表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/46

brother

店を閉めて、家に帰ると、兄がいた。

「兄さん、どうしたの?」

母に聞くと、義姉に閉め出されたらしい。

午前様の時間でもないし、こんな時間に入れてもらえないって、浮気?

あの性格が、ひん曲がってる兄が、モテそうには、思えないが、金目当ての女もいるかもしれないしね。

どうであれ、今日は泊まって行くのだろうか。なんか憂鬱だ。



やはり兄は、泊まっていくらしいので、今日は、二階のお風呂に入った。久しぶりに、リョウタと恭ちゃんと、三人で入った。一階のお風呂の方が大きいけど、親の前で、三人ではいりずらいので、たまには、いいかも。恭ちゃんは、よほど嬉しかったのか、お風呂で、おおはしゃぎだった。


これも、兄が、結婚して、親と同居する際に、二世帯住宅みたいに家をリフォームしたおかけだ。水道代がかかるので、毎回二階のお風呂に入るわけには、いかないが。




コンコン。部屋を誰かがノックした。

「京子ー」

リョウタが、ドアを開けるのと、兄だった。

「京子は、恭と、寝ちゃったんですよ」

「リビングで、酒のんでたら、腹減って、京子に、なんか作ってもらおうと思ったのにな」

いったい何時だと思ったのか、11時過ぎてるのに、迷惑だ。

「あっ、じゃあ、これ食べます?美味いですよ」

そう言って、リョウタは、兄に、曲がり煎餅を渡した。

「おー。これ美味いよね。リョウタくん、若いのに、こういうの好きなんだ」

「京子が食べたのを食べてから、ハマちゃって」

「リョウタくん、ちょっと下で、飲まない?」

そうして、リョウタは、兄と、リビングで飲むことになった。



兄の理屈に付き合わせられるのだろうか。

兄は、普段でも理屈ぽっいのに、お酒が入ると、一層理屈をこねる。説教されないといいのだが。


「しかしさ、京子が年下が好きだったとは、意外だった。確かに、面倒みがいいところは、あったけど。しかも10歳も下とは、驚いたよ」

兄が、私の男性の好みなど、わかるはずないのに、何をいってるんだコイツは。

「京子、中学の時、モテモテでさ。オレが中3のとき、京子は中1だったんだけど、同級生の男子に、妹を紹介してくれと、言われて大変だったよ。だから、年上ウケなのかなと思ったんだけど、年下に行ったんだもんなー」

そんなこと、いちいちリョウタに言わないで、ほしい。迷惑だ。

「でも、結婚なんて、するもんじゃないよな。うちの嫁なんて、結婚したとたんに、態度が変わってよ。今日なんて、鍵しめて、ドアチェーンまでして、入れてくれないんだよ」

兄は、グチグチと、語り始めた。

「なんで閉め出されたんですか?」

「出張したときに、キャバクラに行ったのが、バレて、それで、怒りまくってさ」

「キャバクラくらいで?付き合いで、行くことだってありますよね」

「だろ?そうだよね。付き合いで、行って、一晩で、10万使ったくらいでよ。男には付き合いってもんがあるんだから、仕方ないんだよ」

一晩で、10万円は、使いすぎだ。モテない兄は、キャバ嬢に、ちょっと持ち上げられて、調子にのり、飲ませられたに違いない。

それは、義姉に、怒られても仕方ない。でも、早く帰ってほしい。



夜中の1時に目が覚めると、リョウタがいない。どこに行ったんだろう。そう思って、下に降りていくと、リョウタがリビングで、酔いつぶれていた。



「お義兄さん、もう飲めないっすー」

可哀想に、仕方なく、兄に、付き合ったんだね。

「ちょっと、兄さんっ。リョウタは、明日も仕事なんだから、こんなに飲ませないでよね。兄さんは、土曜日だから休みかもしれないけど」

テーブルに、酔いつぶれてた兄に、怒った。

「なに言ってるだよおー。リョウタくん、自分で飲んだんだぜ」

リョウタは、ソファで、寝ていた。

リョウタは、お酒が強いほうだから、こんなに酔いつぶれたことないのに。兄に、気を使って飲んだから、悪酔いしたのだろう。


「リョウタ、二階行こう」

「京子ー」

リョウタは、私に、しがみついてきた。

かわいそうに。ごめんね。婿だからって、仕方なく付き合ったんだね。兄が帰ってきたことで、肩身の狭い思いさせて、ごめんね。


「けっ。いちゃつきやがって。若い婿をもらうとこれだもんな」

兄は、私達をみて、呆れたように言った。

「だったら、自分も若い嫁をもらえばよかったでしょうっ。いいから早く寝ろっ」


「おー怖っ。やっぱ親と同居してると、偉くなるのかねー」

うるせー。とっとと、家に早く帰れっ。



朝、起きて、朝食の準備をしてる時に母親に言った。

「兄さん、いつまでいるの?昨夜、リョウタを無理矢理付き合わせて、リョウタ珍しく酔ったのよ。いい迷惑」

「リョウタくんに?困ったわね。飲み相手ほしいのね。あれじゃ昨夜あんだけ飲んだから、昼間まで起きないから、今日も泊まるんじゃないのかしら」

「お義姉さんも、兄さんが建てた家なのに、閉め出すって、どういうこと?とっとと迎えにきてほしい」

私は、朝から怒りがおさまらなかった。



リョウタは、やはり若いのか、二日酔いには、ならなかった。

しかし、兄は、やはり年なのか、二日酔いが、ひどく起き上がれなかった。いい気味だ。今夜は、そのまま起きてくるな。




休みの日曜日。昼過ぎに、恭ちゃんとスーパーに行った。

「京子おばちゃんー、恭ちゃーん」

有くんが、私達を見つけて走ってきた。

スーパーに、有くんがいるということは、義姉もいるということだな。

「あらっ。京子さん、こんにちは」

挨拶からして、イヤミくさい。

「兄さん、家に来てますよ。」

「ああ。やっぱり実家にしか行くところないのね。帰ってこなくてもいいわよ」

「そんなこと、言っても、兄さんが建てた家じゃないんですか。帰るのが当たり前ですよ」

「京子さん。和明さん、キャバクラ行って、一晩で、10万使ったのよ。子供二人いて、これからお金かかるっていうのに、無駄遣いもいいとこ。こっちは、子供たちが、学校行ってる間にパートに行ってるというのに。まあ、京子さんは、子供が一人しかいないし、しかも実の親に、子供の面倒みてもらってるから、私の大変さが分からないと思うけどっ」

今日もイヤミが炸裂の義姉だ。

私は、さすがに、ブチっと切れた。

「だったら、別居しなきゃよかったじゃないですか。兄さん夫婦が出ていったから、私は呼び寄せられたんですよ。こっちは、気分で、出たり入ったりされて、たまんないですよ。兄さんが出ていかなきゃ今ごろ、リョウタと都会で暮らしてました。ちょっと、ウルサイ姑と住んだからって、嫌なら、お義姉さんは、出ていけばいいですけど、私は、実親だから、ウルサくても、我慢して、一生付き合わなきゃいけないんですよ。」

実家に帰ったおかげで、リョウタと結婚出来たのは、さておき。

私は、義姉に、はむかった。


「これだから。実家にすんでる娘はね。姑と同居したことない京子さんに、何が分かるっていうのよ。苦労したことない人は、いいわね。店も自分で経営してるから、気楽でいいわね。こっちは、雇われて頭を下げながら、必死にパートで働いてるよ」


「別に、兄さんは公務員だし、課長だし、お義姉さんは働かなくてもいんじゃないですか。どーせ、暇潰しとか、小遣い稼ぎとか、話し相手探しに、パートに、行ってるんでしょうから。給料安くて、共稼ぎで、子供を保育所に預けて、必死に働いてる夫婦だっているんですよ。私だって、恭ちゃんと、一日いたいです。でも働かなきゃいけないから、夜まで働いてるんですよ。そんな、お義姉さんみたいな甘い考えで、働いてるのと一緒にしないでくださいっ」


義姉みたいな気持ちで働かれて、働いてると威張られて、迷惑だ。


「だったら、京子さんは、綺麗だし、若いときに、給料のいい男をつかまえればよかったじゃないの。あんな若いイケメンの旦那さんなんて、顔にこだわってたから、稼ぎの悪い男に、ひっかかるのよ」

むかつく。あーいえば、こういう義姉だ。


「稼ぎよくても、性格悪い男なんて、嫌ですから。それに、今は、リョウタの接客の良さで、店が繁盛してますから。リョウタのおかげです。」


うわーんっ。恭ちゃんが泣き出した。

「おばちゃん、ママを怒っちゃ嫌だー」

しまった。子供の前で、こんな見苦しい言い合いをしてしまった。

「お母さん。京子おばちゃんに言いすぎだよ。京子おばちゃんは、お母さんと違って、いつも優しいのに、こんなに京子おばちゃんを怒らすなんて、お母さんが悪いよ」

有くんが私をかばってくれた。


「有くん。うちに遊びに来なよ。お父さんもいるし」

有くんが来れば、兄も、帰りやすいだろう。

「うんっ。行く。リョウタお兄ちゃんと遊ぶ」


「お義姉さん、そういうことで、有くんは、お預かりします。夕飯食べたら、兄さんと一緒に帰しますので。では、失礼します」

くそっ義姉。毒義姉。まあ、性格の悪い兄では、似たような性格の悪い女だから、気があったんだろうけど。


私の小姑根性は、もう止められなかった。

リョウタのことまで、稼ぎの悪い男と言われて、良い顔してらんないわよ。

あんな立派なマイホーム建ててもらって、姑もいなく、暮らしてるのに、贅沢言うな。



「リョウタお兄ちゃんー」

有くんは、家に入ると、リョウタに、しがみついた。

有くん、ここにお父さんもいるよ。

でも、兄は、リョウタに子供の面倒をまかせて、気楽なものだった。


リョウタと、有くんと、恭ちゃんは、すごろくを三人でしてた。

「わーい。リョウタお兄ちゃん、ふりだしに戻ったー。恭ちゃんより、遅いー。」

きゃははー。と三人で、すごい盛り上がりようだった。


「おやつよー」

私は、おやつに、かぼちゃのパウンドケーキを焼いた。

「京子おばちゃん。このケーキめちゃ美味しいー。お母さんが買ってくるケーキより、美味しい」

有くんは、嬉しそうに食べた。

「有。当たり前だろ。京子おばちゃんは、プロなんだぞ。それで、客から、金をとってるんだから、美味しくて、当然だ」

くそアニキが。子供に、そういう表現の仕方やめてくれないかな。

「でも、恭ちゃんは、いいな。毎日、美味しいもん食べれて」

いったい義姉は、どういうものを食べさしてるんだろう。


「京子、夕飯なに?オレ、いつも遅く帰るとカップラーメンなんだから、美味いもん食わしてくれよ」

アニキよ。図にのるなよ。何日実家にいるつもりなんだ。



夕飯は、兄のリクエストで、ロールキャベツと、ちらし寿司にした。なんでも、別居してから好きなロールキャベツと、ちらし寿司を食べてなかったらしい。




「有。今日は泊まっていくか?明日の朝、帰ることにするか」

「うんっ。泊まっていく。リョウタお兄ちゃんとお風呂はいるー」



お兄さん、いい加減、帰ってくれませんか。













評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ