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10月9日
警察署へ行くためにも、またあの紙ふぶきの中を通る必要があった。普通の紙吹雪と違う点は、どこかに付いた瞬間に溶けるように消えるということだった。だから、地面にも、どこにも紙ふぶきが積もるということはない。
今のところ、警察署は見当たらない。代わりに見えるのは、猛烈な紙吹雪と、ビビッドトーンで塗られた建物ばかりだ。どこまで歩くのか聞こうかと思うと、案内役と彼は立ち止った。どうやらたどり着いたようだ。その建物は、原色の青で壁一面が塗られていた。窓は、一応ついているが、中からどう見えるのかが気がかりだった。