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義姉。

兄の子供を3日間預かることになった。

義姉の母親が、手術をするらしく、義姉が付き添うので、小学3年生の有くんは、小学校を休ませたくないので、兄では、有くんの世話は、無理なので、うちで預かることになったわけである。


店を閉めて、家に帰ると、有くんが来た。

「京子おばちゃん、おばあちゃんが、恭ちゃんばっかりー」

母親が、恭ちゃんばかり、構ってたのだろう。有くんは、構ってほしくて、すぐに私のところに来た。

「ごめんね。プリン持ってきたから、一緒に、食べよう」

そうすると、恭ちゃんが、泣きながら走ってきた。

「わーん。ボクのママだよー」

恭ちゃんが私に抱きついた。

「なんだよっ。恭ちゃんばっかり」

「有くんは、お兄ちゃんだから、我慢しなさい。恭ちゃんは、小さいのよ」

母親が、やってきて、有くんに言い聞かせた。


「お母さんっ、そういう言い方やめてよね。子供だって、プレッシャーになるのよ」

私は、母親を叱った。


私は、子供に「お兄ちゃんだから我慢しなさい」「妹だから我慢しなさい」っていう言い方が大嫌いだ。

有くんとは、逆だが、私は、小さい頃から、「京子は、二番目なんだから、我慢しなさい。お兄ちゃんは、長男なんだから、お兄ちゃんが優先は、当たり前なのよ」と言い聞かせられて、育った。

兄は、家を継ぐ長男だからと、両親は、兄には、甘かった。

確かに兄は、親の希望の大学に入り、そして地元の市役所を受けた。まあ、父親のコネだと思うが、親の希望どおりの市職員になった。

私は、行きたい大学にも行かせてもらえず、女だからと、地方都市の無難な人気の私立大学を無理矢理受けさせられた。

兄には、家を継いで、老後の面倒を見てもらいたかったのだろうが、兄嫁との同居で、事態は、一転した。兄嫁は、私の両親と合わなく、同居を解消したかったので、兄をそそのかし、マイホームを建て、兄夫婦は、家を出ていった。


兄との差別がひどかったので、私は大学を卒業してからは、そんな風だから、私は、親に相談することも、頼ることもなく、働いた。


今、こうして、親と同居してるのが不思議だ。


どうにか、落ちついて、有くんと、恭ちゃんは、プリンを食べた。

「リョウタ、有くんと恭ちゃんをお風呂にいれてね」

もう、10時だというのに、ドタバタしたらしく、有くんも、恭ちゃんも、まだお風呂に入ってなかった。



お風呂場から、楽しそうに、笑い声が聞こえた。

「やっぱり、リョウタくんだと若いから、子供も楽しいのかしら」

母親が言った。

「どうなのかな?」

「和明じゃ、ろくに子供の面倒も、見ないだろうね。」



お風呂から上がった三人が来ると

「有くん、おばあちゃんの部屋で、もう寝ましょうね」

母親が、有くんに寝るように促した。

「ボク、リョウタお兄ちゃんと寝たい」


そうして、二階で、ダブルベットで、4人で寝ることになった。

眠った有くんと、恭ちゃんを見ながら私は言った。

「まさか4人で寝るとは」

「もう一人子供が増えたと思えばいいさ」

リョウタは、もう一人子供が欲しいのだろうか。

恭ちゃんにも、兄弟が必要なのかもしれない。

でも。二人目は、難しいと思う。治療しても、授かるかどうかは、わからない。



水曜日で、店休日だったので、リョウタは、恭ちゃんと、小学校に有くんを迎えに行った。

「リョウタお兄ちゃんー」

有くんは、リョウタを見つけると嬉しそうに駆けてきた。


「有くんのパパ?カッコいいー」

「弟ちゃんも、めちゃ可愛いっー」

有くんの同級生らしき女の子達が、リョウタを見て言った。

「ううん。ボクの伯父さんと、恭ちゃん」

「有くんの伯父さん、カッコよくて、いいなー。イケメン俳優みたい」

女の子達は、羨ましがっていた。

「まあね」

有くんは、羨ましがられて、嬉しそうだった。



有くんを預かって3日目の夜に、私達がまだ店にいるときに、兄が有くんを迎えに来た。

「ボク、まだリョウタお兄ちゃんと遊びたい」

有くんは、帰りたくないと駄々をこねた。

「有、言うこと聞きなさい。お母さん帰ってきたんだから、帰るぞ」

「嫌だ。リョウタお兄ちゃんを待ってるー」

「リョウタくんは、まだ仕事なんだぞ。帰るから、早くしなさいっ」

兄は、ムキになり強く言った。

有くんは、仕方なく渋々帰って行った。



有くんは、この家で両親と暮らしてた時は初孫だし、可愛いがられたが、別居し、今、幼稚園の妹が産まれると、義姉も、妹の面倒で構ってあげなくなり、寂しい思いをしてたのだろう。



日曜日。一人でスーパーに行くと

「あら京子さん」

義姉に声をかけられた。

「有がリョウタお兄ちゃんと遊びたいって、毎日言われて、困ってるの。やっぱり若いパパのほうが、いいのかしらね。」

皮肉だろうか。

「和明さんなんて、家のこと何もしないのよ。私は、梨佳のことで、精一杯だから、有の面倒くらい見てほしいわ。有にリョウタくんとお風呂入ったとか言われて、困ったわ。和明さんなんて、お風呂にも入れないわよ。京子さんは、子煩悩の旦那さんでいいわね」

私は、義姉が話してることに、疑問を感じた。なぜ、礼を言われないで、皮肉を言われなければならないのだろう。


「京子さんは、二人目は、まだ?やっぱり兄弟は欲しいわよね。京子さん、40歳でしょう。早く二人目産まないと大変じゃない?二人目成人する時は、60歳過ぎるわよー。早く作ったほうがいいわよ」

余計なお世話だっつーの。なんで、そんなことまで、言われきゃなんないのかね。



いくら知らないとはいえ、子供ができにくい体の私が、どんな思いで、恭ちゃんを産んだと思うのか。やすやすと、二人目と言うなんて、自分が二人子供いるからって、デリカシーのない義姉だ。


だいたい有くんを預かったのに、その礼も言わないで、皮肉言うなんて、どんだけ性格悪いんだ。



私は、今まで、うちの母親の細かさと煩さでは、嫁に嫌がれても仕方ないと、同居してるとき義姉を同情してきた。別居されても仕方ないと思っていたのに、それなのに、皮肉言われる筋合いはない。


考えてみれば、いくら、うちの母親でも、良い嫁だったら、あそこまで、文句言うわけないだろう。今まで母親の嫁の愚痴を半分聞いていたが、この性格の悪さでは、納得した。



私は、怒りまくって家に帰った。

「お母さん、聞いてよ。お義姉さんと、スーパーで、会って、皮肉言われたわよ。預かったのに、お礼も言わないのよ」

もう良い小姑ぶるのは、やめて、早速、母親に告げ口した。

「郁恵さん?あの人も常識ないわよね」

「私に、二人目は、まだって、年だから早く作れ言うのよ。子供ができにくい私に、ひどくない?」

もう、私は、母親に、義姉の文句を言いまくった。

「京子に、そんなこと言ったのっ。ほんと性悪嫁ね」

「ほんとに、兄さんも女見る目ないわよねっ」

私と母親は、嫁の文句を言いまくった。




「さっきさ、京子とお義母さん、怖かった」

リョウタが部屋で言った。

「私、スーパーで、お義姉さんに、散々皮肉言われたのよ」

「でも、親子で、嫁の悪口を言ってるの怖えーよ。京子も、小姑根性だしてきたな」

リョウタは、まるで他人事だ。

「私、二人目まだって、言われたのよ。ひどくない?」

「そういうのが、挨拶みたいなオバサンいるだろーが。いちいち相手にすんなよ」

リョウタに、なだめられるとは、私も、どんだけ怒りで興奮してたのだろう。


「リョウタは、二人目欲しいの?」


「いいよ。京子と恭がいれば」



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