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10月15日
一通り警察署内を見回らせていただいてから、私たちは警視監と別れた。
案内役は、それからホテルに泊まると言っていたが、どこのホテルかは言ってくれなかった。見てのお楽しみということらしいが、どこにあるのかはしっかりとわかっているようだった。なにせ紙吹雪のせいで、私の視程は5mと言ったところだが、向こうから来ている人とも一回もぶつからずに、案内役はスタスタと歩いて行っている。私もその歩き方を教えてもらいたいが、それをいう前に、どうやらホテルについたようだ。足を止めて、私たちの方を見る。