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5月26日
宿舎は今日で引き払うということなので、私たちは宿舎の人たちと別れを惜しんだ。ここからは、宿舎に行かず、直接2つ巡ってから、さらに地下へと潜るそうだ。
点になるまで手を振り続けた私は、乾いた地獄へ向かってひた走る車の中で案内役に、どうしてこの職業に就いたのかを聞いてみた。案内役の答えは、親もそうだったからといった感じの答えだった。なるほどと声を出そうとすると、なぜかかすれた声しか出てこない。どうやら、乾燥地帯へ入ったようだ。
密閉した車内でもこれなのだ。外はどれほど乾燥しているのかと思うと、背筋も凍る。