ダイエット。
お風呂上がりに体重を、計ると3キロ増えていた。40歳になっての3キロは、大きい。ヤバイ。
「風呂、長かったな」
「太ってたから、ショックでぼーぜんとしてた」
私は、体重計に乗って、しばらく固まってたのである。
「えっ、そうかあ」
リョウタは、気にしてる様子でもない。
「3キロも太ったのよ」
「ふーん」
「嫌じゃないの?太ったのよ」
「別に」
別にって、女房が太ったら嫌だとかないのかな。
「やっぱり、帰って来てからの夜食が、いけないのかも。夜10頃食べるのって、よくないよね」
「だってよ、食わないと腹へって、寝らんないよ。休憩から、ずっと食わないわけだし。夜食ぬくのは、キツイよ」
そんなこと言っても、40歳が太るのと、30歳が太るのでは訳が違う。
40歳は、太ったら、痩せにくい。3キロ減らすということが、どんなに大変か、リョウタは、分かってない。
「ダイエットしようかな」
「やめてくんない?横で、炭水化物抜くとか、糖質抜くとか、言われて、飯食うの、こっちが食った気がしない」
「だって、このまま太っていくのは、まずいんじゃないの」
「じゃあ、運動すりゃいいじゃん」
ふんっ。他人事だと思って。リョウタは、食べても太らないから、いいだろうが、運動するのだって、大変なんだからね。
「あっ、お店でも、ヘルシーメニュー取り入れようかな。女性に人気かも」
「オレ、そういうの反対。外食は、食事楽しむものだから、そういう食事制限は、家でやればいんじゃね。そういう食事制限してる人が、外食では、普通に食べたいという人もいるかもよ」
「そうだけど。外食って、カロリー高いし、ダイエットしてる人だと、外食したくても、外食できないっていう人いるかもよ」
「パスタの麺をコンニャク麺に、するとか言うなよ。そんなのパスタ屋じゃないじゃん。」
「そうだけど」
「お客さんは、パスタ食いたいから、パスタ屋にくるんだから、そういうのやめてくれ」
「分かった。でも、リョウタだって30歳だから、これから太るかもよ。イケメン店長言われて、浮かれてたら、みるみる太るんだからね」
「るせーな。腹筋するからいいよ」
でも、10歳の年の差って大きい。リョウタには、40歳の気持ちが、まだ分からない。なんとしても痩せなくては。
水曜日。店休日。
「私、ダイエット始めようと思って。妊娠前の体重に戻すつもりよ」
花江とランチをしていると、花江が言い出した。
妊娠前の体重って、30キロも減量するというのか。それは、いくらなんでも急に無茶だ。
「旦那に、デブと言われたのよ。オバサン体型とも、言われたわ。痩せる気ないのかとも言われた。あんなオッサンに言われて、悔しくて悔しくて、見返してやるわ」
「どういうダイエットをするの?」
「まず食事制限するつもり。炭水化物抜こうと思って。あと、ウォーキングを一時間するわ」
そういって、花江は注文したドリアを食べた。あれっ?ドリアも炭水化物ではないだろうか。
「あっ。ダイエットは、明日からね」
そういって、花江は、美味しそうにドリアを食べている。
「炭水化物抜くんじゃ、うちの店にも来なくなるの?」
パスタは、もろに炭水化物である。
「行くわよ。やっぱり、ダイエットにも、ご褒美って必要だと思うの。頑張ったら、ご褒美に、週に一回は食べに行くわよ。」
まあ、目標があるから、頑張れる時もあるからね。ご褒美あれば、頑張るかもしれない。我慢にも限界あるだろう。
ディナータイムの8時に、花江がジャージ姿で、やってきた。
「京子、来たわよー。ウォーキングの帰りよ。夕食後に、ウォーキングを一時間も、したから。ご褒美よ」
ウォーキングを一時間もすれば、喉も乾いただろう。
「ジンジャーエールと、そうね。運動して、お腹減ったから、昔風ナポリタン食べようかな」
えっ、夕飯食べたんだよね。まあ。一時間もウォーキング頑張ったんだから、今日くらいは食べるのだろうか。
「花江さん、どうしたんですか?ウォーキング始めて」
リョウタが、花江に聞いた、
「ダイエット始めたのよ。旦那に、デブと言われたのよ」
「へえー。でも無茶しないで下さいよ。花江さんは、今のままでも、充分、可愛いんだから」
「リョウタくん。ありがとうっー。やっぱり、イケメンは、思いやりが、あるわよね。うちの旦那と大違い」
花江はリョウタの言葉に大喜びしてた。
そして、次の日のランチタイム。
「京子、来たわよー」
花江はヨガ教室の帰りに、ヨガ教室の仲間を引き連れて、やってきた。
「ヨガ頑張ったから、ご褒美よ」
まあまあ、運動すれば、お腹も減るからね。ランチくらいは、食べるよね。
「あー久しぶりにピザ食べたい。」
久しぶり?先週も食べたはずだ。まあまあ、ヨガした後だし、ピザも食べたいだろうね。
「パスタは、チーズたっぷりのモッツァレラに、しようかしら」
ピザにも、チーズは、乗っている。そうだよね。運動した後くらいは、食べたいの食べたいよね。
「デザートは、チーズケーキにしようかしら」
デザートも食うのかよ。まあまあ、たまには、チーズづくめの日があってもいいだろう。
「花江さん、今日は、チーズづくめですね。」
「リョウタくん。やっぱり運動のあとは、チーズよ」
まあまあ、運動してるし、食べて痩せるのが、一番いいダイエットだよね。
そして、3日後に、花江からLINEがきた。
ダイエットしてるのに、2キロ太ったそうだ。
なので、ダイエットに本腰をいれるので、しばらく店には行けないという内容だった。
「花江さん、来ないと寂しいね」
花江が、珍しく、店に、一週間も来なかった。リョウタも、少し心配のようだった。
店を閉店しようとしたら、ジャージ姿の花江が、立っていた。
「京子ーー」
そういって、花江は、倒れた。
「花江っ、大丈夫っ」
「花江さんっ」
花江は、断食をしていたらしい。一週間、お粥と、スムージーしか、食べてないらしい。
あまりの空腹で、倒れたのである。
「京子、わたし、パスタとピザが夢にまで、出てきたの」
一週間も断食するなんて、花江は頑張ったよ。もう、充分だろう。
ダイエットは、辛い。でも、どうしても痩せなきゃいけない場合もある。
どのダイエット方法が一番いいのかは、分からない。
自分に合うダイエット方法は、人それぞれである。
ストレスなく、ダイエットが出来たらいいのだが、これは、いつも大きな課題である。




