2月29日
いつの日か、これが来るのが怖かった。私と地中と毬は、血がつながらない、かりそめの親子。それは、みんな知っていることだ。別に今日明日に答えを出す必要はないと、男性が語ってくれたが、その語気は、どうも焦っているような印象がある。私たちは、男性の案内で、宿に泊めてもらえることとなった。他の旅行者は誰もおらず、私たちだけしか、この宿にはいない。
彼らはどのような選択をするのだろうか。いくつか、考えておきたいが、その考えもまとまらない。不意に、ドアが叩かれ、誰かが入ってくる。ミッチェルだったのを確認して、私は安心していた。ねえ、地中たちはどうするつもりなんだろうと私に問いかけてくる。私に聞かれてもと口ごもりながら言い返す。さらに、地中と毬が選ぶ道なら、私は受け入れるつもりだと、ミッチェルに言った。どうやらミッチェルも同じ気持ちのようだ。その意識の共有が、今の私を助けてくれている。
ああ、いずこにもおわします神よ。我々は仮初の夫婦と述べましたが、我々の契りは仮初ではなかった。全ては、あなたが定めた運命であるのであれば、我々は、その運命を受け入れましょう。たとえそれが、私が考えている最悪の結末だとしても、さらにそれを超えるような結末であったとしても、私は、そのすべてを受け入れましょう。
それが、私の定めであるのであれば。