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5月1日
昨日と今日とでは、なんとなく違うような気がする。そんな日を迎えると、ああもう5月になったのだと、私は確信した。
1日過ぎただけだが、カレンダーの一枚をめくるように、私も新しい場所へと旅を続ける。
今日は、1カ月弱の間お世話になった事務所を出て、次の階層に向かうことになっている。私は案内役と共に、事務所の方々にお礼を言うと、彼らは代わりに一枚のお札をくれた。それを私の額につけると、そのお札は私の体に吸収されたようだ。
全ての客人に、ここには来ないことを願って送るお札らしい。私は再び感謝を伝え、案内役と共に車に乗り、スロープを下りだした。