1. プロローグ 物語の始まり
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僕は、ただの一般人だ。
朝起きて顔を洗い、歯を磨き、朝食をとる。
起きて、仕事に行き、帰って寝る――それだけの、ありふれた毎日。
なのに、なぜだろう。その日の帰り道、僕はふと、いつもと違う路地に足を向けてしまった。
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「キャァァァアア!!」
人気のない路地に、凄まじい悲鳴が響き渡る。
そこにいた。黒いフードの男。手には刃物。足元には血を流して倒れる女性。
(刺したんだ……この人が)
恐怖で体が固まる。目の前の光景が、現実とは思えなかった。
後ろから、人の足音と声が迫る。
「あんた、大丈夫かい?」
振り返ると、通りかかった町の人が心配そうに見ていた。
「お、お、おお……男の人が女性を……!」
震える声で叫ぶと、手に握っていたはずのナイフに視線が吸い寄せられる。
(……あれ? なんで僕がナイフを……?)
血で濡れた刃を握る右手に、目を疑った。
僕は何もしていないのに。
町の人々の視線が一斉に僕に向かう。
次の瞬間、怒号が響いた。
「人殺しよ!!」
声に押され、恐怖に駆られ、僕は足を動かす。
後ろから怒声が迫る。
「逃げたぞ! 捕まえろ!」
「執行官様に突き出すんだ!」
自然と、足は地面を蹴った。
息が荒くなり、心臓が耳の奥で跳ねている。
気づくと、ベッドの上だった。
手には、血まみれのナイフも、さっきまでの恐怖も、何も残っていない。
人が死ぬ瞬間を目撃した。
そして、なぜか僕は犯人にされてしまった――。
どうすればいいんだ、これから……。
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第一話を読んでいただきありがとうございます。
作者のときりんです。
とりあえず最初はプロローグかなーという気持ちで書いるので本文大変短いですが
2話目以降はがっつり書いていこうと思います。
拙い文章かもしれませんが温かい目で見て行ってもらえると助かります。