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夢
私は夢を見ていた。
ひどく悲しくて、苦しくて、そして、激しい憎しみと愛にあふれた。
『何故、約束をお破りになったのですか…』
『…………………』
『貴方も私をそのような眼差しで見られるのですか…』
涙が流れる。その涙さえも、穢れた血の垢に成り下がる。
『私はいつか貴方を殺します…貴女が私を殺したように。
何度でも生まれ変わって、殺します』
『思い、出したのか…』
ずっと黙り混んでいた彼は、ようやく口を開いた。
呆然と、どこか苦しげに。そして、憎々しげに。
たった一言、彼はそれ以上何も言わない。
表情すら見えない。
いったい私は何を望んでいたのか。
優しい慰めの、謝罪の言葉を望んでいたのか。
私は自虐的に微笑み、彼から一歩退く。
同時に窟が閉じていく。
閉じ行く私の心のように。
完全に閉じる瞬間、私は言った。妖艶につげた。
「永遠に、愛しているわ」
しばらく更新していませんでしたが、更新しました!
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