サリエル画策する・・・・・・必要が無かった①
とてつもない花畑を咲かせたユリヤは、養子として貴族籍に入った事から15になると学園に通う事になる。
ユリヤはサリエルとマユリカの1つ下、つまりあと半年も無い状態で最低限の貴族教育やマナー、学力を身に付けなければいけない。
前に調査した際要領が良く、平民が通う学校では成績が良かったと記されていたので半年無くても入学試験をクリアするかもしれないと、男爵家には悪いがサリエルとマユリカが卒業するまで試験で落とすよう学園側に交渉、ティリエルの『湧き出る花畑令嬢、続々花園へ旅立つ事件』を目の当たりにしている学園側も「1人で済むなら」と了承。
これで学園生活はある程度の平穏が保障され、マユリカも物理的にペッとされないだろうとサリエルは安堵する。
もちろんずっと傍にいるつもりだから大丈夫だろうが、心配なので着替えや御不浄にもついて行こうかと考えていると、
「それをやったら婚約者様に嫌われますよ」
「・・・・・・何故分かった」
「サリエル王子が幼少の頃から仕えてますから」
「チッ、(丸め込もうと思ったのに)」
「女性のデリケートな部分ですから丸め込むのはやめて下さいね」
「ちぇーっ」
侍従またもやグッジョブである。
そして次年度の入学試験が行われた次の日に学園長から呼ばれ、無事にユリヤが不合格になった事を告げられホッとする。
「もう少し出来ると思ってたのですがいやはや彼女凄いですね~」
学園長が驚きと呆れを混ぜた表情で顎髭を撫でながら試験結果をサリエルに渡す。
結果はそれはもうボロボロ。かろうじて算術が合格ラインのギリギリ下で他は目も当てられない点数だった。
予想通り・・・・・・いや、それ以上に酷かったが男爵家に引き取られてから半年、毎日のように遊び歩き屋敷にいる時も勉強せず、ベッドでゴロゴロしてお菓子を食べているだけだと影から報告されていたので驚きはしなかった。
本人は即日出た結果に「なんでよ!間違いなんじゃないの!?」と癇癪を起こしていたが、「ヒロインチートでヨユーヨユー」と訳の分からない事を言って何もせず過ごしていたのだから当然の結果である。
ただここまで酷いとは思っておらず、不合格にするよう根回ししたのが無駄になった気がしてサリエルはガックリと肩を落とす。
それでも1年間は平穏に過ごせ、マユリカも「平和ですね~」とのんびりしているので良しとした。
ただ、マユリカにユリヤが不合格になった事を話した時に驚き「えっ、ヒロイン入学して来ないの?まじかぁ乙女ゲームはどうなるの?」という小さな呟きを耳ざとく聞いたサリエルは、理由は分からないがやはりマユリカはユリヤを警戒しているのだと確信。
今回の事でさすがに次はきちんと勉強して挑むだろうと監視させつつ、次の試験も不合格になるよう根回ししようとマユリカに給餌しながら考えるサリエルだった。




