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6月2日
地獄への通路は、狭く、また長い道であった。対向車が来ることはないと、案内役が言ってはいたものの、来た時には、間違いなくすれ違うことはできないだろう。道の両端には、申し訳なさ程度のガードレールもどきがつけられているが、そこから一歩外へ踏み出すと、文字通り真っ逆さまだ。
そんな道は、さらに180度カーブ、90度曲がり、山を越えてからの直滑降と、ジェットコースターの様子を示している。ここ以外に道がないと言っていたので、私は吐き気を抑えながら、そんな車の中で、座席に深く腰掛けていた。