始まる前に乙女ゲーム終了
皆様、全く残念ではありませんが乙女ゲームは始まる前に終了でございます。
ウソです。本当はほんの少しだけ残念です。
ストーリー通りの開始は嫌だけど、公爵子息が居ない状態や、2年遅れで始まる乙女ゲームには少し興味はあった。でも平和が一番だしこれで良かったのだろう。ヒロインも乙女ゲームの世界を堪能したいなら、もう少し色々頑張れば良かったのに。
「ちなみに例の令嬢、S級お花畑として一生修道院から出られないから」
「ブフォ!」
ちょっ、S級お花畑って(笑)はしたなくも紅茶を吹いてしまった。あぁもったいない。まあヤバ言動と奇行で男爵夫妻が2年で可哀想なくらいやつれたようだし、害にしかならなさそうだから一生出さなくていいよ。
「これでマリーの憂いもなくなったでしょ」
にっこにこな王子には色々バレてたか。
そりゃそうだよね、私に王家の影を付けてたろうし、ヒロインを私が監視してたのは知ってたよね。じゃなきゃ毎年ヒロインの入学云々は話さなかっただろうし、絶対裏で動いてたよね。1年目はまだしも2年目はヒロインの性格を見越してイケメン試験官を担当にしたり、逆に3年目は入学させる為に女性試験官だけに裏から手を回してそうだ。そして絶対起こすであろうお花畑全開の言動。待ってましたと言わんばかりに嬉々として捕まえて修道院に送致したんだろう。
しかも理由が「私がヒロインを気にしているから」。
黒い、黒いよ王子。せっせと私をお世話しながら裏で暗躍するとかイイね100回押しちゃう。
「サリーのそういうトコ好きよ」
「じゃあご褒美ちょうだい」
隣に座り私の手をにぎにぎして期待の眼差しを向ける王子に、チュッと触れるだけのキスを落とす。
「後は結婚式の後でね」
「あ~~~早く結婚したい!」
がばっと抱きつき額を肩にぐりぐりする仕草に、クスクスと笑いながら抱きしめ返す。
ヒロインがアレだったせいで乙女ゲームは始まらず。そのおかげで面倒な事にならなくて良かったと思うマユリカであった。
~おまけ~
結婚式の次の日
「サリーはねちっこ系であった・・・・・・」
「ん?何?」
「いえ・・・」
「大丈夫、次は容赦しないから♡」
「聞こえてるんじゃない」
マユリカの一言で激しい日々を過ごす事に。口は災いの元である。
これで本編は完結です。
番外編は不定期投稿となります。