金髪の総理大臣
はしめに
私の名前は花田アレクサンドラ莉香、パパは花田清史ママはアレクサンドラとの間に産まれた。
2人の馴初めパパな大学時代に日本学国語大学でイギリスに留学をしてホームステイ先の家にいたアレクサンドラに一目惚れをしたという経緯だ。
ママはパパのことを花田清史から取って"はなきよ"、パパはママのことをアレクと呼び合って英語と日本語を教えあっていた。
2人は同級生でテニスの4大大会の1つでもあるウィンブルドン選手権をチケットを取って一緒に観に行ったりしていた。これを機にアレクサンドラはテニスを趣味として始めることになる。
花田は留学期間を終えてアレクサンドラにまた会おう、そのためにメールアドレスを渡して日本に帰って来た。
卒業後、花田は大手自動車メーカーに就職をして配属先はまさかの日本ではなくイギリスに配属をされてどうしようかと頭を抱えていた。
イギリスに行かないとなればせっかく大手自動車メーカーに就職出来たのにクビを宣告されかねない。毎年ウィンブルドン選手権観にいってやる、かわいい彼女を作るとやけくそな気持ちで飛行機に乗って渡英した。
新築がイギリスか……。空港に着いて会社から社宅として借り切っている住所に向かって歩いた。
荷物を置いてロンドンの街でも散策するかと歩いていた。ロンドンの有名な時計台のビッグ・ベンを見てあまりの大きさに驚いた。
地図を見ながら歩いていると1人の女性の方がぶつかった。オウ、ソーリー。
お互いに顔を見合わせて驚いた。
その女性は大学時代に留学でホームステイをしていたアレクサンドラでここにいる経緯を説明した。
アレクサンドラは自動車メーカーの事務をしていると伝えるとその自動車メーカーに就職して現地で学ぶように言われたと答えた。
そして花田とアレクサンドラは付き合うことになって社宅も隣の部屋でイギリスの生活に慣れていない花田のためにアレクサンドラは身の回りのことや観光地を案内したりと献身的にサポートをした。
ある日、花田は体調不良で会社を休みの日に1人で寝ているとアレクサンドラは日本食を振舞って体調がよくなるまで傍にいた。
「俺はアレクのことが好きだ〜」
高熱で魘されながらそう叫んだ。
この日はアレクサンドラは花田の傍にいることにした。
翌日、花田はアレクサンドラに看病してくれてありがとう、昨日変なこと言わなかった?
大丈夫、変なこと言ってないよ。でもはなきよの気持ちは伝わったよ。私のことどう思う?
どうって……。美人でかわいくて優しい女性だよ。
ありがとう。アレクははなきよのこと好き。
花田は思わず好きってライク?それともラブ?
ラブだよ。はなきよはどうなの?
うんラブだよ。アイラブユー。
花田とアレクサンドラはお互いに手を握って交際することになった。
交際して3年、結婚式を挙げて莉香が産まれてこれからだという時に日本の河内に辞令が出た。
第1話 みんなと違う
莉香はパパが日本人、ママがイギリス人で特に髪の毛は金髪で目は青色だ。しかし、歩けるようになって公園に行くと髪の毛も目もみんな黒色。ママによく莉香はみんなと違うの?
莉香はね、日本人とイギリス人のハーフでママの血が特に強くて人とは違うよ。でも人はそれぞれ違うものだから気にする事はないよ。何かあった?
でも……。莉香ね、公園に行っている時に金髪だ、ヘンなの、目の色が違うって指を指されたの。ねぇ、どうしたいいの?
それはつらかったね。でも周りに言われても莉香は変えることが出来ないの。だからその事を受け入れて生きていくしかないよ。どこ行ってもそのことからは逃げられない。ママも日本に不慣れたから一緒に頑張ろうね。
うん、分かった。莉香、頑張るね。
とはいえみんな黒目で黒髪で憧れがあった。
幼稚園
ママは仕事をしたいという気持ちもありつつ莉香がいやがらせに遭うのではないか、何かあったら殴り込みにいくからとずっと家にいてくれるから幼稚園に行くようにと言われた。
最初は嫌々ながら行っていたが頑張っていくことにした。
ママは連絡帳に金髪は地毛で小さい頃からそれでイジメに遭っているからよく見ていて欲しいと記入していた。
そうはいったものの幼稚園に通う男の子は自分との違いに揶揄ってきて金髪と青い目でヘンなのと毎日のように言われ続けていた。
幼稚園の先生に自分が目が青くて金髪なのか尋ねると日本人と外国の人が結婚して外国の人の血が強いとそうなるよ。
もしパパが日本人と結婚していたらみんなと一緒の黒目で黒髪だったのかな、どうしてだろう……。
莉香は仕事帰りのパパに話があるのと呼んだ。
「ねぇ、パパはどうしてママと結婚したの?」
「どうしてか?ママがパパに優しくしてくれたからだよ。莉香、何かあった?」
莉香、目が青くて金髪でしょ?それで幼稚園にイジメられて先生に聞いたら外国の人の血が強いとそうなるよって。
そっか……。それはツラかったねと抱きしめた。
でも金髪に青い目っていうことは変えられないからそれを武器にしていこうね。
武器にするって……?
それはパパが決めることじゃなくて莉香が決めることだよ。
莉香、色んなことに頑張ってみるよ。
剣道の授業や英語の授業で積極的にお友達に話しかけたりして自分から人とは違うことを明かしつつも仲良くして欲しいと言い続けていた。
そしてみるみるうちに莉香の周りには沢山の友達がいてその中心にいた。連絡帳には先生から莉香ちゃんには沢山の友達がいて楽しくやっていますと記載されていた。
ある日幼稚園で遠足に行くことになった。行先は近くの動物園である光景を目にした。
それは茶髪の女の子を笑っている男の子の姿だった。
莉香は思わず人の違うことを笑うなと突進した。
男の子は倒れて泣いていて幼稚園の先生には怒られてしまったが女の子にはありがとうといって去っていった。
先生から莉香ちゃんだから気持ちが分かると思うけれど突き飛ばすのはよくないよ。女の子に謝るように言った方がよかったねと頭を撫でてくれた。
みんなでお弁当を食べて再び幼稚園に戻った。
莉香は家に帰ってパパとママに動物園で男の子が茶髪の女の子を笑っていたから人と違うことを笑うなって言って突き飛ばしたよ。スゴいでしょ?
パパは思わず莉香の気持ちは分かるけれど人にケガをさせるようなことをしたらダメだ。どんなことがあっても先に手を出した方が負けだよ。だからこれからは言いたいことがあれば話し合いで解決しようね。
小学校でもまたみんなと違うって言われるのかな?
パパはこれから先ずっと言われ続けると思うけれど気にする事はないよ。どこに行っても言う人はいるし、莉香の事を1人の人としてちゃんと見てくれる人は必ずいるよ。安心して。もし酷いようなら転校すればいいだけだよ。
そうしたらパパやママに迷惑かけちゃうし……。
パパやママのことは気にする事はないよ。大事なのは莉香がどう思うかが大事だよ。だから何かあればすぐに言ってね。
うん、分かった。莉香、嬉しいことも悲しいこともパパやママに言うことにするねと笑顔で答えた。
それよりパパが言っていた莉香の武器ってなんだろう?それが頭から離れずずっと考えていた。
ママ、莉香の武器って何?
突然どうしたの?パパに何か言われた?
人と違うことをいう人はどこにでもいるから莉香にしかない武器を見つけなって。
莉香の武器か……。素直で優しいことかな。
それ以外に何かある?
それ以外で見つけるのはパパやママじゃなくて莉香自身だよ。色々挑戦してみてこれだっていうものを見つけたらそれを突き詰めたらいいと思うよ。
1つのことに没頭するってこと?
まぁ、そういうこと。見つからないならママのお手伝いしてくれたら有難いな。
莉香、いつでもママのお手伝いするよ。
お手伝い
莉香はピンクのランドセルを背負って近所の河内縄小学校の校門をパパとママと一緒にくぐった。そして周りを見渡すと男の子は黒色のランドセル、女の子は赤色のランドセルを背負っていた。
教室に行くと知らない人たちばかりでこの中でやっていけるのかとか心配になってきた。入学式の時間となって体育館に移動して式を終えた。
また人と違うって言われるのかな……。はぁー。
莉香ちゃん〜。誰か呼んだかなと振り向いた。
どうやら別の莉香ちゃんか。話しかけようにも中々話を割って話しかけることが出来ずにいた。
「ちょんちょん、莉香ちゃんちょっといい?」
うん、いいよ。名前聞いてもいいかな?
私の名前は真木田梨華同じりか同士仲良くして欲しいな。ダメかな?
いいけれど1つ約束してほしいことがあるの。
約束?どうしたの?
莉香の目が青くて金髪ってことを笑わないで欲しいの。幼稚園の時、それで笑われてイヤな思いをしてさ。
それで笑う人いるの?梨華は笑わないよ。
それなら同じ名前で分かりにくいから何か2人だけの呼び名を付けない?私はアレクって呼んで。
じゃあ私は真木田梨華だからまきりかって呼んで。
こうして莉香、花田アレクサンドラ莉香は自分のことをアレクと呼んでもらうことでまきりかと友達になる事が出来た。
1人目の友達
授業が終わってまきりかは声をかけてきた。
「アレク、一緒に外で遊ばない?」
うん、いいよ。まきりか、何して遊ぶ?
縄跳び2つ持ってきたからこれで遊ぼう。
ありがとう。じゃあ外に行こう。
じゃあまず前飛びで何回飛べたか教えて。
1、2、3、4……
え、アレクスゴいね。縄跳びやったことある?
始めてだよ。まきりかは何回だった?
まきりかは3回だったよ。アレク運動神経いいのかも。
そうなのかな?他にも何かして見なきゃ分からないよと莉香は笑いながら答えた。じゃあ明日は鬼ごっこしようよ。
鬼ごっこ楽しそうだね。早く明日になって欲しい。
翌日、給食を食べてすぐの休みにまきりかはアレク外に行くよと走っていった。そして数人の友達を連れて鬼ごっこをすることになった。
アレクは鬼ごっこで鬼以外の全員をタッチして周りは全く歯が立たなかった。みんなは悔しがっていたがこうやって楽しく出来たことが嬉しかった。
りかりかコンビ
まきりかの周りには沢山の友達が集まっているがアレク、いや莉香の周りには友達と呼べる子はまきりかしかいなかった。
まきりかは数人の友達を連れてアレクの元にやって来た。
えっ、こんな沢山の連れてきてどうしたの?
花田さん、この前鬼ごっこ楽しかったよ。よかったら私たちとも仲良くしてもらえないかな?
うん、いいけれど約束して欲しいことがあって。
目が青くて金髪のことなら梨華ちゃんから聞いたよ。花田さんの名前って何だっけ?
花田アレクサンドラ莉香だよ。りか同士だからアレク、まきりかって呼びあっているよ。
じゃありかりかコンビだね。アレクちゃんよろしくねと手を差し出されて握手を交わした。
学芸会、運動会もりかりかコンビを中心に頑張って盛大に盛り上がった。
学年が上がり
2年生、3年生ともにりかりかコンビは同じクラスでずっと一緒にいた。
アレク、今日遊びに行ってもいい?
うん、いいよ。まきりか今日は何して遊ぶ?
昨日買ったマンガあるから一緒に読まない?
いいね。じゃあ一緒にケーキ用意して待っている。
そして授業後、まきりかはアレクの家にやって来た。
まきりか、早く上がって。マンガ読ませて。
アレク、一緒に読もう。めっちゃ面白いよ。
そうなの?めっちゃ楽しみ。
この女の子めっちゃかわいいね。あ、こんないい所で終わっちゃうって……。まきりか、この続きは?
それは梨華にも分からないな……。アレクもお小遣い貯めてこの雑誌買ったら?
そうだね。お小遣い貯めて買おうかな。面白いしこの先の展開が気になるからね。そうだ、一緒にケーキ食べよう。
アレク、ありがとう。
チョコケーキとレアチーズケーキとどっちがいい?
じゃあレアチーズケーキにしようかな。
このレアチーズケーキ美味しいね。チョコケーキも食べていい?
うん、いいよ。そのレアチーズケーキ食べていいなら。
お互いにケーキを食べあってまきりかはまた明日ねと手を振って帰っていった。
そして新刊が出る度にアレクとまきりかはマンガの感想を言い合って次の展開がどうなるのかとお互いに予想しあって当たればガッツポーズして外すとシュンとなるような感じがしていた。
アレクはマンガを読むのも楽しいけれど何か新しいこと始めたいなと呟いた。
まきりかは思わずアレクはどんなことしたいとかあるの?
分からないけれど色々なことに興味があって1つに絞れない感じかな。
アレク、何それとまきりかは笑っていた。
まきりかと一緒
4年生になってアレクとまきりかは別のクラスで部活は何部に入るか話し合っていた。
アレク、前に興味あるけれど1つに絞れないって言っていたけれどそれが何か分かった?
それがまだ分からなくてさ……。部活どうしよう。
じゃあさ、りかりかコンビとして一緒に探してあげるね。せっかくなら同じ部活に入ろうよ。
さすがまきりか、色々な部活を巡ってみようね。
まず合唱部で先輩たちと共に歌ってみた。
アレク、どうだった?
候補の1つとしてはいいけれど決めるまでは……。じゃあ明日は吹奏楽部に行く?
いや、吹奏楽部はいいかな……。他の部活にしよう。
合唱部はよくて吹奏楽部はダメなの?どうして?
実は音符読めないし楽器吹けないからさ。他に何部がある?
文化部だとパソコン部、科学部、写真部、調理部、美術部後は運動部かな。いっその事運動部に入るのはどう?
運動部はちょっと……。運動得意じゃないから文化部の方がいいかな。色々提案してくれたのにゴメンね。
梨華は別にいいけど……。アレクの求めているものは何だろう……。
じゃあパソコン部、科学部、写真部、調理部、美術部の順番に回ろうか。これでピンとくるものがなかったら運動部に入ることも考えておいてね。アレクは運動得意じゃないっていうけれど他の子たちよりも体力測定の結果いいと思うよ。
じゃあ文化部でピンとこなかったら諦めて運動部に入るよ。
そしてパソコン部から順に回った。
アレク、これっていうの見つかった?
うん、科学部が色々な実験が出来て面白そう。まきりかはこの部活がよかったっていうのある?
アレク、最初から同じ部活に入るって言ってるよ。あれ?もしかして天然?
天然って天然記念物みたいなこと?
うん、もうこの話は止めようか。アレクのことは梨華が1番分かっていると思うからさ。
こうしてりかりかコンビは科学部に入部した。
科学部
理科の授業で実験をするだけでも楽しいが授業後に理科室で実験をしていてめっちゃ楽しいとまきりかと共に盛りあがっていた。
アレクは顧問の先生に家でも出来る実験があるのか尋ねた。
幾つかあるけれど本屋に実験セット売っていたりするから買ってやってみるといいよ。でも中には1人では危ないから絶対に大人の人が居なきゃダメなやつもあるから気をつけてね。
休みの日にパパと一緒に本屋に行くと偶然まきりかも本屋にいた。
アレク本屋に来たってことは何かの実験セット買いに来たの?
うん、そうだよ。まきりかも?
色々あるから見ているだけでも面白いよ。そう言い残してまきりかは帰って行った。
パパ、これにすると色が変わる水のセットを買った。家に帰って家族で実験をしてみてあっという間に終わったが楽しくてまた違うものもやってみたいと感じた。
月曜日、まきりかに色の変わる水の実験をしたことを伝えると面白そう。こっちは水が掴めるやつを買って遊んでいたよ。
それも面白そうだね。じゃあ今度一緒に実験をしてみない?火を使ったりしなければりかりかコンビだけでも出来ると思うけれどどう思う?
確かに顧問の先生は危ないものなら大人がいなきゃダメっていっているだけだからね。
じゃあ学校帰りに本屋に行こうよ。
うん、そうだね。どんな実験キットがあるかたのしみだね。
授業後、1度家に帰って2人で本屋に向かった。
そして本屋に入って実験キットを見ていた。すぐに終わるのよりも少し時間がかかってもやりがいのある実験してみたいよね。アレクどれにする?
おもしろ科学実験だって。これを買って2人でやるのはどうかな?
それはいい考えだね。ちょっと待ってね。ヤバい……。
アレクどうしたの?顔色青色けど大丈夫?
まきりか、ちょっとここで待っていて。家に財布忘れてきちゃった……。
アレクホントおっちょこちょいだね。何で家出る時に財布あるか確認しないの?
急いで出てきちゃったから忘れちゃった。今から財布取ってくるからちょっとここで待っていて。
アレク、今日は出すから今度何かあったら助けてね。
勿論だよ。りかりかコンビとして当然。困ったことがあれば何でも言ってね。そしてままきりかの家に向かった。
まきりかの弱点って何?
何で言わなきゃいけないの?
だってアレクだけ弱点だけ知られてまきりかだけ言わないのは理不尽じゃない?
弱点か〜、そうだね……。知りたかったら自分で見つけな。
何それ、イジワル〜。絶対まきりかの弱点を見つけてやるとよく分からないスイッチが入った。
そしてしばらく学校や授業後のまきりかの弱点を探っていたが一向に見つからない。一体どうやったら見つかるのかとまきりかを見つめていた。
どうアレク、弱点は見つかった?
いえ、見つからなかったです。教えてください。
弱点はミニトマトが食べれないことです。
えっ、それだけ?もっと何かないかと探すことにした。
助っ人
歩いていただけなのに
アレクはまきりかと2人で河川敷を歩いていた。
ねぇアレク、あそこで野球している子たちって同じクラスの子たちじゃない?
そうだね。ちょっと寄っていく?
特にすることないからそうしようか。
2人はグラウンドに向かうとただ事じゃないような雰囲気だった。
「おい、大丈夫か?打席に立てるか?」
「ゴメン、痛くて打席に立てそうにない」
マジか……。どうしよう……。
男の子はアレクの方を見た。
よし、花田代わりに打席に立ってくれ。
ちょっと待って、野球やった事ないしいきなり言われても……。
花田の運動神経なら大丈夫。右利き?左利き?
右利きだけど……。ホントに打席に立つの?
バットは左手が下で右手を上に持って両手をくっつけるようにして足を少し広げてこう構える。1回振ってみて。
難しいこと言うね、とりあえず言われるがままバットを振った。こんな感じでいいの?
よし、完璧だ。ホームベースの左側に入ってボールが来たら今のようにスイングしてくれ。
「いきなり来て注文が多すぎだろ〜」
「カーン。ポトッ」
アレクはバットを持ったまましばらく立っていた。
バットを置いてベースを1つずつ踏んで帰って来い。
どっちに走ればいいの?
一塁ベース、他の人と違うグローブをはめている人の方向に向かって走って。その後、真ん中、もう1つのベース、そして横にあるベースを踏めばいいよ。
自分が何をしたか分からないが言われるがままバットを置いてベースを駆け抜けた。
ダイヤモンドを1周すると男の子たちは土下座をしてありがとうございますとずっと言っていた。
まきりか、用事終わったみたいだからまた河川敷歩こうよ。
男の子たち土下座して喜んでいたけれど何が起きたのかね。
さぁ〜、野球のことよく分からないから何が起きたか知らないけれど喜んでくれたのなら結果オーライかな。
月曜日、学校に行くとアレクは自分のやったことがスゴかったと知ることになる。
花田、この前ホームラン打ったってスゴいな。それも野球やるの始めてみたいなのに。
たまたまだよ。次やったら打てるかどうか分からないし……。
花田にお願いがあって今度の土曜日、河川敷でサッカーやる予定でキーパーがいなくて困っていてやってくれないかな?
何でアレクがやらなきゃいけないの?男の子誘えば?
誘ったけれど予定あって無理みたいで……。アイスご馳走するからどうかな?
まきりか、どうする?
どうして梨華に聞くの?アレクの問題でしょ?
じゃあまきりかの分も買ってくれるならいいよ。
よし、2人分買うから絶対に来てくれよ。
うん、分かった。
運動苦手なのにどうして助っ人みたいなことしなきゃいけないのかね。
みんなアレクの運動神経がいいってことを認めているからだよ。梨華の分のアイスまでありがとう。
土曜日、ジャージを着て河川敷を歩いていた。
花田、真木田こっちだよ〜。
ジャージで来るって花田、やる気満々だね。
やったことないけれど負けることはキライだからね。それでアレクはどうしたらいいの?
この手袋つけてゴールの前でキャッチするかパンチングしてくれればいいよ。
キャッチするのは分かるけれどパンチングってどうやってやるの?
1回、やって見せるね。この辺りに立ってボールをキャッチするか取れないボールはこのようにパンチングしてくれれば大丈夫だよ。
点に絡む大事なポジション、アレクに出来るかな?
川にホームランを打ち込んだ花田なら大丈夫。もうすぐ試合始まるからこのグラブを付けて。
試合が始まってアレクは言われたとおりボールをキャッチしたり、届かないボールはパンチングをした。これでいいのかと半信半疑だった。
そして試合が終わって男の子たちが呼んだ。
花田、お疲れ様。この相手に負けたことしかなかったから引き分けは上出来だよ。じゃあ駄菓子屋に行ってアイス買いに行こうか。
アレクは人助け出来たならよかったという思いでいた。これで付き添いのまきりかにもアイスが当たるならいいか。
アレクはチョコアイス、まきりかはイチゴアイスを選び男の子に渡した。汗をかいたあとのアイスは美味しい、たまには身体を動かすのも悪くないかなと感じていたアレクだった。
次の月曜日、学校に行くとゴールキーパーの動きが機敏でよかった。是非チームに入ってほしいとお願いをしていた。すると野球をしている子たちも花田は戦力になるから必要だと喧嘩していた。
アレクは何も知らず教室に入るとまきりかに何事なのかと尋ねた。
サッカーやっている子と野球やっている子でアレクをどっちのチームに入るかで喧嘩しているよ。ところでアレクはどっちに入るの?
アレク?どっちにも入る気はないよ。
それを聞いた男の子たちはアレクにしつこく好きなポジションやらせてあげるからお願いと只管頭を下げていた。
即戦力
先生から
終業式が終わって夏休みとなった。
よしこれで助っ人お願いされることなく有意義に実験を楽しめるね。まきりかも手伝ってよ。
アレクも梨華も科学部に入っていたね。
自分たちの入っている部活を忘れるってどういうこと?
どういうことってアレクは河川敷で野球やサッカーの助っ人で科学の実験する時間なかったからね。
まきりかまでアレクに運動部に入って欲しかったの?
別にそういう訳じゃないけれど野球やサッカーをしている時、アレクスゴく楽しくて輝いていたよ。
ありがとう。でもアレクが好きなのは科学の実験だからもう頼まれてもやらないことにするよ。
それより夏休みの部活の日程もらいに行こう。
2人で実験室に行って先輩たちと実験をして夏休みの予定表をもらった。
夏休みだけど部活あまりないね。まきりか、休みの日どこか遊びに行く?
いいよ。アレク、ちゃんと宿題もやらなきゃダメだよ。分かっている?
うん、まきりかと一緒に夏休みの宿題やろうかなと。ダメ?
いいよ。じゃた家に帰って宿題持ってアレクの家に行くね。
アレクの家でドーナツを食べながら宿題をやってテレビを見ていた。
まきりか、夏休み部活少なくてヒマだね〜。どうする?
夏休みの宿題、早く終わらせてどこか行く?
それいいね。どこに行くか考えようという話になった。
夏休みになって初めての部活、先輩たちと普段は行わない実験をやってとても楽しかった。帰りにあるポスターを見つけた。
「求む陸上部、みんなで心をひとつに走ろう」
アレク、陸上部だって?どうする?
まきりかこの前宿題終わってどこか行くって話でしょ?
そうだね。アレクはともかく梨華は足速くないから入っても仕方ないからね。
2人で帰ろうとすると体育の先生が声をかけてきた。
花田、クラスの子から川にホームランを打ったりゴールキーパーでいい動きをしていたって聞いたよ。どうだ陸上部に入らないか?
陸上部に入るつもりはありません。他の人をあたってください。まきりか、帰ろう。
1回だけ走って判断させてくれないか?
今日はワンピース着ているのでムリです。では失礼します。
アレクはまきりかと共に家に帰って行った。
先生があれだけお願いしてるから入ってもよくない?
入りたいならまきりか陸上部入ったら?
先生は梨華じゃなくてアレクにお願いしてるの。じゃあ梨華も陸上部入るから考え直して。
まぁそういうのなら1回だけだよ。
次の部活の日、ジャージを着て学校に向かった。科学部が終わって職員室に体育の先生を呼んだ。
花田、考え直してくれたか?
1回走って決めてくださいよ。あと入るならまきりかと一緒じゃないと入部しないですよ。
よし花田、真木田グラウンドにいって走ってみて。
まず真木田から、100m19.25秒。うん、悪くない。
次は花田、走ってみてくれ。先生は驚いた。
17.75! マジか! 花田、真木田2人とも改めて陸上部に入ってくれ頼む。
アレクとまきりかは夏休みに出かける予定だったが陸上部に入ることによって予定が丸潰れとなった。
練習時は体操服で秋季大会に向けて練習をしていた。
アレクとまきりかは秋季大会が終わればまた科学部に集中出来ると考えると走ることはそこまでイヤではなく少し身体を動かすことも大事だなとくらいしか2人は考えていなかった。
夏休みに記録会があるからと陸上競技場に集合させられた。そこでユニフォームを渡させてアレクとまきりかはかわいいユニフォーム着て走れるの嬉しいねと話し合っていた。
まずまきりかが走ることになり18.99秒と自己記録を更新して喜び、次はアレクの番だよとハイタッチした。
まきりかが自己記録を更新したらなら自分も記録を超えなきゃと走り抜けた。タイム17.50秒と圧倒的な記録を残した。
アレクとまきりかは秋季大会にはもっといい記録を残そうねとお互いに握手をした。
2人は100mの他にメドレーにも選ばれてバトン渡しの練習もすることになった。
2週間後、秋季大会で100mとメドレーにアレクとまきりかはエントリーをすることになった。
100mの結果はまきりか18.50秒、アレクは16.88秒でメドレーは1.06.00秒の記録で4年生の秋を走り抜けた。
アレクとまきりかはもう走るのはいいかなとお互いに言って再び科学部に戻って実験に明け暮れていた。やっぱり実験は楽しいねと笑っていた。
そして5年生になり、また夏休みになって去年の実績をかって体育の先生は再びアレクとまきりかに頭を下げて陸上部に入ることになった。
しかし練習のしすぎでケガをして5年生は走れず秋が過ぎて来年こそはという思いでいた。
6年生は体育の先生が代わったこともあり、陸上部の募集がなくてアレクとまきりかは少し寂しい思いをしていたがそれならそれで科学の実験に力を入れようかと切り替えていた。
第2話 中学校
嫌がらせ
アレクはまきりかと共に公立の河内縄中学校に入学した。家からも近いしまた一緒に遊べるねとお互いに喜んでいた。
まきりかはアレクに尋ねた。
中学校では陸上部に入るの?それとも科学部に入るの?
まきりか、もう部活入ること考えているってスゴいね。アレクは何も考えていないよ。入学テストあるみたいだから1位になれるように頑張るよ。
アレクは運動も出来るだけじゃなくて勉強も出来るからスゴイよ。羨ましい。
まきりかだって勉強出来るのに謙遜するね。他の小学校の人もいるから沢山友達作ろうね。
入学して1週間後、テストが行われてアレクが1位でまきりかが2位と幸先のいいスタートを切った。
ある日教室に入るとアレクの頭上から水が落ちた。
ちょっとアレク、大丈夫?タオルある?
まきりかタオル持っているから大丈夫だよ。それより誰が何の目的でアレクに嫌がらせしたのかな?
中学生にもなって子どもみたいな嫌がらせするような人相手にしてたらこっちがアホみたいだからやらせたきゃやらしておけばいいよ。
でもそれだとアレクが嫌がらせ受けることになるよ。友達が嫌がらせ受ける姿みたくない。梨華が犯人を見つけてやっつけてあげるからね。
まきりか、ありがとう。その気持ちだけで十分だよ。これはアレクの問題だから自分で解決するね。それよりまきりかに何かないかの方が心配だよ。
おい、金髪。ちょっとこっち来い。
臨むところだ、アレクに言いたいことでもあるのか?だったら面と向かって言ってみろや。
テストで1位になったからって調子乗るな。ここの学校の校則は金髪じゃなくて黒髪だろ。それも知らないのか。
この金髪は地毛なんじゃわれ。調子乗っているとシバくぞこら。
その姿を見ていたまきりかは驚いた。アレクの怒る姿初めて見たけれど怒らすとめっちゃ口悪い。気をつけないと……。
友達に何かしたらホンマに許さへんからな。
前にあんたと一緒におった子か。地味と金髪コンビってマジでウケるわ。どうなるか見ときや。
授業後に1日何があったか日誌に書く時間があり、まきりかは担任の先生に対して花田さんが嫌がらせを受けているのでどうにかしてくださいと記入した。
そして翌日には真木田さん報告ありがとう、先生も注視して見つけたら注意するのでまた何かあれば言ってください。
数日間、アレクにもまきりかにも特に何もなく安心をしていた。
アレク、あれ以降嫌がらせ受けなくてよかったね。
まきりか、安心するのは早いよ。こういうのは忘れた頃にやってくるよ。先に行くから後に来て。
アレクは再び水を全身に被った。ほら思った通り。
何で分かってアレクは水を被ったの?
まきりかに水をかぶられたくないからだよ。おい、この中でバケツを置いたのは誰だ?出てこい。
そして1人の女の子がアレクの前に出てきた。
またお前か。勉強で負けたのが悔しいなら勉強してやり返せよ。やることがガキだろ。
やかましいぞ金髪、いい加減黒髪にしてこいや。
分からねぇやつだな。これは地毛で学校に申請してあるから問題ないわ。もっとまともなことに頭を使え、分かったか?洗濯代請求するぞ!!
校則破る方が悪いだろうが。黒髪に染めてこい。
地毛だと言うアレクと校則破りだということで結論の出ない言い合いが続いた。
この日の日直はアレクの因縁の相手でまきりかの許可もなく勝手に日誌を見た。
日誌を配り終わってまきりかを呼び出した。
おい、これどういうことだ。ウチらのこと書いてるのか?ふざけるな。あの金髪と仲良くしないで私たちと仲良くするなら許してやる。
まきりかは小声でイヤ、絶対にイヤだ。
アレクはまきりかが居ないことに気づいて廊下を歩いているとまきりかが絡まれていた。
おい、まきりかに何かしたら許さねぇぞ!金髪が気に食わないならアレクに言えばいいのにまきりかを巻き込むな、分かったか?
校則破っているのはそっちだろ?それかお前が転校しろや。まとめて潰すぞ。
やれるものならやってみろ。まきりか大丈夫?
うん、アレクありがとう。梨華転校しようかな。
どうしてまきりかが転校する必要あるの?アレクが守ってあげるから安心して。
これ以上アレクが嫌がらせを受けるのはもう耐えられない、原因が梨華にあるなら転校するべきだよ。
勉強が出来ない妬みでしょ?それなら一緒の私立中学校に転校するっていうのも1つの手だけどどうする?それはまきりかが決めな。
アレクには言ってなかったけれどそこまで裕福じゃないから私立から中学っていうのは厳しいかな。ゴメンね。
まきりかが謝る必要はないよ。どうやら金髪が気に食わないだけでしょ?アレクが勉強したいって理由に転校するからまた一緒に遊ぼう。携帯買ったらお互いに連絡取り合おうね。
そう言い残してアレクは僅か1ヶ月で河内縄中学校から電車で20分かかる川隅駅近くの進学校の川隅中学校に転校した。
蟠り
蟠り
アレクは小学校時代からずっとまきりかと一緒にいて毎日楽しく生活していた。
進学校の川隅中学校に来て自分の容姿について全く文句の言う人はおらず心置きなく勉強が出来るということはとても嬉しかったがそれ以上にまきりかがいなくなって寂しい気持ちでいた。
あれ、新しく転入してきた子だよね。始めまして牧田里香です。よろしくね。
こちらこそ花田アレクサンドラ莉香です、宜しくね。アレクって呼んでね。
ところでアレクはどうして転校して来たの?
前の学校で入学テストで学年1位になって妬みでバケツに水を被ったり、友達のまきりかって子にも嫌がらせしたりしていてここでは勉強に集中出来ないからってことで転校してきたよ。
そのまきりかって子は今大丈夫なのかな?
アレクの金髪が気に食わなくてまきりかも一緒にいたからって感じだから多分大丈夫だと思うよ。まきりかっていうのは真木田梨華っていう子でさ。
アレクちょっと待って、私も牧田里香だよ。
スゴいね。ここに来て友達いないから仲良くしてもらってもいい?
うん、こちらこそ宜しくね。英語とか得意なの?
英語?アルファベットは分かるくらいだよ。それより困ったな……。
アレクどうしたの?
まきたりかちゃんが2人いてまきりかっていうと2人とも振り向いちゃうでしょ?何て呼ぼう。
じゃあマッキーでいいよ。他の人からもマッキーだからそう呼んでもらえた方がいいかも。
じゃあ改めてマッキー宜しくね。機会があればまきりかに合わせてあげるね。
楽しみにしているね。それよりアレク、さっきの数学よく分からなかったけれど聞いてて分かった?
とりあえずこの公式を当てはめて計算すればいいと思うよ。答えは横じゃなくて縦に書いてね。
それはどうして?
横に書いたら訳が分からなくなるから縦に書いたらどこまで分かってどこから分からないのか一目瞭然だよ。
アレクスゴいね。賢い人は考え方が違うね。
マッキーと2人で学食で食べていると周りがザワいていた。
何このザワつき?金髪が来てザワついている感じ?
あの……すみません。人違いでなければ花田アレクサンドラ莉香さんですか?
はい、花田は私ですがどうされましたか?
小学4年生の時に河内縄小学校で陸上競技場で走っていて当時の記録を更新してリレーでも活躍されていたのに5年生、6年生になって名前が無くてどうしたのかなって思ったらここにいたとは……。
昔のことなのに覚えていてくれてありがとう。マッキー、この学校って部活にも力を入れているの?
アレクスゴいね。何も知らないで転校してきたの?
この学校は文武両道を掲げていて県大会や全国大会出場する部活も多くあるよ。
名前言ってませんでしたね、下川美栗です。是非陸上部に入ってください。
美栗ちゃん、だっけ?この学校に来てまだ浅いからどんな部活があるのか把握してないから色々見てから決めたいかな。
それよりマッキーは何部なの?
何部にも所属してないよ。この時期にもう部活に入っている人の方が少ないよと笑っていた。
美栗ちゃんって何組?同じクラスなら仲良くしようよ。
1組だよ。牧田さんと同じクラスだけど……。
じゃあ3人とも同じクラスだったのか。来たばかりで顔と名前がイマイチ一致していなくて……。
これを機に覚えてくれたら嬉しいな。
美栗ちゃんは陸上部らしいけれどマッキーは小学校時代何部に入っていたの?
マッキーはバスケ部に入っていたけれど中学に入ったら別の部活に入ろうかなって考えているよ。アレクは陸上部じゃない時は何部だったの?
アレクは科学部で実験していたよ、楽しくて面白くてやっていて陸上部は自分からやりたいっていうよりは体育の先生が入れって懇願されてね、まきりかと話し合って陸上部に入った感じかな。
なるほどね。ホントまきりかちゃんと仲がよかったって伝わってくるよ。マッキーとも仲良くしてね。
ところで何部に見学する?
美栗ちゃんが陸上部に入ってほしそうな感じだったからとりあえず陸上部行かない?
アレク今日ジャージ持ってきてないから今日は他の部活に回らない?
じゃあ吹奏楽部は?
小学生時代にもまきりかに誘われたけれど楽譜読めないし楽器吹けないから他の所がいいかな。
じゃあ演劇部、合唱部、美術部、書道部、料理部、生物部、天文部とかあるけれどどれがいい?
文化部だけでも充実しているね。この中なら合唱部、料理部、生物部、天文部がいいかな。
そしてアレクとマッキーは1週間かけてまずは文化部を見て回ってどれが自分たちに合うか話し合っていた。
マッキー、文化部なら料理部か天文部がいいな。
アレク1つに決める必要はないよ。この学校では部活を兼部することも出来るから今度は運動部を見て回ろうという話になった。
そして陸上部の体験をして美栗ちゃんが顧問の先生にゴリ押しをしていた。
美栗ちゃんからアレクとマッキーは陸上部に入るべきだと言われ、料理部との兼部でもいいならと答えた。
メイン
アレクとマッキーはある話し合いをしていた。
ねぇアレク、兼部することになったけれどどっちをメインでどっちをサブの部活にするの?
走ることは好きだけど得意じゃないから料理部をメインにしようかなって思うよ。美栗ちゃんに怒られちゃうかな?
美栗は私たちにどうしても入ってほしそうな感じだったからそこまで言う権利はないと思うよ。もしアレクにそこまで言うならガツンと言うからね。
アレクはクスりと笑ってマッキーってかわいい顔して言うことはいう子って意外だな。多分美栗ちゃんはそこまで言わないと思うよ。
はい、美栗ちゃんならここにいますがどうしたの?
ビックリした。後ろから声かけないでよ。
2人ともゴメンね。それより美栗の話してた?まさか悪口じゃないよね?それだったら転校するよ。
マッキーは安心してら悪口じゃないから。アレクと話し合っていてさ。
何を話していたの?
陸上部と料理部、どっちをメインにするかって話。
アレクはどっちをメインにするの?
走ることは好きだけど得意じゃないから料理部をメインにしようと思うけれどやっぱりダメだよね?
あれだけの走りをしていて得意じゃないってスゴいね。誘ったのは美栗だから陸上部をサブでもいいよ。でもちゃんと練習と試合には来てね。
ねぇ、アレク何曜日に部活行くとか決めておいた方がよくない?
そうだね。火曜日と土曜日、日曜日に陸上部に行くね。それ以外は料理部の方に行ってもいいかな?
うん、いいよ。その代わり陸上部である程度結果残してもらわないと怠慢ってことで2人とも料理部を辞めて陸上部に専念してもらうからね。それでいい?
うん、マッキー大変だけど頑張ろうね。
マッキーと美栗ちゃんはクスッと笑っていた。
2人ともどうしたの?アレク何か変なこと言った?
いや、何もないよ。転校してきたとは思えないほどこの学校に馴染んでいるから思わず転校生だってことを忘れそうでさ。ねぇ、マッキー。
ホントだよ。アレクの友達に私と同姓同名の真木田梨華ちゃんって子がいるみたいだよ。どんな子なのかな?
どんな子か〜。今度2人に合わせてあげるよ。
アレク、ありがとう。じゃあいつにする?
美栗ちゃん陸上部いつ休み?
土日は練習だから土曜日の練習帰りとかどう?
じゃあ土曜日の練習帰りにしよう。最寄り駅は西海電鉄河内縄駅なるから案内するね。
3人で同姓同名のまきたりかちゃんに会いに行くことになった。
土曜日、陸上部の練習を終えていざ河内縄駅へと向かった。
電車に乗っているだけでも疲れるね。アレクは毎日登校していると考えるとスゴいね。駅から徒歩何分?
駅から1時間かかるよ。って言ったらどうする?
じゃあ帰る。それでホントはどれくらいなの?
歩いて5分だから心配しないで。脅かしてゴメンね。
近くに公園あるからちょっとゆっくりしよう。
もう美栗ちゃん陸上部の練習の方が大変だよ。電車で座ってだけでしょ。まきりかに笑われるよ。
まきりか?その声はアレク?
アレク久しぶりだね。元気していた?
まきりかも元気そうでなりよりだよ。紹介するね。友達の下川美栗ちゃんと牧田里香ちゃんだよ。
まきたりか?何かどこかで聞いたことある名前。
何言っているの?まきりかの名前は真木田梨華でしょ?要するに同姓同名ってことだよ。
始めまして真木田梨華です、アレクからはまきりかって呼ばれています。
こちらこそ始めまして牧田里香です、アレクからはマッキーって呼ばれています。
私もいいかな?始めまして下川美栗です。アレクからは美栗ちゃんだから何かあだ名付けてもらえたらなと。
まきたりか
アレク呼んだ?
同姓同名だとこうやって2人が振り向くけれど美栗ちゃんは美栗ちゃんでいいと思うよ。あだ名が欲しいならみんなで考えるよ。
じゃあお願いします。
かわみくって言うのはどう?それかみっく〜は?
2人ともまきりかとマッキーに寄せすぎだよ。もっとかわいいあだ名にしてよ。
みっく〜かわいいと思うけどな。じゃあみくりんは?
その中だったらみくりんかな。でもみくりんだとアイドルっぽい感じになりすぎるからやっぱりみっく〜にしようかな。
じゃあみっく〜、宜しくね。
まきりか、アレクの小学校や中学校時代の話こういうことあったよとかあれば話してよ。
アレクと河川敷で歩いていたら野球やっている男の子に呼ばれて初めて野球やるのに川までボールを飛ばしたり、サッカーではゴールキーパーで1点もやらなかったりと運動神経がいいなと感じるよ。
アレク、走るだけじゃなくて他のことも出来るって運動神経いいね。羨ましいな……。
それだけじゃなくて勉強は出来るしまきりかが困っていたらすぐに助けてくれるし心強い味方って感じかな。転校してアレクはどんな感じ?
まきりかのことを心配していて優しい子だよ。でも音痴でおっちょこちょいなところもあってかわいくて憎めない子だよ。
みんなスマホ持っていたら連絡先交換しない?
えっ、みんなスマホ持っているの?いいな〜。
アレク持っていないの?買ってもらったら連絡先交換しようね。
そしてアレク以外の人たちは連絡先交換して駅まで見届けた。
スマホの使い方
なぜ本名?
アレクは3人よりも遅くスマホを買ってもらった。
マッキー、みっく〜おはよう。スマホ買ってもらったから連絡先交換しようよ。
うん、いいよ。アレクのスマホかわいいね。
水色のスマホ出たって知らなかった。スマホケースはチューリップってかわいいね。
でしょ?かわいくてつい買ってもらってさ。
それでどうやって連絡先交換するの?
ライン登録ってした?
ライン?まだ何もしてないよ。みっく〜申し訳ないけれど機械オンチだから登録とかやってもらってもいい?
同い年に機械オンチの人がいるとは思わなかったよ。ちょっとスマホ借りてもいい?
まずはインストールして、名前と生年月日を入れて。とりあえず登録は終わったよ。
えっ、もう終わったの?みっく〜、天才でしょ?
アレク、勉強は出来るのに機械に疎いって初めて知った。まぁ誰にでも長所と短所があるから心配しないで。
早速ラインの友達になったからメッセージ送るね。
「アレク、宜しくね。」
あれ?変なところ触っちゃった。みっく〜どうしよう……。
これはスタンプ機能だから試しに好きなスタンプ送ってみて。
うん、分かった。かわいいスタンプ多いね。
美栗の電話番号教えておくから登録しておいてね。
登録?どうやってやるの?
待ってアレク、携帯とかスマホとか触ったことってある?
うん、あるよ。この前携帯ショップ行って手続きしている間にゲームやって時間潰してたよ。
はぁ〜……。それは触ったこと中に入らないよ。何かお母さんにスマホの使い方教えてるような感じ。
ちょっとみっく〜、同い年なのにその言い方酷くない?勉強分からなくても教えないよ。
すみません。これはマッキーに言わなきゃ。
えっ、それだけのために言いに行くの?
さすがにライン送るよ。天然というかなんというかホントアレクは憎めない子だよ。
ありがとう。マッキーにもスマホ買ったから連絡先聞きに行ってくるね。
アレクウソでしょ?連絡先なら送ってあげるよ。
人の連絡先勝手に送るのはよくないよ。許可取らなきゃ。親しき仲にも礼儀ありっていうでしょ?
じゃあマッキーに連絡するよ。アレクなら勝手に送っていいのにどうしてって言われるのがオチだけどね。
「友達だから許可とる必要ないよ」
アレク、これがマッキーからの返信だよ。こういうものだよ。分かってもらえた?
うん、分かったよ。それよりマッキーの丸い部分の写真かわいいね。どうやって登録するの?
マッキーの丸い部分?それってまさかアイコンのことを言っている?もしかしてその説明から?
アイコンって知っているよ。目を合わせて合図するやつでしょ?
それはアイコンタクト、美栗が言っているのはアイコン。1から説明して設定してあげるね。
みっく〜ありがとう。せっかくの休み時間なのにゴメンね。
ホントだよ。それでアイコンはどういうのにする?
アイスクリームにする。もしかしてアイスクリームダメ?ダメなら他のにするけれど……。
検索サイトで調べたいものを入れて画像検索すると。沢山のアイスクリームの写真出たけれどどれにする?
じゃあこのカップのストロベリーのやつにする。これをどうするの?
保存するかスクショして写真から貼り付けるだけだよ。……。うん、ポカーンとしているからやってあげるね。
ありがとうございます。みっく〜スゴいね。
同級生にスマホの説明をする日が来るとは思わなかったよ。最初で最後だと思いたいな。これで一通り出来たよとアレクに渡した。
一通りってまだマッキーとまきりかの連絡先登録されてないよ。どうやってやるの?
授業始まるから終わってからやるからちょっと待っていて。授業中にスマホ触ったらダメだからね。
うん、分かった。授業後また宜しくね。
そして授業後、美栗は再びアレクの元に来た。
どこまでやって後は何をすればいいっけ?
後はマッキーの連絡先とまきりかの連絡先教えてください。あと一通りの使い方を教えてください。
アレクのラインを開いて連絡先って所を押して名前検索、今だとマッキーとまきりかを選択して送信すると送れるって感じ。そして送られてきた連絡先を押して追加って押せば友達になるって感じだよ。
今って便利な時代だね〜。このラインのやり取りってメールというよりもチャットっていう感じだね。
疲れたからちょっと寝るね。また何かあればラインで呼んで。
みっく〜ありがとう、そしてゴメンね〜。
4時間目の授業が終わってみっく〜とアレクは食堂に向かった。
みっく〜、疲れた顔しているけれどどうしたの?
アレクがスマホ買ってもらったみたいで1からスマホの説明してたら疲れてさ〜。中学生でスマホの使い方知らない人っている?まるでお母さんにスマホの使い方説明しているみたいだったよ。
みっく〜、1つ聞いてもいい?
アレクにグループラインってした?
まだそこまで言ってない。友達追加しておいたからマッキーグループ招待してあげてくれない?
うん、分かった。じゃあ招待しておくね。
スマホは便利だが使いこなすのに時間がかかると感じたアレクだった。
本名
マッキーはアレクにグループラインに招待した。
「花田アレクサンドラ莉香」
ちょっと待って、どうしてグループ名がアレクの本名なの?このグループ名付けたのってマッキー?みっく〜?それともまきりか?怒らないから教えて。
私だよ、マッキーだよ。このグループ名にした理由はアレクの本名がカッコイイからだよ。ダメ?
もっとかわいいグループ名にしようよ。みんなで考えようよ。
マッキーはまきりかに友達追加するように伝えた。
オッケー、せっかくならみんなでライン電話しない?
アレクは思わず4人で電話って出来るの?どうやってやるの?
マッキーは電話かけるからみんな出てね。勿論アレクもかかってきたら電話を出てね。分かった?
うん、分かった。とりあえず待っているね。
プルル、プルルよし3人とも出たね。
もしもし〜、アレクちゃんと電話に出れたね。よかった、出れないかと思って心配していたよ。
まきりかはアレクに今どこにいるのか尋ねた。
どこって家にいるよ。スマホって便利だね、思ったけれどスマホってパソコンと電話がくっついているような感じだね。
まきりかとマッキーは思わず何を言っているの?みっく〜ちょっと説明してもらってもいい?
簡単に説明するとアレクは度を超えた機械オンチでラインのインストールから設定、アイコンの写真まで休み時間にやったよ。同級生に話しかけるというよりもまるでお母さんにスマホの使い方説明しているような感じだったよ。
同級生でスマホの使い方を知らない人とかいる?みっく〜ちょっとそれは話盛っていない?
マッキーだけどさ、まきりか强ち間違っていないと思うよ。お昼の時間に食堂でみっく〜に会った時に疲れた顔をしていたからさ。
なるほどね。信じられるような……信じられないような……って感じだね。アレク、SNSって知っている?
まきりか、それはバカにしてるでしょ?ソーシャルネットワーキングサービスの略、ウェブ上で色々な人と繋がることの出来るやつでしょ?
ネットに書いてあるようなことを言ってっていう訳じゃなくてどういうのがあるか言って欲しいの。
それは……。すみません、分からないです。
ちなみにラインも含まれるって知っていた?
え、ラインもまさかソーシャルネットワーキングサービスになるの?知らなかった。
みっく〜、疑ってゴメン。現場にいなかったから分からなかったけれど話を聞いてやっと理解したよ。
もしもし〜。みんな1つ聞いてもいい?
アレク、どうしたの?
みんなはどこの高校に行くか決めた?
私たちまだ中学1年生だよ、何も考えてない。アレクまさかもうどこの高校に行くか決めたの?
とりあえず内部進学考えているよ。マッキー、みっく〜ウチの学校って高校あるよね……?
高校ないのに中学受験する人いないでしよ。ホント何も知らずに川隅中学校に来たとは……。
アレクはボソッとどこの高校に行くにしても何かきっかけがあればな……。
まきりかは確かにそうだね。アレクくらい勉強が出来ればどこの高校に行ってもやって行けそうな気がするけれどね。府内1賢い千里中高校とか行けそうだね。
マッキーは反論した。いや、アレクの学力なら日本を飛び出して自由の国アメリカの高校に行くかも。
みっく〜はそう見せかけてしれっと内部進学しているような気もするな。どこに行くのかも気になるね。
アレクのことばかり言っているけれどみんなも自分の進路考えなきゃ行けないよ。決まったらまた言うね。マッキー、みっく〜、川隅中学校って留学とかってあるの?
学校に留学したい人のために留学センターがあったはずだからそこで聞いてみたら?
じゃあそうしようかな。明日、そこに行きたいから2人とも案内してもらってもいい?
分かった。じゃあ電話切るね、また明日。
そしてアレク、マッキー、みっく〜の3人は授業の合間に留学センターに向かった。
マッキーとみっく〜はここで待っているね。アレク行ってきな。今すぐ決めなくても話だけでも。
ちょっと待っていて、話聞いてくるね。
10分後、アレクは留学センターから出てきた。
アレク、この夏にイギリスに留学すること決めた。手続きやホームステイ先等は留学センターで全てやってくれるみたいだよ。いや〜、楽でいいね。
アレクは家に帰ってママの故郷イギリスに留学すること決めたと伝えて市役所にビザやパスポートを申請をして夏休みを迎えることになる。
アレクはママが生まれ育ったイギリスってどんな国なのかワクワクしていた。まずビッグ・ベンを見てその大きさに圧倒されていた。
イギリスには中高一貫校はなく、中学生だが高校生と混じって一緒に勉強していた。
アレクは勉強についていけなくてすぐ日本に帰ってくると思われたが勉強の得意なため普通に英語で会話出来るし遜色なく授業についていくことが出来た。
ホームステイ先でアレクはテレビを見ていて驚いた。それはイギリスの国会議員で女性の数が多くて日本との違いを知った。
よし、アレクが国会議員になって女性の国会議員を増やすことを目標とした。
留学期間が終わってアレクは日本に帰ってきた。
アレクは自分で国会議員育てる高校を調べると兵庫にある私立西港高校を目指して勉強に励み、グループラインでその事を伝えた。
第3話 難関校
死ぬ気で
アレクは国会議員になるべく偏差値75の西港高校を目指すべく陸上部、料理部そひて勉強と三束のわらじを履いて頑張っていた。
勉強では常に学年1位を目指して取り続けていた。家族のためでも誰のためでもなく自分が国会議員を目指すべく必死に勉強していた。勿論内申点はオール5で誰かも憧れる存在になっていた。
2年生も学年1位を死守してオール5を取り続けていたある時、担任の先生からあることを提案された。
この学校では過去に例はないが今から飛び級して首席で卒業出来るがどうする?花田にはここでずっといるよりももっと上のところで勉強をした方がいいと思う。1度考えてみてくれ。
アレクはグループラインにその旨を伝えた。
担任の先生から飛び級して首席で卒業しないかって言われたけれど……。みんなどう思う?
それは私たちがどうこういうことじゃないよ。アレクが決めることだよ。同い年なことには変わりないし自分たちよりも先を行って進む姿にはスゴいなと思うよ。
そしてアレクは2年生を終えて首席の卒業はなかったことにしてもらって3年生に進級して3年間学年1位とオール5を取って西港高校を推薦入試で合格をして国会議員になるために中学生から勉強をしていた。
アレクは西港高校、マッキーとみっく〜は川隅高校、まきりかは府内1の千里中高校にそれぞれ進学した。卒業式を終えて4人は集まって桜の木の下で写真を撮って握手を交わした。
西港高校はアレクの家から1時間、学校内だけでなく電車でも常に勉強をしていた。毎日のように小テスト、月に1回は復習テストに中間テストに期末テストとイヤというほどテストが日課のようになっていた。
進学校といえば校則が緩いという印象を持っていたアレクは唖然としていた。
おい、花田。黒髪にしなきゃアカンやろ。何考えてねん。
やかましいわ、この金髪は地毛だからええねん。制服を着崩しているわけちゃうからええやろ。同じクラスのアイツはどうなんねん。茶髪で制服着崩してスカートめっちゃ短いとちゃうん?説教する相手がちゃうやろ。
花田、先生に向かってその態度はどういうつもりだ。停学にするぞ。
おい、ちょっとこい。あんた偏差値ナンボで学年順位言うてみ。
何で言わなあかんねん。偏差値75、学年1位や。
うそつけ。1位は1位でもワースト1位やろ。見栄はるな。調子乗っとったらどつくぞ。
アレクは偏差値77、正真正銘の学年1位や。学年1位と学年ワースト1位、どっちが停学になるか一目瞭然やんな。校長に言うぞ。
先生に脅迫してどうするだ。今日のところは許すがその金髪と言葉遣いはちゃんと直してこいよ。
やかましいわ、金髪は地毛だって何回言うたらわかんねん。シバくぞ。
お前のせいで私まで怒られただろ、どうしてくれんねん。
悔しかったら勉強で見返してみろ。この学校でみんなと馴れ合いとかするつもりないから。
アレクは普段は大人しくて優しい女の子だが1度怒るとキツイ関西弁が出てしまうクセがある。でも短期かと言われるとそういう訳ではなく理不尽なことで怒られるとついクセが出てしまう。
負けることの嫌いなアレクは体育の授業でもスリーポイントシュートを他の人が多く決めると自分も負けじとトラベリングに注意しつつもスリーポイントシュートを決めようと常に1位を目指していた。
クラスの中ではある呼び名が飛び交っていた。
「孤高の天才、アレク」
文化祭では焼きそばをクラス対抗で売上対決をしても元料理部のアレクの前には太刀打ち出来ずスゴいなと見せつけた。
アレクは国会議員になるべく、喋りが上手くなきゃいけないと考えて何か部活に入ろうかとか考えていた。
その中である部活に目に入った。
それは弁論部、これだ。そしてアレクは弁論部に入部することを決めた。
ここでもアレクは先輩を圧倒して全国高校生弁論大会兵庫県予選に出場して優勝して近畿大会に出場した。
県予選の勢いそのままアレクは近畿大会も制して全国高校生弁論大会に出場して唯一の1年生で優勝を果たした。
そして世界大会、英語で弁論大会が行われることが決定して英語で弁論の内容を考えていた。
内容は思い浮かぶけどパソコン苦手だな……。よしグループラインでパソコン得意な人いないか聞こう。
マッキー、まきりか、みっく〜
この中でパソコン得意な人いない?
3人は思わずパソコンはそれなりに出来るけれどアレクどうしたの?
今度英語で弁論大会やることになってパソコンで弁論大会の原稿印刷しようかと思ってどうしようかなって思っていてさ。
英語が苦手ならともかくパソコンが苦手って初めて聞いた。原稿は考えているの?
メモはもうあるけれどどうやって印刷したらいいか分からなくて……。
そういう事ね。コンビニに行ってメモをPDFにしてお金を入れたら印刷出来るよ。
ポータブルドキュメントフォーマットをどうするって?
正式名称で言わなくていいから。まきりかが今からアレクの家行くからいい?
うん、いいよ。一緒にコンビニ行ってくれるの?ありがとう。アイス買ってあげるね。
そしてアレクとまきりかは2人でコンビニに行ってデータを印刷してアイスを買って2人で食べた。
そしてアレクは無事世界大会で優勝をした。
全校応援団
アレクはの通う西港高校は偏差値が高く全国各地から勉強エリートの集まる学校で有名だった。
その一方、部活動も盛んで全員進学でプロスポーツ選手を輩出してしているがこの学校を卒業して大学進学してからとなっていて高卒でプロの選手は未だ1人もいない。というのもスカウトが来ても早々に進学を表明して契約には至っていない。
アレクは2年生になったある日、その事を後から先輩から知らされてもう1つあることを告げられた。
硬式野球部が全国大会出場が決まったら全校生徒はみんな応援行かなきゃいけないことになっていてね。私たちもまだ行ったことないけどね。
アレクは思わずそれは野球部が全国大会に行くってなったら夏ですか?
春もだけど夏もかな。勉強ばかりで息抜きしたい。
アレクはその話を聞いてずっと勉強するのが当たり前だと思っていたけれど息抜きは部活だと思っていたから息抜きっていう息抜きしてなかったような気がするな〜。
野球部の全国大会ってどこでやるのかな?よし、スマホで調べようとポケットから取り出した。
なになに……阪神ドームっていうところで春と夏に行われる。春は選抜された32校で紫紺の優勝旗、夏は49代表校で北海道と東京都は2校選ばれる。
何だかよく分からないけれど春は選抜されなきゃいけないし夏は県を勝ち抜かないと全国大会の阪神ドームに行くことは出来ないのかと自分で解釈した。
アレクはクラスにいる野球部の男の子に声をかけた。
選抜と夏の大会、どっちが出場するの難しいの?
花田、藪から棒にどうした?どっちが難しいとは一概には言えないかな……。
どうして野球部なのに分からないの?
春は選抜、夏は選手権大会って分かれているけれど春の選抜に出るには秋の大会で地区大会、県大会、そして俺らのいる兵庫県だと近畿大会で最低ベスト4まで勝ち上がらなきゃいけないし、夏は夏で兵庫県の高校野球連盟に所属しているのは150校以上あって全国でも屈指の激戦区だから比較は出来ないよ。
それは比較出来ないね。最近の成績はどうなの?
2年前の夏はベスト8、昨年の夏はベスト4で後もう少しで阪神ドームに行けると思っていたのにな……。花田、野球に興味あるの?
興味っていうか全国大会出場決まったら全校応援に行くって聞いたからどうなのかなって思っただけ。
そういう事ね。新チームになって俺がキャプテンになったけれど俺たちの代こそ絶対阪神ドームに行くって意気込んでいてさ。
なるほどね、期待しているよ。勉強ばかりしていて息抜きしたいから次の試合っていつどこでやるの?
次は土曜日に尼宮球場で午前9時からだよ。応援しに来てくれたら嬉しいな。夏はお金かかるけれど秋や春の試合はお金かからないから頼むよ。
気が向いたらね。準決勝、決勝に行く前に負けられたら困るから応援に行ってあげるわ。
何その言いぐさ、じゃあ土曜日来なくていいよ。絶対決勝まで行くから決勝進出したら絶対に応援に来いよ。
1ヶ月後、キャプテンはアレクのもとを訪れて近畿大会決勝まで来たからちゃんと応援に来てよ。
約束だからね。それで場所と日時は?
次の日曜日、尼宮球場で午前11時からだよ。花田が感動して泣いてしまうようなプレーをして阪神ドームに連れて行くからな。
はいはい、分かりました。負けたら選抜に選ばれても認めないからね。
勝って選抜決めなきゃ認めないってこと?
それだけ大見得きっておいて怖気ついた?
まさか、ぐうの音も出ないくらい打ち負かすから見とけよ。
じゃあ楽しみにしておくわ。アレクは尼宮球場に初めて野球の試合を観に行くことになった。
日曜日、アレクは尼宮球場で試合を見つめていた。
試合は0対1xでサヨナラ勝ちを収めた。
翌日学校に行くと野球部のキャプテンはアレクのもとを訪れて昨日はありがとう。おかげで勝つことが出来たよ。
ぐうの音も出ないくらい打ち負かすって言っていたのに1点ってどういうこと?
勝ったのに文句言うな。左のアンダースローのピッチャーが出てくるとは思いもしなかった。これで選抜に内定だ。阪神ドームにも応援来てな。
せいぜい問題行動起こして出場出来ないってことにならないように気をつけな。
何で俺にいつもけんか腰なわけ?花田に何かしたか?見に覚えないけれど。
冬休みが終わって1月、西港高校に電話があり晴れて選抜大会の出場が決定した。
3月半ば阪神ドームで西港高校が初出場で初戦を勝つとその勢いのまま優勝を果たした。巷ではこう評価されていた。
「西港旋風」
そして新学年となり3年生になった。春夏連覇を掲げる西港高校は県予選の決勝で敗れてアレクは春夏連続出場の厳しさを改めて知った。そしてそのまま受験に向けてまず大学共通テストで点数を取ることを考えていた。
大学共通テストで満点、とまではいかないまでもどの教科においてもある程度成績を残して東京にある東神大学に合格が決まってそのまま住む場所を決めた。
短い間
短い間
アレクはグループラインで東京の大学に進学することを決めたと伝えるとみっく〜、マッキー、まきりかの3人はしばらく会えなくなるから思いっきり遊ぼうと誘ってくれた。
しかしアレクは困っていた。それは中学校時代から国会議員になるべく部活はしているものの遊びに行ったといえば尼宮球場と阪神ドームくらいで何が流行っていて同級生がどのような遊びをしているのかすら分からない感じだった。
アレクはグループラインで3人に伝えた。
中学校時代からまともに遊びに行ってないから何が流行っていて何が人気なのか分からないけれどそれでもいいの?
まきりかはため息をついてだろうと思った。
マッキーはホント家と学校の往復だけなの?
みっく〜は2人ともどこに行くのがいいと思う?
どうしたらアレクに喜んでもらえるかな……。ちょっと待っていて。アレク電話まだ大丈夫?
アレクは大丈夫だよ、3人ともありがとう。
あ、そうだ。まきりか、マッキー聞いて。最近みっく〜の家の近所に商業施設が出来て安くてかわいい服を売っているお店や雑貨屋あるけれどどう?
アレクは雑貨屋行ったことないから面白そうだね。みっく〜、その商業施設には他に何があるの?
確か映画館、ゲームセンター、ボーリング場、カラオケ、フードコート、食料品売り場、家電量販店くらいかな。ここで1日遊べるけれどまきりかとマッキーは何かいい案ある?
まきりかの周りには遊ぶところはないかな。中学校時代から特に変わりばえもしないかな。マッキーはどう?
家から離れたところには複合施設あって遊べるけれど電車やバスで行けるところじゃないから厳しいかな。みっく〜の言っていた商業施設にしようか。アレクはそれでいいかな?
うん、いいよ。アレクのためにありがとう。それで日時と集合場所はどうする?
アレクはいつ東京に行っちゃうの?
4月にはさすがに東京に行かなきゃ、アルバイトもあるし入学テストを終わらせなきゃいけないな。
まきりかはみんな明日の午前10時に川隅駅でもいいかな?
マッキー朝苦手だけどアレクのためにアラーム鳴らして起きるね。まきりか、みっく〜も遅れたらダメだよ。
そして午前9時にマッキー、みっく〜、まきりかは集まっていた。
ねぇ、アレクは?今日の主役が遅れるって……。
みんなお待たせ〜。遅れてゴメンね。この時アレクは集合時間よりも20分遅れてやってきた。
ちょっとアレク、今日の主役が遅れるってどういうこと?3人ともしばらく会えないと思って気合い入れてきたのに。
すみませんでした。せっかくお出かけするならオシャレをしようと思っていたら電車1本乗り遅れました。
アレクも気合い入れているってことで許す。じゃあみっく〜に付いてきて。駅から歩いて10分くらいだからさ。
そしてアレクをはじめ3人はみっく〜を見失わないように早歩きでついて行った。
商業施設に着きアレクにどこに行きたいか尋ねた。
雑貨屋とアパレルショップ行きたいな。ダメ?
ダメも何も今日の主役はアレクでしょ?行きたい順番も全部決めていいよ。私たちはついて行くだけだからさ。
みっく〜、マッキー、まきりか3人が友達でホントによかった。ありがとう。
3人はアレクにそれぞれ欲しい雑貨を1つずつ買って渡した。
次にアパレルショップに行ってミニスカートやワンピースを自分の身体に当ててかわいいとテンションを上げていた。
アレク、欲しかったらその黄色のワンピース買ってあげようか?
まきりかの気持ちは嬉しいけれどアレクが買うから大丈夫だよ。笑顔でありがとうと答えた。
そしてアレクは次にゲームセンターに向かった。UFOキャッチャーや色々なゲームを見てアレクはテンションが上がっていた。
ねぇマッキーあの箱みたいなのって何?
まきりか、みっく〜共に箱って何かと見つめていた。
マッキーは思わずアレクにあの箱みたいなとのってもしかしてプリクラのこと言っている?ウソでしょ?プリクラを知らないってスマホの使い方を知らないのと同じレベルだよ。
プリクラってプリント倶楽部でしょ?知っているよ。ゲームセンターに男の子ばかり来て女の子が来ないからって作られたってことくらい知っているよ。
相変わらず言葉は知っているのに使い方やその物は知らないね。とりあえずプリクラ撮ろうか。
ねぇ、マッキーどの機械にする?沢山あるけど。
どれにするかは主役のアレクに決めてもらおうよ。
アレク、この機械にする。結構盛れそうだけど3人ともプリクラ撮ったことある?
当たり前だよ。今どきプリクラ撮ったことのない人はアレクくらいだよ。はい、チーズ。
今のプリクラってスゴい性能だね。写真撮ったけれどこれで印刷するの?
ちょっとアレク、それだとただの写真撮影でしょ?ここから目を大きくしたりして加工するの。
目をパッチリして色を白くして……。
そんな加工したら誰なのか分からなくなるよ。
アレク以外の3人は落胆していた。この加工しなきゃプリクラで撮る必要ないでしょ?
マッキー、まきりか、アレクこのプリクラライン登録するだけで自分たちの写真を送ること出来るって。スゴくない?
早速ライン登録しようか。まきりかがやるから後でグループラインに送っておくね〜。
プリクラを撮って2対2でホッケーをやってボーリングにカラオケやってフードコートで晩御飯を食べてアレクは東京に向かった。
もう1つの問題
目論み
アレクは大学に通いながら国会議員になるために今度行われる衆議議員選挙に出馬しようと考えていた。
念のため自分がいる場所の選挙区と年齢の確認をしようとスマホで調べていた。そこであることに気づく。
衆議院被選挙権は25歳以上、参議院被選挙権30歳以上とそもそもアレクにはその資格すらなかった。
ひとまず国会議員になるにも衆議院で立候補するのか、それとも参議院で立候補するのかアレクは考えていた。それまでの期間どうするか考え直すことにした。
そして将来の夢を国会議員になることにして大学の授業に取り組みつつ選挙に立候補出来るその時まで他の仕事を就くことを考えていた。
勉強は小学生時代から得意でさほど力を入れなくても出来ると自負していた。それよりもせっかく大学生になったからには部活やサークルに入ろうかな。それとも課外活動に力を入れてもいいかも。
大学の講義である課題を課された。それはもし自分が総理大臣になったらどのように日本を変えたいか。これはアレクに取って有難いことだった。
自分が総理大臣になったらどのように日本を変えたいか……。もし国会議員になった市民の声を聞いて発言するべきだなとアレクはそのような議員を目指していた。
家に出ても仕方ない、街に出て色々な人に意見を聞いてみよう。授業の課題と言えば答えてくれる人もいるだろうと大学ノートとボールペンを持ってまず近くにある商店街に向かった。
主婦の人たちに聞くと子育て支援が足りないから女性議員を増やしてそういった政策を打ち出して欲しい、1人親がいる人からは保育園の待機児童の解消とテレワークを推進して欲しい。
アレクは聞けば聞くほど国民が思っている意見と現実の制度や政策との差があると改めて感じた。
そしてアレクは頭を下げて握手をするとみんな口を揃えて名ばかりの国会議員よりもよっぽどお姉ちゃんの方が国会議員に向いている、お姉ちゃんこそ日本の総理大臣になるべきだと嬉しい言葉をかけてくれる人が多くいた。
別に立候補しているわけではないが笑顔でありがとうございます。将来国会議員を目指しています。もし立候補出来る年になったそのときには是非、
「花田アレクサンドラ莉香」
清き1票をお願いしますと国会議員気取りのようなことをしていた。
家に帰ってノートパソコンで商店街で聞いた今の悩み、何を求めているのかの調査を書いて自分が中学時代に行ったイギリスに所属していた当時の女性議員数と日本の女性議員数の比較をすると圧倒的に女性議員が少ないことが問題があると提起した。
その上で女性であるアレクは自分が国会議員や総理大臣になった場合、女性議員を増やして子育て支援の政策を打ち出していきたいとレポートに記入して印刷をして提出した。
次の授業でアレクは前に出て発表するように言われて発表をすると教授や他の学生からは拍手が起きて自分のやってきたことはよかったな、国会議員になるための弾みになればいいなと感じていた。
前期の授業とテストが終わって夏休みは何をしようかと考えていた。社会勉強としてアルバイトをするかどうしようかと頭を悩ませていた。
ある日地元の大阪からのアドレスからメールが届いた。
内容は20歳までに日本国籍かイギリス国籍を選択してください。宜しくお願いします。
アレクは中学校時代から勉強に忙しくて自分が日本人の父親とイギリス人の母親の子供だってことを忘れていたうえ、どちらかの国籍を選ばなければならないことをメールが届くまで知らなかった。
いや、言うならば送ってきてもらえなければ知らないままでどうなっていたことか……。そう考えるとホント有難いなと感じていた。
アレクの夢は国会議員になること。イギリス国籍を選択し、渡英すれば日本よりも早く国会議員になるチャンスはあるがそのイメージが全く浮かばない。
日本国籍を選択したからといって必ずしても国会議員になれるとは限らないし尚更なれる可能性は不透明になっている。
イギリスと日本、どっちの国を変えたいかアレクは数日間考えることにした。
二国の女性議員や少子化対策、子育て支援が充実しているのかを比較するとイギリスと日本では雲泥の差、いや比較出来ないほど日本は子育てに不十分な国だと改めて知った。よし、日本国籍を取得して国会議員になってもっと子育てのしやすい国にしようと考えた。
忘れないうちにやろうと夏休みにアレクは1度地元の大阪に帰ることにした。そしてパパとママにメールで国籍を選択するようにって届いたことを伝えた。
パパから莉香はどっちの国籍を選ぶの?
日本国籍を取得して国会議員になっていずれは総理大臣で子育て支援の政策を打ち出し、女性議員の数を今の倍くらいにはしたいなと考えているよ。
ママから莉香は昔から勉強出来る子だからね。総理大臣になりたいってまた壮大な夢をもっているね。立候補したら1票入れるね。
パパ、ママありがとう。でもそこは公平に他の人の意見も聞いた上で1票入れてくれたら嬉しいな。
そしてアレクは役場に行って正式に日本国籍を取得して日本人となった。
一段落
日本国籍を取得したアレクは大学時代に色々な国に留学して世界ではどのような状況なのか知る必要があると考えていた。
それはもし国会議員や総理大臣になった場合、日本のことだけ知っています、でも海外のことは何も知りませんでは話にならないと考えたからだ。
夏休みも残り半分となり大学の留学センターに問い合わせをすると今から手続きしてとなると厳しいから冬休みや春休みに行かれてはどうか。
アレクは夏休みの留学を断念して何か出来ることはないかと考えていた。することなくひとまずテレビを付けると国会中継が放送されていた。
それを見て質問をしているのにまともに答えていない。中にはテレビで寝ている人から質問に前を向かずに下ばかりで原稿を読んでいるような感じにこれが国民から税金をもらっていると考えると信じられない気がしていた。
1人暮らしをしているアレクは買い物に行こうと学生寮を出てショッピングモールに出かけた。
食材の買い物を終えて帰ろうとするとある団体が署名活動をしていた。何だろうとアレクは近づくと待機児童を少しでも減らそうと声を上げていた。
よかったら署名お願いしますと声をかけられて快く署名を行った。待機児童の署名活動で1つでも社会問題の解消に繋がればいいなと考えて自分も何か今の問題に署名活動することも大切だなと感じた。
自分で何かというよりも人のやっていることに加わる方が楽ではあるがそれはあくまでも団体に入ることを許されればの話でもある。
アレクは署名活動している人に声をかけた。
すみません、署名活動のお手伝いしたいのですが可能でしょうか?
別に構いませんがお姉ちゃんはどこの誰?
申し遅れました、東神大学の花田アレクサンドラ莉香と申します。将来は国会議員になりたいと考えています。
団体の人たちは手を止めてアレクの方を振り向いた。
東神大学って官僚を多く輩出している東神大学だよね?国会議員になりたいって言っても選挙で当選しなきゃダメだし学生じゃあなれないよ。
アレクはもちろん分かっています。選挙に立候補するってなってから問題を解決しようと考えているのでは遅いです。今から問題を解決しようとすることが大事じゃないですか?
確かに花田さんの言う通りだね。色々な場所で署名活動しているから来られるときにいつでも来てね。場所と日時はメールアドレスに送るから記入してもらってもいいかな?
そう言われアレクはメールアドレスを書いて帰って行った。
学生である以上勉強に重きを置く必要はあるが間の時間を署名活動やアルバイトの時間に割くなどをしていた。そして自分自身でも何が問題かと考えた時に待機児童問題以外にもどんな問題があるのか団体の人だったり同じキャンパスにいる学生に聞いて回っていた。
そこでま多く意見が挙がったのは福利厚生で産休や育休が取りずらい環境が多くてまずは抜本的に法律を作ったりして男女問わず働きやすい環境を整える必要があるという意見が多かった。
そこでアレクはSNSでどんな問題があるか尋ねた。
すると非正規労働でいつ肩を叩かれるか分からない、ずっとアルバイトやパートのままなのか?それ以前に中々仕事が見つからないと多方面から意見が出た。
全部解決しようと思っても中々難しいところもあるが1つでも多く解決をして国民全員が住みやすい日本にしたいと改めて感じた。
後期の授業が始まりアレクは外交について興味を持ち大学のパソコンやスマホで調べていた。青年交流会が東神大学の図書館で行われると案内板に表示されていた。
アレクは受付をして参加することにした。ここで色々な国の人と意見を交わして世界でどんな問題があるのか意見を言い合っていた。そしてその中で国際交流員の仕事にも興味を持って大学に駆け寄ってもらい台湾の国際交流員として長期休み限定で派遣することが決まった。
台湾という異国の地で苦労すると思っていたアレクは日本人が来たと思われずヨーロッパから来たと思われており、日本人で言われたら腹が立っていたことも台湾で事情を英語で説明するとフランクに話しかけてくれた。
台湾の魅力を世界に発信しつつ日本と近いことから日本人も多く住んでいてとても暮らしやすかった。
アレクは台湾の国会を歩いていると興味あるなら見学していってもいいと言われ、日本語翻訳の出来る翻訳機を借りて傍聴していた。
日本とは違い寝ている人やヤジばかり飛ばすという感じではなく、なぜ賛成なのか?なぜ反対なのかを具合的に述べていた。
この経験をもとに日本に戻ってきて大学生活に活かそうと考えていた。
2年生から始まるゼミでは日本と国際社会について詳しく調べるようにし、大学卒業後は公務員試験を受けて地元の河内縄市一員として戻った。
そのことをまきりか、マッキー、みっく〜に伝えたらみんな大阪にいるよ。アレクお帰りと駅まで迎えに来てくれた。
第4話 部門
地域政策課
アレクが配属になったのは振興部地域政策課というところに所属することになった。
とはいったものの地域政策課で何をするのか全く分からなかったアレクは先輩にどのようなことをするのかを尋ねた。
地域の問題を把握して経済学、行政学、法律学をはじめとして、既存の学問体系にとらわれない社会科学の学際的な領域で地域の暮らしている市民を中心として行政や企業を巻き込んでよりよいものにしていこうというものだよ。
アレクはポカンとしつつも地域の人に根付いたことをするのは必要なことだなと感じていた。その中で具体的に何をやっていこうかなとアレクは考えた。
大阪といえば天下の台所、商人の街で食いだおれということは知っているが都市部には人は来るがそうでない山間部にも自然豊かなところは沢山あるからそういった場所に観光客の人に来てもらうことは出来ないものなのか、先輩に尋ねた。
花田さん、いい案だと思うけれどそれは観光課の仕事かな。そうやってこうしたいってことを提案するのはいい事だよ。
じゃあどういったものがありますか?
新たな交通インフラを整えたりその補助金の予算組や地域活性化するにはどうしたらいいのか考えたりしたりって感じかな。花田さんにはふるさと納税の返礼品を考えてもらおうかな。
アレクがふるさと納税が返礼品を考えてよろしいですか?というよりもう既存の商品あったりしませんか?
花田さん、今年からふるさと納税を始めることになったから既存の商品とかはないよ。河内縄はぶどうと河内縄豚が有名ってことだけ教えておくね。
ありがとうございます、参考になります。
金額は1000円〜100000円まで商品を考えてね。
そう言われ、アレクは青果店ぶどうジュースを販売するお店や精肉屋にアポを取ってお店に向かった。
アレクは自分の名刺を渡してふるさと納税の返礼品として協力して欲しいと頭を下げた。だがダメだと返されてしまった。
休みの日に再び青果店を訪れてぶどうジュースを飲むととても飲みやすく小さい子から大人まで愛されるものだと実感した。そしてその帰りに精肉店に寄って豚肉を買って家に帰った。
ママ、ここの名産っていう豚肉買ってきたよ。
莉香、ありがとう。じゃあ今晩はトンカツにしようかな。楽しみにしていて。
しばらくするとパパが帰ってきた。
おかえり〜、今日は莉香が買ってきてくれた豚肉を使ったトンカツだよ。
3人でトンカツを食べるととても柔らかいお肉で歯の少ないおじいちゃんおばあちゃんでも食べることできるし地元の人にも他に住んでいる人にも食べて欲しいとアレクは考えた。
そして青果店と精肉店に何度か足を運び頭を下げてふるさと納税の返礼品として使わせて欲しいとお願いをするとぶどうも豚肉も生産量が少ないから高めに設定してもらわないと採算合わなくて……。
ぶどうジュースと豚肉の他にぶどうワイン、良質な木材を使った積み木や割り箸を返礼品として候補に挙げていた。他に何がいいのか考えた。
久しぶりに仲良し3人組に聞くことにした。
まきりか、マッキー、みっく〜、久しぶり。
3人だったらふるさと納税の返礼品で何をもらったら嬉しい?
まきりかは焼肉セットかテーマパークの1日券がいいな。返礼品では贅沢かな……。
マッキーは海の幸が好きだからカニとかもらえたら嬉しいな。
みっく〜は地元の物を使ったかわいい雑貨が欲しいな。ところでアレクはどんな仕事しているの?
今は河内縄市役所で地域政策課でふるさと納税の返礼品の営業をしているよ。
なるほどね。みっく〜の記憶ではアレク、国会議員になりたいって言っていたような気がするけれど……。
誰も国会議員にならないって言ってないよ。衆議院、参議院の被選挙権はまだないから今は公務員として働いているよ。常にチャンスは伺っているよ。
さすがアレクだね。国会議員になるその日を楽しみにしているよ。
3人ともありがとうとラインを返した。
ふるさと納税の発送等もアレクが任されていて自分の思いも一緒に乗せてそれぞれの家に発送した。
年が明けて発送メールを送ってみんな楽しみにしているだろうなとアレクは1人でそう思っていた。
それから1ヶ月後、市役所宛に手紙やメールが届き何かしでかしたのではないかと不安になっていた。
手紙やメールには豚肉美味しかったです、みんなでぶどうジュース飲んで子供が笑顔でした、幼稚園になる子供が積み木で毎日遊んでいて楽しそうですといった言葉をもらってアレクは嬉し涙を流した。
こうやって知らない人と繋がっていることに喜びを感じて河内縄に納税をしてくれる人が増えればいいなと地元の特産品をSNSで発信し続けたおかげで前年よりも市の税収が上がって市長から賞状をもらうことになった。
このまま市の職員として骨を埋めるのも悪くないなと感じつつも自分の夢に諦めがつかず最低限立候補出来る歳までいよつと考えた。
被選挙権
アレクは衆議院選挙に立候補出来る25歳になった。
これで衆議院選挙があれば立候補出来る、そう考えていた。しかしアレクは衝撃なことを知った。
それは国会議員、いやその前に選挙に出馬するには膨大な供託金を納めなければならずそれ以外にも諸経費が必要となる。
元々アレクは消費癖がある訳でもなく必要最低限の物だけを買って残りは貯金をするという生活をしていた。夢は国会議員だがこのまま夢のまま終わらせるわけにはいかない。さてどうするべきか考えた。
プルル、プルル
アレクのスマホが鳴った。
花田さん久しぶり、元気にしている?
あの……どちら様でしょうか?
東京で商店街をやっているものですが選挙に出るなら東京に来て立候補なさってはいかがですか?商店街一同が花田さんの後援会として支援しますよ。
どうしてアレクが国会議員になりたいと?
大学時代の授業で総理大臣になったらどうしたいかっていう課題で金髪の女の子から話を聞いたって。それで衆議院選挙あるからどうかなと思ってね。
東京だと倍率高くないですか?
新たに東京15区が出来たばかりでそこなら比較的当選しやすいと思われます。小選挙区で1度考えてみてはどうですか?
分かりました。供託金を納付して立候補届を提出し、選挙委員会に必要な書類を記入をして提出をした。
次に市役所に行って衆議院選挙に出馬することを表明すると本来ならば立候補して当選しなかった職を失うけれど花田さんの功績を称えて籍は残しておくから安心して選挙に臨みな。
アレクは衆議院小選挙区で立候補をして1度東京に向かった。
大学近くの商店街に行って挨拶をした。若輩者ですが宜しくお願いしますと頭を下げた。
ホントなら選挙カーの費用から食事代、宿泊費等の雑費まで支払ってもらう必要あるけれど必要な費用はこっちで負担するからさ。
どうしてアレクの為にそこまでしていただけるのですか?
1人の主婦がアレクにこう言った。
当時大学生だった花田さんは目を見て頷いてメモを取って必死に話を聞こうとしていてその姿を見てホントにこの娘が国会議員、そして総理大臣になってくれたら嬉しいなって思ってね。ここにいる人たちはみんなそう思っている人たちばかりだよ。
アレクは深々と頭を下げて数年も経ったのに覚えてくださってありがとうございます。皆さんのためにも当選するように頑張ります。
自分の理想として貫いてきたものは国民に寄り添う政治、そしてみんなが暮らしやすい社会にすることだった。
そうした時に何が大事なのか考えた時に待機児童を減らす、男女問わず働きやすい環境を整える政策をしたいと打ち出した。
アレクは選挙期間中、選挙カーに乗って自分の名前を覚えてもらおうと手を振って自分のビラを配るほか晴れの日も雨の日も関係なく駅やショッピングモールで自分の掲げる政策を訴え続けた。
他にも自分に出来ることは何かないかと考えて夕方の商店街で1人でビラ配りをしてどうして立候補して当選した場合どうしたいのか1人ずつ丁寧に説明をした。そして選挙投票日前日まで行っていた。
そしてアレクは決戦当日を迎えた。
東京1区から順番に当選発表が続々と挙がってきた。
東京15区 花田アレクサンドラ莉香 当選
アレクのいる選挙事務所ではダルマに目を入れていた。みんなが万歳三唱している中で本人のアレクはポカンと口を開けたままだった。
花田さん、おめでとう。マニフェストだけいう政治家ならいくらでもいる。自分の言ったことに責任を持って、1人の国会議員として頑張ってね。
アレクは1人ずつ握手してこのことをパパやママ、そしてみっく〜、マッキー、まきりかそれぞれに伝えた。
みんなからのラインはおめでとうと単調なものだったが改めて自分が国会議員になることが出来たと実感した。
アレクは特上寿司を注文してみんなに振舞った。夢が叶った。だけど実際に国会議員として何かをしたわけではないという思いもあった。
どんな理由であれこの1票には重みがある。次の任期まで全うして再び再選しなければ国会議員として働けない。
自分に出来ること、そして自分にしか出来ないことをするのが政治家だ。そう我に返った。
議員宿舎と国会の行き来が増えるが市民の声を聞くためにも贅沢せずに庶民と同じ暮らしをして同じ目線に立とうと誓った。
次なる夢は総裁選で勝って総理大臣になる。それには国民からも議員からも支持してもらえるようにしなければならない。
アレクはダルマの横に色紙でこう記した。
「初心忘るべからず」
その気持ちを忘れないようにするためにもスマホで色紙とダルマが写るように写真を撮ってグループラインに送信した。
まきりか、マッキー、みっく〜はこの写真の意味について聞いた。
アレクはこの気持ちを忘れないようにっていう気持ちとみんなにもこういう目で見てほしいと伝えた。
見渡すと
アレクは東京15区から初当選を果たして念願の国会議員になることが出来た。
アレクはスマホで国会議員に1日の流れを調べた。
国会議員は朝から忙しい。午前6時に起きて身支度をして若手議員が集まり政策審議会、所謂法治国家と呼ばれる国会にどんな法案を出すのか考えたり他の党の提出した法案に賛成するか反対するかを決める。
午前9時、国会で衆議院委員会が行われて提出された法案を専門的に議論をして委員会での採決、多数決をとる。
お昼頃に国会ツアーとして地元の支援者を国会に案内をしたり、中学生の修学旅行生に対して案内を行っている。
午後1時、衆議院本会議でこの会議が行われるには総議員の3分の1の出席が必要で内閣不信任決議や参議院で可決した法案が衆議院でも可決すると成立、法案となる。
午後3時、国会内の議員事務所で取材を受ける。これは色んな人のにあって知名度向上や有権者との意見交換するチャンスの場となる。
午後4時、国会内会議室で派閥議員連盟会合として政党のしばりがなく法案を作るための勉強会が開催される。
午後5時、国会内議員事務所で委員会質問の打ち合わせを行われ、その後懇親会に参加をする。
アレクはスマホで見て国会議員って忙しいなと感じていた。朝早いから早めに寝ようと寝床についた。
翌日、アレクは早めに起きて準備をして政策審議会に参加をした。周りの目はどうして金髪のお嬢ちゃんが選挙に当選したのかという目で見られた。
衆議院委員会、本会議でもそのような目で見られてどうして見た目だけで判断するのかな、子供の時に感じたことだがまさか大人になってもそういう思いをするとは思わなかった。
ツアーの支援の人たちや修学旅行生、そして議員事務所での取材では風当たりは強いと思うけれど頑張ってくださいと声をかけてもらうことがあって勇気をもらえた。
アレクはある取材で国会議員になろうと思ったきっかけを聞かれた。
イギリスに留学した時に女性国会議員の多さに驚いて日本と比較した時にもっと女性国会議員の数を増やすべきだなと思い、自分が立候補してみんなが暮らしやすい社会にしたいと考えました。将来は総理大臣になって少なくとも半分は女性議員にしてあらゆるポストに就いて頑張ってもらいたいというのが願いです。
では花田さん自身が就きたいポジションとかありますか?
初めて国会議員になったばかりで右も左も分からない状況なので今は任された仕事を全うするだけです。仕事をしていく中で見つかればいいなと思います。
しばらくして総理大臣の支持率が下がっていて国会内でもメディア、国民からも解散が囁かれていた。
アレクは国会議員になって数ヶ月でその職を失うかもしれないと思うとビクビクしていた。参議院は6年なのに対して衆議院は4年、それもいつ解散になってもおかしくない。いわば国会議員の任期までいられる保証がないということだ。
ベテラン議員から若手議員まで解散総選挙を恐れていてこの時総理大臣の任期は残り少なく、次期総裁を決める総裁選も行われようとしていた。
どちらが先に行われるのか?はたまた解散総選挙は行われず総裁選だけ行われるのかといった感じだ。
若手で1番年下のアレクはこの状況を誰に話すことも出来ず自分のことながら蚊帳の外から見ているような状況だった。
そして恐れていたことが起きた。
総理大臣は現状の問題を解決しようとせず周りの議員から解散しろ、あなたの時代は終わったと言われならば解散して国民に問うことにしよう。
アレクは頭が真っ白になった。この総理大臣が問題を解決していてくれたら、別の人が総理大臣ならば解散にならずに任期を全うすることが出来たのかもしれないのにな……。
国会近くにある宿舎から荷物をまとめてまず家を探しに行った。
商店街で営む人たちにあって声をかけてきた。
花田さん、解散総選挙になって大変だね。また支援させてもらうから落ち込まないで。
ありがとうございます。今日からどこに住もうかなと賃貸の家を見に来ました。
大変だね〜。狭くてもよければ1部屋空いているからウチに泊まっていってもいいよ。家賃安くしておくよ。
何から何までありがとうございます。ではお言葉に甘えて部屋をお借りしてもよろしいですか?
いいよ。宜しくね。
寝床を確保したアレクは再選するために立候補して供託金を納めた。
そして再び選挙カーで色々なところを回って商店街の人たちに1人ずつ握手してチラシを渡した。
アレクは東京15区から再び当選をすることが出来て返り咲くことが出来、アレクはふぅ〜と一安心した。
またいつ解散になるか分からないけれどいつでも支援するからね。花田さんこそが今の日本の総理大臣になるべきな人だと常に思っているよ。
この言葉を胸にアレクは絶対に総理大臣になると心に誓った。
複数回
解散総選挙が行われてから数回、アレクは当選を果たして広く国民、そして他の国会議員の人にも知られるようになってきた。
そして総理大臣からあるポストを用意された。
それは外務大臣に就任することが決まった。
30歳という若さでの初入閣に周りの期待もすごく大きかった。外交問題を1つでも解消出来るようにと意気込んでいた。
アレクは世界を見渡すと貧富の差が激しいと頭では分かっているものの実際に他国の現状を知らずにいて実際に現地に行って確認する必要があると考えた。
飛行機に乗って数日間にわたり各国の現状を確認した。するとアレクは想像を絶する光景を見た。
電気水道が通っていない、舗装されていない道、満足とはいえない病院の設備。これは予算を多く組んで貧困の国の人たちを助けたい。そう考えた。
1度日本に戻ったアレクは政府として食料や衣類などを送ることはもちろん必要な医療やインフラ整備のために多くの人員を派遣することを決めた。
それ以外にもやることは沢山ある。
各国との領土問題、友好関係、外国を訪問して首相や大統領との話し合いなどやるべきことは沢山ある。
その他に外国人労働者の受け入れなどなど。
日本人にとっても外国人にとっても日本という国で暮らしやすい社会にしたいという思いでいたアレクは仕事にやりがいを感じていた。
地毛が金髪だからみんな最初は外国人だと勘違いする、でも日本語を喋って経緯を説明すると日本人だと理解してくれる。自分では日本人と外国人、両方の気持ちが分かっているように感じていた。
アレクは食糧支援も大切だがそれ以上にインフラがここまで整っていないと思い人員を派遣して早急に整えることも大事だがそれと並行して技術支援をする必要があると考えた。だが1つ問題があった。
年間に組める予算が決まっている。外国の人たちに支援をすることは大切だし必要だがそこに全額投資するとなると他のことに予算が組めない。どうしたらいいのか頭を悩ませていた。
花田大臣、ちょっとよろしいですかと1人の女性職員が声をかけてきた。
各国の大使館や総領事館に今何が必要なのか確認してみてはいかがですか?
アレクはその話を聞いて早速各国にいる大使館や総領事館に国の情勢と必要なものをメールで送った。
食料品が必要なのはもちろんですが衣類や靴がボロボロの子どもが多くいるので衣類や靴を送ってもらえると嬉しいです。
早速、アパレルショップや靴屋に問い合わせをして使い古した物があれば外務省まで送って欲しいと電話やメールで呼びかけた。
電話やメールから1ヶ月でアレクが予想以上のものが届いて職員と一緒に各国に送る段ボールに仕分けを行っていた。裸足でインフラが整っていないということはケガをする子も多くいる、これで少しでも軽減してくれたら嬉しいなという気持ちだ。
仕分けした段ボールは医療品や食料品とともに飛行機に乗ってそれぞれの国に渡って行った。
数日後、大使館や総領事館相次いで電話がかかってきた。
日本のおかげで病気がよくなった、子どもが靴を履いて元気に歩き回っている姿を久しぶりに見た。日本の方々ありがとうっていう声が届いていると連絡がきた。
それを聞いたアレクは自分のやってきたことは間違っていなかった。日本人の優しさが世界を救ったと感じると1人の日本人として誇らしい気持ちでいた。
仕事が終わりアレクは近くのラーメン屋に寄った。
大将、しょうゆラーメン1つ。
あれお姉ちゃんどこかで見たことあるな……。モデルさんか何か?
冗談でも嬉しいですと名刺を渡した。初めまして国会議員で今は外務大臣として働いている花田アレクサンドラ莉香と申します。
国会議員の方がどうして街のラーメン屋に?
ラーメンが好きで近くを通ったもので。それで景気とかはどうですか?
このお店始めたばかりで繁盛する時もあればそうじゃない時もあるよ。これからって感じかな。
なるほど、このしょうゆラーメン美味しいです、またこの近く通ったら寄りますね。
有難いね。花田さんだっけ?大臣ともなると大変かい?
仕事は大変ですがやりがいはあります。店主がこの国に求めるものって何かありますか?
このラーメン屋では外国人のアルバイトの子を採用しているけれど周りではまだ少ないって聞くから日本人だけじゃなくて外国人にも雇用を増やしてもらえるといいね。花田さんサインもらってもいい?
いいですよ。でも今日は色紙もってないので名刺の裏に書いて渡した。
そして休みの日に色紙とサインペンをもって再びラーメン屋に行ってサインを書いて飾ってもらった。前に行った時は夜遅く1人で食べていたが休みの昼時ということもあり繁盛していた。
握手を求められたらラーメンを食べていても喜んで握手をして名刺を渡して自分の名前を覚えてもらおうと考えた。
他の国会議員の人はどんなお店でご飯を食べているのだろうと感じていた。
狙いとは
アレクは有給を使ってあることをしようとしていた。
それは学校を訪問して小さい時から政治に興味を持ってもらおうと考えていたからだ。小学生時代に政治のことをそこまで深く考えていなかったから少しでも興味を持ってもらおうと自ら考えた。
アレクは近くにある小中学校や高校、大学等に電話をかけて伺っていいか問い合わせをした。
小学校から6年生は社会の授業で政治の授業をしている所だから生の声を聞ける機会は中々ないと公演して欲しいと受け入れてくれた。
公演当日、アレクは学校に向かい職員室に行って挨拶を行った。
6年生は体育館に集まって公演が始まった。
始めまして、花田アレクサンドラ莉香です。国会議員として外務省で働いていますと自己紹介をした。
そして国会議員の1日の流れや自分がしている流れを説明して出来るだけ分かりやすく説明を行った。
小学生に自分が国会議員ならどうしたいか質問した。
すると1人の男の子は宿題を無くして欲しい、テストを無くして欲しいとかわいらしい答えをしてアレクは微笑ましい気持ちになった。他には海に行くとゴミが多く、海にいる生き物がプラスチックを飲み込んでしまうことがあるから違うものに代えるように心がけたい。
国会で寝ている議員よりもよっぽど小学生の方が偉いな同じ大人として恥ずかしい思いもした。1校目の公演を終えて帰って行った。
次の有給に中高一貫校に向かった。ここでは中等部、高等部両方で授業をして欲しいと依頼を受けた。
アレクはさすがに小学生と同じことをするのはなと考え、自分が国会議員になったらどのような政策や法律を作りたいかグループワークをしてもらって発表してもらうことにした。
その中で気になったものが幾つかあった。中等部では世界では貧富の差が激しく自分の使っているものをすぐに捨てるのではなく再利用出来るものは再利用する、出来ないものや着れなくなった服や靴は近所にいる小さい子に渡すといった活動をしたい。
高等部では自分で実際に川や海に行って生ゴミやプラスチックのゴミを拾っている活動をしている子がいて関心するのと同時にゴミを捨てて帰る大人の代表として謝罪をしたい気持ちでいた。
アレクは大臣としてよりも1人の大人として環境問題に自分でも出来ることをしようとメモをしていた。子どもたちに教えて欲しいと来たはずだったのに逆に教わることが多いなと感じていた。
自分でも改めて環境問題対策として何かできないかとアレクは考えて雑貨屋によってかわいいマイ袋と
オシャレなマイ箸を買って帰ることにした。
数日後、外務省に手紙が届いた。
宛名を見ると小学生や中学生、高校生から手紙が届いていた。
読んでみると花田大臣のお話を聞いてためになりました。自分に出来ることは小さいけれどその小さなことをコツコツとやっていきたい。大臣で偉い人なのにメモを取る姿勢を見て人として見習いたい。
それぞれに伝えることが出来たがこうやってお手紙をもらえると嬉しいな。次は有権者でもある大学生に話せる機会があればなと考えていた。
大学から依頼があり自分でパソコンでレジュメを作った。大学生に何を話そうかと考えていた。
レジュメを作ってパソコンを持って大学に向かった。アレクは特別講師と教室に入ってパソコンを繋げて説明をしていた。
すると真面目に話を聞いてくれる人はいるが大半はスマホをやったりレポートをしたり中には飲食をしている学生までいて驚いた。
ひとまず講義の90分間、話をして授業を終えた。
帰ろうとした時に教室の机にはゴミが置きっぱなしで学生からはもっと面白い話をしてくれればよかったのになと心無い声が聞こえてきた。
自分の説明が上手くないということを否定はしないが講義を全く聞く気のない人に言われるのはどうなのか?大学生にもなって人の話を聞かず違うことをするってどうなのか、百歩譲って自分の飲み食いしたゴミくらい自分で捨てないっていうのはどうなのかと感じていた。
大学生よりも小学生の方が人の話を聞く姿勢がなっている。自分のゴミじゃないのに環境のことを考えて自らゴミ拾いをしている高校生がいるのに自分のゴミすらまともに捨てない大学生、色々な人がいるな。人としてすべきことはやろうと考えた。
そして翌日仕事に向かった。
アレクは自分のことを大臣や先生と呼ばれることが好きではなくフランクに花田さんやアレクと呼ぶように呼びかけていた。そして1人の男性職員が声をかけてきた。
花田さん、有給使ってゆっくり休めましたか?
学校に行ってゲストや特別講師として自分が国会議員になったらどうしたいかなどについて話していたよ。
休みの日までスゴいですね。何か得たものはありましたか?
教えに行ったはずなのに逆に教わることが多くて見習うことが多かったよと答えた。みんな環境問題に取り組むためにマイ袋、マイ箸を推奨するよ。それにはまず自分たちからだよと呼びかけた。
アレクさん、それは環境省の仕事ですよと職場は笑いに包まれた。
4人で
アレクのラインにある人たちから連絡がきた。
それはグループラインでまきりか、マッキー、みっく〜からだった。内容は休みの日に東京に行くから案内をして欲しいとのことだった。
仕事や学校を訪問したりしていてアレクは遅めのあけましておめでとうございますの挨拶をした。
するとマッキーはもう3月だよ。新年明けてしばらく経つよ。仕事が忙しくて挨拶出来なかったのか素でやっているの?どっち?
アレクは気がついたら3月になっていたって感じかな。駅に向かいに行くから来る日時また教えてね。
1週間後、新幹線で行くから川宿駅に午前9時に着くくらいだよとまきりかからチャットで届いた。みっく〜からアレクに会うの数年ぶりだね。
そういえばこの4人で会うの何年ぶりだろう?そして東京とはいってもどこを案内しようかと考えた。
ひとまずアレクは本屋に行って東京都の観光地が載っている本を買ってその後数ヶ所自分の足で巡ってみることにした。
翌日、仕事が終わった職員を呼んで東京に友達が遊びに来るけれどどこを案内をしたらいいか尋ねた。
どこか穴場があればそこに4人を連れて行こうと目論みをしていたが食べ物ならもんじゃや市場の場外で食べるのがオススメと載っている所ばかりで聞いた手前他にどこかないかとは聞きずらい感じだった。
紹介できるところ、行きつけのラーメン屋しかない。休みの日にどこか出かけることをしなさ過ぎて案内する場所がない。
アレクはグループラインで行きたい所あれば遠慮なく言って。ここに行ってみたいとかこれ食べてみたいとかある?
マッキーはアレクのオススメのところに行きたい。まきりかは東京に染まったアレクならどこでもついて行きます、みっく〜は3人について行くよ。
アレクはスマホとパソコン、本をフル活用した。
3人ともかなり期待している。どこかオススメなところないかと虱潰しに探した。
テレビ局のスタジオ見学やもんじゃ、クルーズ夜景を見ると言ったことにしよう。後は3人の行きたいところに行こうと決めた。
3人が東京に来る日、早めに川宿駅で入場券を買って降りるのを待っていた。
予定の新幹線がホームに入ってきて続々と降りてきた。アレク〜久しぶり。元気している?
まきりか、マッキー、みっく〜久しぶり。3人とも前にあった時よりも雰囲気変わったね。
そうかな?アレクは数年ぶりに会うからそう思うのかなって思うよ。じゃあまずどこに行く?
まずはモノレールに乗ってテレビ局に行こうか。今日はスタジオ見学出来て生放送にエキストラ映るかもしれないよ。早く行こう。
4人で電車を乗り継いでモノレールに乗って終点の最寄り駅で降りて歩いてテレビ局に入った。
テレビスタジオがこんな風になっているのかと盛り上がって生放送のエキストラの抽選に応募したが4人とも外れてお土産屋に向かった。
みっく〜はこのキャラクターかわいい。まきりかとマッキーはこれって今やっているドラマのグッズじゃない?買っていこうと幾つもカゴに入れていた。
3人は買い物を終えてお昼ご飯を何を食べたいか尋ねるとアレクのオススメのお店に行きたいと息のあった返事をしていた。
ならばと行きつけのラーメン屋を案内した。
するとマッキーはお店のオススメは?
アレクはしょうゆラーメン食べていることが多いけれどとんこつラーメン、のり塩っていうのもオススメかな。まぉ何食べても美味しいよ。
アレクさん、いつもありがとう。沢山お金もらっているだろうに庶民的なお店に来てくれてありがとう。贅沢したり自分にお金使ったりしている?
あまり物欲とかなく必要最低限って感じですかね。
まきりかはねぇアレク、あそこにあるサインって……?
あれは前にこのお店に来てアレクがサインしたやつだよ。お願いされたけれど色紙持ってなかったから別の日に来てサインした感じだよ。
みっく〜は気軽に喋りかけてゴメン。
ちょっとやめてよ、普通に接してよ。そういう特別扱いみたいなのされるの好きじゃないからさ。
マッキーは国会議員になった今、次に狙うのは?
いずれは女性初の総理大臣になることだよ。国会議員ならみんな虎視眈々と狙っているような感じだよ。総裁選ってなればいつでも立候補するつもり。
さすがアレクさんだね。選挙で立候補している時はいつも1票入れているよ。この子なら国を変えてくれる、絶対に総理大臣になる逸材だと思っているよ。
店長いつもありがとうございます。初心忘るべからずの気持ちで頑張らせてもらいます。
そして四辻に行っていくつかアパレルショップをハシゴして夜になりクルーズ船に乗って休みを有意義な時間となったのは久しぶりのような気がしていた。
3人は友達だからとは関係なく1人の有権者としてアレクが国会議員として、そして総理大臣になるように心から祈っているね。
アレクは総裁選に向けて支援してもらえる人を1人でも多くするべく同じ国会議員に顔を覚えてもらうようにしようと考えた。
余暇の楽しみ
アレクは休みの日特にすることもなく気がつけば1日が過ぎてしまうことが多くあった。何か趣味を見つけないと何か勿体ないような気がしていた。
自分が好きなもの、そうだラーメンが好きだ。いつも行く行きつけのラーメン屋に行くのもいいがたまには他のラーメン屋にも行って新たな発見をしようと決めた。
考えるまでは時間がかかるが思いついたら行動は早いと自負している。アレクは早速ネットで調べ、着替えて家を出た。
ラーメン1杯食べる目的で電車に乗る人って多いのだろうか、どんなラーメンに巡り合えるのかとワクワクしていた。
最寄駅に着いて目的のラーメン屋に行こうとすると店前には大行列が出来ていて驚いた。
昼時とはいえこれだけの行列が出来るのは何か名物ラーメンがあるに違いない。みんなどのラーメンを食べるのかなとそう考えていたらやっとお店に入ることが出来た。
店内は白一色でとてもかわいらしい佇まいだった。店長のイチオシはとんこつラーメンと書かれていてそれを注文しようとしたがアレクはメニュー表に書かれているあるメニューに目が止まった。
「アーモンドミルク味噌ラーメン」
ラーメンでアーモンドミルクって合うのかな?名前から想像して味噌がまろやかになるようなイメージだがどうなのか?味が気になりすぎて注文した。
とんこつラーメン今度来た時に食べようと思い隣にいる人がアーモンドミルク味噌ラーメンを食べている人がいて美味しそうだなとヨダレが垂れてきそうだった。
お待たせ、アーモンドミルク味噌ラーメンです。
やっと自分のもとにも届いた。まずはスープから飲んでみよう。一口スープを飲むと味噌ラーメンといいつつもみその味がそこまでしない。まるで隠し味で使われているような感じだ。
麺を啜ると美味しい、アレクは1度箸を止めてアーモンドミルクはどんなものなのかスマホで調べることにした。
アーモンドミルクは牛乳、豆乳に続く第3のミルクと呼ばれており栄養価が高く現在注目されている飲料の1つ。
今のトレンドを取り入れているこのラーメン屋はスゴいな、そう思いつつラーメンを食べ終わり暖簾をくぐりお店を出た。
その帰りにアレクはスーパーに行ってアーモンドミルクのボトルとペットボトルを買いに行った。
電車に乗りつつペットボトルを飲むと飲みやすくて美味しい、これはハマるなと感じていた。
今晩何を食べようか考えなきゃいけないしアーモンドミルクで何か作ってみようと思った。
家に帰ると残っていたのはパスタしかなくカルボナーラの代わりにアーモンドミルクを使うかそれとももう1度買い物に出るか頭を悩ませていた。
一旦家に帰ってきたのにまた家から出るのめんどくさい、だからといって夜にパスタを食べるのもな……。もう1回スマホでアーモンドミルクについて調べることにした。
普通のカルボナーラよりもアーモンドミルクの方かヘルシーと書かれていて明日のお昼も食べようと少し多めに麺を茹でることにした。
普段食べているカルボナーラとどう違うのかな?
カルボナーラを作る要領で作って食べてみた。
コクがあって美味しい、カルボナーラと遜色ない。アーモンドミルク味が出たら買いたくなると思うほど美味しく、翌日の朝も食べて家を出た。
仕事が一段落して社員食堂にある電子レンジで温めて食べた。1度温め直せば普通に食べられる、もしかしたら温め直さなくても食べられるのではないかとすら考えていた。
花田さんお疲れ様です。今日はカルボナーラですかと女性社員が声をかけてきた。
そうだよ。カルボナーラだけどただのカルボナーラじゃないよ。これはソースにアーモンドミルク使っていてね。
最近アーモンドミルク流行ってますよね。何がきっかけでアーモンドミルク知りましたか?
そう見えるか見えないか分からないけれどアレク、実はラーメンが好きで行きつけのお店以外のラーメン屋をネットで調べて行ったらたまたまアーモンドミルク味噌ラーメンってメニューを見つけてどんな味なのかって惹き付けられて注文したら美味しくて。
それで他のメニューでも使ってみたら面白いかなって感じでカルボナーラを作ってみたよ。
花田さん、よかったら仕事終わりにそのラーメン屋に連れて行ってもらえますか?
アレクはイチオシのとんこつラーメンを食べてみたいと思いいいよと即答した。
仕事を終えて2人で電車に乗ってラーメン屋に行くと大行列でしばらく外で待っていた。するすると啜る音を聞くと余計お腹が空いてきた。
自分たちの順番が回ってきてとんこつラーメンとアーモンドミルク味噌ラーメンを注文して取り皿をもらってお互いのラーメンを食べあって美味しい、また来ようねと2人で話し合ってアレクは会計を済ませて電車に乗って家へと帰って行った。
何度目か
アレクは外務大臣を歴任して5年が経っていた。そして総理大臣の入れ替わりにより外務大臣から厚生労働大臣に就くことになった。
やりがいを感じていた仕事だったが総理大臣が代わって別の役職に就くのは新たに学べることもあると思っていいかなと感じていた。1番恐れているのは任期満了になる前に解散という刃を抜かれて国会議員として仕事が出来るのかと感じている事だ。
4年経てば立候補して再戦をするために頑張ろうとなるが解散総選挙のある衆議院は総理大臣のみその解散という刃を振ることが出来る。
アレクだけなのか他の国会議員もそうなのか分からないがお願いだから解散はしないでくれと切に願っている。
今の総理大臣には解散を振りかざす以上にもっと問題なことがある。それは就任当初が支持率がよく、そこから支持率がどんどん落ちていって長くて1年、短いと半年で体調不良を理由に辞任して国会議員に戻るという人が多かった。
少し仕事を覚えてきたかなと思ったら総理大臣が代わることで大臣を変えられていい迷惑だ。自分が総裁になって総理大臣になった方がいいと何度思ったことか。
じゃあ今すぐ総裁選に立候補して勝てる見込みがあるかといわれるとない。なぜならば下馬評や国会議員からもアレクは支持してもらえる人を増やさなければならないと感じていた。
次なる総裁選のために自分の名前と顔を売っておかないとと思いアレクは名刺を持って1人1人に渡して回った。
すると年配議員からは金髪の総理大臣がいるか、そもそも日本人国籍を持っているのか?
次とはいわず今からでも立候補してみては?君の今の状態だと負け戦に出るだけだよ。
金髪で国会議員をやって何が悪いのか、人を批判するよりも自分のその考えをまず変えた方がいいのではと思ったが他人を変えるのは難しい。誰もが認める程のキャリアを積まなきゃだめだ。
今までの総理大臣を見ると過去に幹事長や政調会長を歴任して総理大臣になっている人が多い。ならばアレクも幹事長や政調会長になれば支持してもらえて総理大臣になる可能性が高まる。
総理大臣が誰でもいいからアレクを幹事長や政調会長にしてもらえないかな。こればかりは自分でどうにもすることが出来ず他力本願だがそうなるように願っていた。
そしてアレクのもとに電話がかかってきた。
もしもし花田君、今回政調会長のポジションに就いて欲しいと考えているけれどどうする?
アレクはお願いしますと即答で答えた。
新総理大臣のもとで政調会長に就任することになった。
政調会長とは政務調査会長の略でどのような政策を打ち出すのか取りまとめたりする役で各大臣をやってきたアレクだったがこの政調会長はとても忙して大変な仕事だなと感じていた。
しかしどれだけ忙しくても大変でも国会議員になったからには総理大臣になりたいと1度は思う。それはアレクも同じ気持ちだ。
ここ数年見て国民に役に立つような法案を通したのかと言われると即答できないのが切実である。国会では各総理大臣とも問題をうやむやにして解決しようとせず新しく就任した総理大臣も前総理大臣の尻拭いはしたくないのか問題をこたえようとしない。
国会議員として以前に1人の日本国民として何をしているのだろうか?国民の税金から給料を得ているのに何をしているのだろうかと思っていた。
この現状を変えるにはやはり自分が総理大臣にならなくてはならない。国会は子供のような喧嘩をする場所ではなく法律に対して議論をする場所なのになと感じていた。
周りを見ると自分の出世ばかり考えていて国民に目を向けていない。法案を通していてもこれは誰のためのものなのか、もっと必要な法案や政策は沢山あるのになと傍らで聞いていてそう考えていた。
政調会長を数年務め、今度は幹事長に就任して周りからは何でアイツなのかと妬まれることも多く挙がったがアレクは実力で勝ち取ったものと特に気にする素振りを見せなかった。
しばらくすると手のひら返しをするように今度は花田さん、花田さんと寄り付いてくるようになって何事かと思ってみているとまた総理大臣の支持率が悪化して次なる総裁、総理大臣は花田アレクサンドラ莉香だ。勝ち船に乗っかろうと見え見えだった。
この姿勢にアレクは腹が立ち、仮に総理大臣になったらこういった議員に大臣のイスを渡すわけにはいかない。ちゃんと働いている議員に大臣のポストを用意したいなと考えていた。
テレビ新聞、ラジオを聴くと次期総裁は花田アレクサンドラ莉香以外いない。他は立候補しても勝てない。
総理大臣を夢見ていたアレクにとっては嬉しい言葉だが他人をここまで脅すようなことを言わなくてもいいのに、どうして誇張していうのだろうかと不思議な気持ちでいた。
とはいえアレクは今の日本を変えられるのは自分しかいない。総裁選が行われるその日、立候補して総裁、そして総理大臣のイスを勝ち取ると誓った。
新政権
総理大臣の支持率が1桁台まで落ちて落ちるところまで落ちて辞任することが決まった。
アレクは支持者を集めて早々と総裁選に立候補することを表明した。これで他に立候補者がいなければ新総裁、そして総理大臣が確定する。
しかしそうは問屋が卸さないのが世の中の現実である。アレク以外にも有力候補が2人立候補した。
よしこれで総裁選に向けて準備だけしておけばいいかと言われると中々そういうわけにもいかない。
各テレビ局を回って総理大臣になったらどのようにしたいかと聞かれた。
アレクは総理大臣になった暁には男女や国籍の差とか関係なく日本に住む国民全員が住みやすい世界にしていきたい。主に待機児童を無くして男女問わず育児休暇を取りやすい環境を整えて外国人の方にも就労ビザ取得までの期間を短くして日本人、外国人の垣根を越えて皆さんに働きやすくする。
総理大臣は総裁として国民の声を聞いて働く必要があるが国民に直接総裁選に参加出来るかと言われるとそうではない。
党の人たち、過半数割れの場合は都道府県ずつに割り当てられている1票で決まることになる。
選挙といいつつも国民は総選挙に参加することが出来ずこの人になって欲しい、勘弁してくれといったことは固唾を飲んで見守るほかない。
そして総裁選の立候補締切になり告示された。
アレクの他にベテラン議員、男性若手議員が立候補をしてまさに三つ巴の戦いとなることになった。
国民ではアレクが圧倒的支持で議員支持は2番目という評価で総理大臣、総裁が決定的とまではいかなかった。
アレクは表明を断念した支持者が自分のところに1票でも積めたら嬉しいなと感じていたがどうなるかはフタを開けてみるまで分からない。
決戦前日まで国会議員やテレビで頭を下げ続けてその日を迎えることになった。
若手男性議員 40票
花田アレクサンドラ莉香 100票
ベテラン議員 20票
第102代内閣総理大臣は花田アレクサンドラ莉香君に決まりました。
アレクは全方向に深々と頭を下げて史上初の女性新総理大臣がここに誕生することになった。
これがホントなのか、夢なのかまだ実感が湧かずにいた。一夜明けてラインを見るとまきりか、マッキー、みっく〜そしてパパやママからおめでとう、総理大臣になって大変だと思うけれど体調には気をつけてと労いの言葉をもらった。
朝から行きつけのラーメン屋に行くと花田さんおめでとうございます。いや、総理大臣ご無礼を失礼しました。
買いかぶらないでください。まだ総理大臣として何か仕事をしたということはないので。お店を出て普段は寄らないコンビニに寄って一面に女性初の総理大臣、花田アレクサンドラ莉香と一面に載っている新聞を片っ端から買った。
やっと自分が女性初の総理大臣になったと自覚をして国民のために働かなくてはならないなと改めて感じていた。初当選の時の写真を見て初心忘るべからずの言葉を思い出した。
総理大臣になったアレクは各大臣に名前ではなくしっかりと仕事をしてスキャンダルや問題を起こしたことのない人を起用した。
こればかりはなってから起きる問題もあるから絶対というわけではないが暫定で上に立つものとして相応しい人を選出したつもりだ。
翌日からゆっくりお昼ご飯を食べている時間もなく朝から晩まで働いた。
各国の首相や大統領と会って話をしたり、国際会議があれば参加してなど日本のみならず世界中を政府専用機に乗って飛び回っていた。
春にはアメリカ大統領と会ってゴルフをしたあとに2人でアメリカンドッグと日本酒を飲み、これこそ食べ物の日米同盟だとダジャレを加えて話した。
飛行機に乗っている時間などを利用してスマホで自分の支持率を見たりしていた。日本のトップに君臨する今、誰もが認める総理大臣ではなくてはならない。自分が問題を起こさないように注意していた。
1ヶ月経ち支持率は横ばい、半年そして1年経って支持率が下がると予想したが今までの総理大臣とは違い右肩上がりで自分のやってきたことは間違っていなかったと気がついた。
国民に総理大臣は花田さんでいいのかという声が挙がりならばもう1度総選挙やりましょう。同時に解散総選挙の刃を振った。
アレクに総選挙と言ってきた議員は解散総選挙で再戦を果たすことは出来なかった。一方アレクは再選して総選挙でも勝って引き続き総裁、総理大臣として仕事をすることが出来た。
気がつけばアレクは総理大臣歴任5000日を達成して日本の総理大臣として最長記録を果たした。
気がつけばアレクは還暦になっていた。ずっと総裁選には立候補してきたがもういいかなと思って出馬しなかった。学生時代から国会議員、そして総理大臣になりたいと思っていたが燃え尽きて次は違うことをしようかなと考えた。
そして地元大阪に戻って実家を受け継ぎ有意義な生活を送ることを決めた。