表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/46

披露宴。翼くん編。

土曜日のランチタイムに、翼が、彼女と彼女の娘さんを連れて来た。

「リョウタ、彼女の紗香と、彼女の娘のルカちゃん」

翼くんは、リョウタに彼女と、彼女の娘さんを紹介した。

「こんにちわ」

「翼の同級生のリョウタです」


34歳だという彼女は、可愛らしくて、若くみえた。娘さんのルカちゃんも、彼女に似て可愛かった。


「リョウタ。実はリョウタと京子さんに、頼みあるんだ」

「じゃあ、休憩までいるか?そんとき、話を聞くよ」


翼くんの頼みとは、結婚披露パーティーを、うちの店で、やりたいということだった。お互い二回目の結婚なので、披露宴を盛大にやるつもりはなく、身内とごく親しい人だけを呼んで、パーティーをやりたいということだった。




パーティーとなると、バイキング形式にしたほうがいいのだろうか。年齢層も聞かないと、パスタとピザだけって、わけにもいかない。

「パーティーとなると、キッチンは私一人ではキツイ、お母さんに手伝ってもらうにしても、恭ちゃんの世話もあるしな。花江に手伝ってもらえるように頼んでみるかな。」

「ホールは、裕太に頼んでみるよ」

裕太くんは、長年、居酒屋のホールやってたので、手伝ってもらえると助かる。



早速。花江に電話した。

「月末の日曜日。翼くんの結婚披露パーティーを貸しきりで、うちの店でやるんだけど、バイト代はずむから、花江、料理のほう手伝ってくれないかな」

「バイト代はいらないわよ。私と京子の仲でしょう。タダで、手伝うわよ。なんなら、娘も皿洗いにでも、連れていくわよ」

「ほんとに?!由衣ちゃんも手伝ってくれるのは助かる」

はー助かった。さすが花江だ。話が早い。



翼くんの招待客は、15人。彼女の招待客は、11人。二人の会社の同僚4人。全部で30人である。


「この人数だと、けっこうな料理の量になるわね」

水曜日に、私の家で、料理の打ち合わせを、花江と、リョウタのお父さんにも参加してもらって、話し合った。

「翼くんのおばあさんも出席するから、年配の方が好む料理も出したほうがいいのかな。うどんとか」

私が、言った。

「京子。こういう時だから食べれるメニューがあるから。無理に和食にしなくていんじゃない。今は、お年寄りでもパスタ食べるから」

母親が言った。

「それは、言える。普段食べないからパーティーだから、食べれるメニューってあるからね。」

花江が母親の意見に賛同した。


パーティーで、パスタとピザだけでは、物足りないので、サラダ、グラタン、ローストビーフを作ることにした。あと、魚介類が足りない。ホタテを使いたいが、この辺のスーパーのホタテで、小ぶりで、活きのよさがない。それを言ったら、リョウタのお父さんが、漁港の市場に、直接送ってくれるように手配してみると言ってくれたので、ホタテ料理もだせそうだ。


休みの日に、都会に足りない食器をリョウタと恭ちゃんと買いにいった帰りに、イタリアンのバイキングのお店に寄ってみた。

パスタは、三種類だった。サラダは、自分で好きなのを取って、組み合わせる形だった。デザートは、ティラミス、ケーキなどが、あった。

「パスタは、京子の作ったパスタのほうが、美味いな」

リョウタがパスタを食べて言った。

やはりバイキングだと、作りたてに、ぶつかるのが、難しいから、冷めて美味しさが半減するのかもしれない。

「ケーキも、ママのケーキが美味しいー」

恭ちゃんがケーキを食べて言った。

ケーキが、いくらバイキングにしても、1個が小さい気がする。こんなに小さいのでは、クリームの味も分からない。時間が経ってるのか、スポンジもパサパサだった。


バイキングだと、回転が悪いと、リスクがある。翼くんの結婚披露パーティーでは、料理の減りを見て、随時、作りたてをだすほうがいいだろう。



とりあえず、メニューが決まった。パスタ8種類。サラダ2種類。グラタン2種類。ピザ6種類。ローストビーフ。ホタテのソテー。パンを食べたい人のために、ブルスケッタ。デザートは、ガトーショコラ。かぼちゃのタルト、チーズケーキ。

かぼちゃのタルトは、花江の推薦である。

パスタと、ピザは、最初、三種類だして、なくなった次点で、別の種類を作りたてで、だしていくことにした。



日曜日。翼くんの披露パーティーは、12時からなので、その前に、リョウタのバンドのメンバーが来てくれて、私の父親とホールのセッティングをしてくれた。

キッチンは、配達がてら、リョウタの両親が来てくれて、恭ちゃんの面倒を見てくれることになったので、私の母親と、花江の三人で、調理をする。食器の洗い物に、花江の娘さんの由衣ちゃんと、駿くんの奥さんの彩ちゃんが来てくれることになった。



こんだけヘルプがいれば、時間まで、間に合いそうだ。



受付は、翼くんの地元の友達がしてくれるそうだ。 司会も、翼くんの同級生で、ローカルのラジオのDJしている人に頼んだらしい。

時間が近くなると、ぞくぞくと出席者が来た。新郎新婦も到着し、パーティーは、始まった。

しかし、実際、始まってるみると、料理の減りが異常に早く、キッチンは、息つく暇もない状態だった。

「京子、パスタ、もう2皿なくなりそうだ」

皿と言っても、大皿のパスタである。

「リョウタ、ペペロンチーノと、ボンゴレ出来たから、持っていって」

目が回りそうな忙しさだ。花江は、ピザを次々に焼いている。

母親には、ひたすら材料を切ってもらった。


ホールのスタッフをやってる父親とリョウタと、バンドのメンバーの5人も、飲み物のオーダーや、料理の上げ下げに、てんてこまいだった。

由衣ちゃんと、彩ちゃんも必死に、下げた食器を洗っていた。



パーティーも終盤になり、みなさん、デザートにいき、落ち着いてきたので、なんとか新婦さんの両親への手紙が耳に入った。


「私は、1度結婚に失敗しています。なので、もう結婚する気はありませんでした。でも、翼さんと出会って、その思いは消えました。翼さんの誠実で、嘘のない真っ直ぐな気持ちに、この人と一緒にいたいと思うようになりました。娘を可愛がってくれてます。娘も翼さんと一緒にいたいと言いました。お父さん、お母さん、色々悩ませて、親不孝な娘でしたが、今度は、お父さんとお母さんが、私の生活を笑顔で見られるようにします。今まで、ありがとう。今度は幸せになります。」


新婦さんの手紙をきいて、もらい泣きをした。

続いて、翼くんからの挨拶だ。

「本日は、ご出席頂きまして、ありがとうございます。お互い二回目の結婚ですが、もう不安はありません。なぜなら、妻に、愛情の他に、信頼もあるからです。それを教えてくれのは、このお店のリョウタと京子さん夫婦です。この二人のような夫婦に、俺達もなれたらいいと思ってます。」


翼くんの言葉に、私達夫婦は、信頼しあってるように、写ってたのだろうかと、思ったが、信頼がなければ、一緒に店をやれなかったかもしれないと、改めて思った。



どうにか、結婚披露パーティーは、無事に終わった。

作りたてを、出したのが良かったのか、料理の評判は良かった。出席者に、満足して頂けて、何よりです。



パーティーの片付けが終わってから、リョウタのバンドのメンバーと、花江と、由衣ちゃんと、彩ちゃんに、アルバイト代を渡した。みんなは、受け取れないと言ってくれたが、せっかくの休みに皆、手伝ってくれたのだから、無理矢理受け取ってもらった。




「さすがに、今日は疲れたな」

風呂上がりにリョウタが言った。

私は、あまりの疲労に、ベットに、うなだれていた。

「あっ。京子、白髪あるぞ」

寝ていた私の髪を触って、リョウタが言った。

うそー。白髪なんて、ショック。私は、また、うなだれた。

「白髪、抜いてやろうか」

リョウタは、私の白髪を抜こうとした。

「やめてー。白髪抜くと、増えるって言うよー」

私は、白髪を抜かれるのを拒んだ。

「それ、ほんとかよー」



もう白髪なんて、げんなり。そんな年なんだー。

最近、細かい字が苦手だ。そろそろ老眼も始まるかもしれない。



ますます、リョウタとの年の差を実感した今である。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ