90/368
6月28日
神が参られることを知らせる鐘の音が鳴り響くと、騒々しかった地獄のすべてが止まった。
城主が恭しく出迎えているのを、私、地中、案内役の3人は玄関のところから見ていた。
神は3人で参られ、そのうち1人が私を見つけて手招きした。あわてて前に出ると、現在の状況の報告を求められ、簡単に説明をする。
そのことを聞いていた神が、地中と案内役を呼び、二人はすぐに出てきた。
案内役に対して、頭に手を置いて呪文を唱えると、黒い羽根に黒いしっぽ、しっぽの先には黒い三角といういでたちに急に変わり、それからまた元の人間のような姿に戻った。後で聞いたが、これで、案内役は昇進したそうだ。階級的には大悪魔といったところだろうか。
それから、地中を見て、私を見た。神は何かうなづいて、残り2人とわずかに相談してから、私に指示する。これからも、この子と一緒にいるようにと。