第二回ランキング発表
《みなさん、三時間が経過しました。予想外に人が少なくなってしまいました。そのおかげで選びやすくなったのか賭け金が一気にあがりました。それともう一つ。沢山のギャンブラーの方々から同じ意見を戴きましたのでこちらの方で検討した結果、その意見を取り入れることにいたしました。
よって刑事三浦雪をプレーヤーとしての特別参加することを認めます。それにより、現在のプレーヤー数は9名、残り時間は21時間となります。
さぁ!それではみなさんお待ちかねのランキング発表です!
こちら!!!!》
1位坂野大樹72億4240万円
2位成田 翔53億9680万円
3位中井優奈34億2800万円
4位三浦 雪21億1860万円
5位大野隆明19億5630万円
6位倉田 輝10億7850万円
7位広田 仁 7億9870万円
8位加藤進一 5億6620万円
9位岡本雄大 2億7680万円 警告ON
《1位と2位は一回目と変わらず坂野大樹、成田翔が選ばれております。特別参加の三浦雪はいきなり4位と、大健闘!!
そして、最下位となってしまった岡本雄大様は、残念ながら優先的にゾンビに襲われるとゆうことになってしまいました。果たして何分で殺されてしまうのでしょうか。
プレーヤーの数が少なくなってきたことも考慮し、次のランキング発表は、6時間後になります。みなさん何とか生きていてくださいね!それでは6時間後にまたお会いしましょう。》
「..................何でだよ........」
ドロドロで傷だらけでボロボロな6人。その中には成田の姿もあった。中でも屈強そうな男が、そう呟くと、地面にへたれこんだ。
「何でだぁぁぁぁぁァァァァアアアア!!!!!!!!」
男は突然地面で暴れまわり、同じくドロドロでボロボロの女の足にへばりついた。
「てめえ!!!!クソ女!!!!俺はお前の言われた通りやった
じゃねぇか!!!!何で俺が最下位になってんだよっ!!!!」
女はニヤリと笑うとへばりついた男の手を足で踏み潰した。
「しょうがないじゃない。あなたの頑張りが認められなかったのよ。ここにゾンビ来るんでしょ?私逃げなきゃいけないからまたね!」
そう言うと女はそそくさと茂みの中に消えていった。
それに続いて成田を含めた他の4人も行こうとした。
「おい!!待てよ!!成田!!!何があったんだよ!?」
坂野は成田を呼び止めた。成田は足を止めて振り返った。
「今は、ここに這いつくばってる男から離れる方が先じゃないかな?後で全部話すから」
そう言うと成田は茂みの中に消えた。坂野は、成田達が消えていった茂みを見つめていた。
「兄ちゃん!!成田の言うとおりだ、まずこの男から離れよう
俺達が死んでしまったら、あいつらに何が起きたのかも知れないんたぞ!!!」
坂野は、背中に背負った雪を、降ろした。
「オッサン.......こいつを頼む......」
「は!?......おい!坂野!お前何する気だ?まさかゾンビを迎え討つとか言わねぇよな?」
坂野は大野の問いに答えず、這いつくばってる男の側にしゃがみこんだ。男は生きるのを諦めたように目を閉じたまま、
まったく動く気配を見せなかった。しかしまだ未練があるのか目からは止めどなく涙がこぼれていた。
「おい!坂野!そいつを助けようって言うのか?そんなことしたらお前も殺されるぞ!!!」
「いいからオッサンは早く行ってくれ!!!!」
坂野は大野を怒鳴りつけた。
「........必ず....後で行くから....先に行ってくれ.....」
大野は戸惑っていたが、やがて雪を背負い斧を一本持った。
「........兄ちゃん!!!いいか、必ず来いよ!!待ってるからな!!!俺だけじゃない....この子もな!!!」
大野は背負った雪を坂野に見せる為に体を傾けた。雪はまだ目を閉じたままだ。坂野は少なからず雪の言った言葉に胸を打たれていた。確かに雪をこんな目に合わせたのは自分だ。少なからず責任を感じていた。
坂野は大野にもう行くようにうなずいた。大野もうなずくと、振り返り走りだした。
坂野は大野が走りだした方向をしっかり確認すると、這いつくばってる男に向き直った。
坂野は、軽く肩を揺すってみたが男が動く気配は、まったくなかった。
「.......お前......岡本だな.....」
男は地面に顔をうずめた。坂野は構わず続けた。
「.....岡本.....頼む.....何が起きたのか教えてくれ」
岡本は、それでも動く気配を見せなかったので坂野は何度か呼びかけた。それでも岡本は動かなかったので、坂野は、岡本の体を掴み、起きあげた。岡本は何の抵抗もなく、なされるがままだった。
「岡本!!!お前.............岡本..........」
坂野は、岡本の顔を見て、言葉を失った。岡本の顔は、傷だらけなだけじゃなく、地面に顔を押しつけたせいで、顔中に土がつき、それに涙が加わって、文字通りグチャグチャだった。
岡本は、何とか声を押し殺して泣いていたが涙が止まらず、
次から次へと涙が目から流れ出していた。
「..........岡本........」
「.....ウッ....ウッ.....坂野.....俺.......」
岡本がゆっくりとしゃべりだした。その声は涙に圧倒され、
聞き取りづらかった。坂野は何も言わず黙って耳を貸した。
「.......坂野.......悪い......みんな......死んじまった.......悪い......あの女.....俺を.....騙しやがったんだ.......ウッ....ウッ....チクショォォォォォォォォォォ!!!!!!!」
岡本は、雄叫びを揚げた。その声は閑散とした、森の中でよく響いた。岡本は、立ち上がって坂野を見下ろした。
「どうせ死ぬならあの女も道連れにしてやる!!!」
岡本はそう言って走りだそうとしたが、立ち止まった。
「........お......おい......何だよこれ......」
坂野は目を疑った。
「....い....嫌だ....まだ.....死ぬわけにはいかない......坂野!!!助けてくれ!!!!」
二人の目の前には、20体のゾンビがライフル銃を構えて立っていた。