4月20日
昨日から頭が痛い。なにをしていたのかも思い出せない時が、1日に何度もある。こんなことは初めてだ。そう言えば、私はここで何をしていたのだろうか…なぜ、私の横に美人が眠っている…
そんな夢を見てから起きると、美人が眠っていること以外は全て夢の中の世界の出来事だった。彼女が起きるとまず私に言ってきたのが、案内役の働きぶりについてだった。
私が案内役の働きっぷりを1時間ばかり語ると、なるほどと一言だけつぶやき、彼女は立ち上がって部屋から出て行った。私はそれを追わなかった。追ってはいけないと、本能が告げていた。
それから30分ほどで案内役の小悪魔は戻ってきた。心なしか、小悪魔の顔色がいいように思える。どうしたのかと聞くと、何やら早口でまくしたてた。喜んでいることは間違いなかったが、興奮しすぎているので何をいっているのかさっぱりだ。
案内役が落ち着いてから再び聞くと、昇格することが決まったと言った。これで、情報部の幹部になることができるそうだ。ただし、それができるのは、私の案内が終わってかららしい。この喜びを誰かに言いたいが、私以外の人や地獄の獄卒衆に語ることは禁止されているらしい。だから、この喜びを落ち着かせるために、今日は地獄の見学は休みとなった。