香ちゃん夫婦も来ている。料理教室の受講生は、ほとんど来ていた。駿くんも家族全員で来ていた。

幸恵おばあちゃんも、息子さん夫婦と来ていた。

みんな、来てくれている。ありがとうー。


私は、家族優先席で、一番前の席をとれた。恭ちゃんと両親と、花江とで、真ん中の一番前だ。


オープンニングは、プロの女性の歌手だった。でも、あまりヒット曲がないので、知らない曲ばかりだった。

次のフォークシンガーのときは、アコギ1本で、歌ってたので、眠くなった。恭ちゃんは、寝ていた。花江は、アクビを必死にこらえていた。若者は、スマホをいじってる人が多かった。

ソウルシンガーのときは、歌が上手いので、良かったが、お年寄りは退屈そうだった。


いまいち、盛り上がりに欠ける。こんなんじゃリョウタのバンドは、大丈夫だろうか。しかも、オリジナル曲5曲だ。


他のバンドも終わり、次はリョウタのバンドだ。



「行くぞおっー」

ボーカルの裕太くんが叫んだ。

そうすると、若者の観客は、立ち上がった。

「久しぶりー。Avid crownでーす」


「パパー」

恭ちゃんは、起き出した。

「リョウタくーん」

花江が叫んだ。花江は、一番前でノリノリだ。さすが昔、BOOWYの追っかけをしてただけある。

「店長っー」

常連客も、喜んで立ち上がっていた。幸恵おばあちゃんは、分からないが。


オリジナル曲でも、どうにか盛り上がっている。


「次は、リョウタがこの町にきて、その想いをリョウタが作った曲です」

ボーカルの裕太くんが、次の曲の紹介をした。

そういう曲をリョウタが作ってたとは、知らなかった。



♪夢を追いかけて、ここに来たよ。



僕の不安な心を君が溶いてくれた。



ひとつの優しさが、二つになり



月を重ねるごとに、色んな優しさが増えていった。



沢山の笑顔に会えて、ここに来て良かった。



「街」作詞作曲 ryota




リョウタの作った曲は、ミィディアムテンポで、聴きやすい曲だった。


「店長ー。カッコいいー」

「リョウタくーん」

観客は、かなりの盛り上がりになっていた。



「ラストー。depression」


こうして、リョウタのバンドAvid crownの演奏は終わった。



私達は、真ん中の一番前なので、帰るわけにはいかず、トリの1発屋のオジサン歌手まで、見ていた。

しかし、若者は、リョウタのバンドが終わると帰っていく人達がいた。



音楽祭が終わってから、1発屋の歌手の方は、ローカルのラジオがあるので、帰っていったが、その他の出演者で、打ち上げをした。


打ち上げから、帰ってきたリョウタは、色んなジャンルの歌手の人と話せて楽しかったと言っていた。

裕太くんの盛り上げ上手は、絶賛されたらしい。リョウタの曲も評判が良かったらしい。



リョウタも、すっかり、この町の人になったね。




Avid crown セットリスト


1.Heart

MC

2.虹のむこう。

3.beat with

MC

4.街

5.depression





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