表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
何やってんのヒロイン  作者: ネコフク
番外編(王子側視点)
9/20

こぼれ話

 (サリエル視点)




「サリー、私タルトの呪いにかかっているのかもしれません」


 マユリカと婚約してから1年、天気もいいので王族のみが入れる庭園でお茶をしている時に、マユリカが悲壮な顔をして突然おかしな事を言い出した。


「ん?呪い?」


「はい、呪いです」


 はて、タルトの呪いとは?と思っていたらこの1年侯爵家()でタルトを切る練習をしていて、それでも飛んでいくので苦肉の策でナイフを使う事にしたらしい。


「見てもらった方が分かると思います。アンナ、ナイフを」


「はい、お嬢様」


 そう言って自分の侍女にナイフを用意させ切り分けたブルーベリータルトにフォークを刺し、タルトにナイフを入れる。


 ポーーーーーン  どさり。


「・・・・・・」


「・・・( ´•ω•` )」


「えっ、えええっ!?タルトが飛んでった!しかもフォークで刺してるトコ以外が飛んだんだけど!?」


 前にマユリカがタルトをフォークで切り分けようとした時はひと口分だけ飛んだけど、今回はフォークを刺している部分以外がものの見事に飛んでいった。


 しかもテーブルを超えて。


「いやいやいや、あの大きさと重さであんなに勢い良く飛ぶものなの!?」


「・・・・・・これがタルトの呪いです」


 フォークに刺さったひと口大のタルトを見て泣きそうになっているマユリカ。


「た・・・・・・たまたまじゃないかな?もう一度やってみようか」


「・・・・・・はい」


 ポーーーーーン  どさり。


「・・・・・・」


「(´:ω:`)」


「だから何であの大きさがあそこまで飛ぶのーーー!?」


 えっ、えっ、今まで昼食や晩餐の時に出た肉や魚料理は普通に切ってたよね!?何でタルトだけそうなるの!?


「もっもしかしたら緊張して力が入っているのかも。私が手を添えるからもう一度やってみようか」


 マユリカはタルトを切るのが苦手だから余計なトコに力が入ってるだけかもしれないとマユリカの後ろに回り、フォークとナイフを持っている手を上からそっと添えてタルトを切る。



 ポーーーーーン  どさり。



 先ほどと同じくらい飛んでいったタルトを無言で見つめる。


「・・・・・・」


「・・・・・・」


 手を添えていたけどフォークとナイフを持つ手には大して力が入っていなかった。それなのによくあんなに飛んでいくとは。本当にタルトの呪いなのか?


「・・・マリー、これからも私がタルトを食べさせてあげるから問題無いよ」


「・・・・・・はい、お世話になります」


 申し訳なさそうに頷くけど大丈夫、上手く切れたとしても言いくるめて私が食べさせるから。


 でもタルトが飛んでいくのは気になるから今度調べてみようかな。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ