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7月31日
どうしようもないことだ。ここにずっといたくても、私は旅人、常に旅をしていなければならない。だからこそ、地界と天界の境界線である門の前に地中と天界の案内役とともに立っている。数歩後ろに地界の案内役が、わずかに心配そうな顔でみていた。
だが、私は彼の顔を見ずに、涙が流れる顔を拭おうともせず、左手をあげて別れを告げた。
門は堅牢な造りで、重戦車が至近距離で砲弾を打ち込んだとしても、崩れることは無いと、天界の案内役は言っていた。どう考えても嘘に聞こえるが、気にしないことにした。
この日記帳を提示して、私と地中は門を通過した。
さて、これから始まる天界の旅は、私にどのような物を見せてくれるのだろうか。
そして、これまで私が想像をしていなかったようなことを見せてくれた地界よ、再び出会える時まで、その姿を変えずにいてもらいたい。そして、最初にみた時のような感動を、再び私に味合わせてもらいたい。
それまでの間、さようなら。