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4月8日
次に見に行った軽地獄は、沼があった。
沼のほとりには小屋が立っていたので、案内役に聞くと、あの中にこの地獄の醍醐味があるそうだ。私はなにがあるのか、興味を覆い隠すように穏やかに歩いて近寄った。
そこは、巨大な水車だった。沼に流れているなだらかな流れにそって、ゆっくりと水車は動いている。その横では、子鬼たちが水の流を利用して何かを洗っていた。
よくみると、それは人間だった。案内役に再び聞くと、ここでは水責めが行われているらしい。
水車にも何十人、もしかしたら百人ほどかも知れない。それほどの人たちが、縛られてうめいていた。
なるほど、確かにここは地獄だ。




