リア充殺戮兵器『助手くん』
これは『なろうラジオ大賞3』応募用の作品です。
ジャンルは『空想科学〔SF〕』にしました。
【2021年12月10日】
タイトルを『「助手くん! 遂に完成したぞ!!」』から、『リア充殺戮兵器『助手くん』』に変更しました。
「助手くん! 遂に完成したぞ!!」
そう歓喜の声をあげるのは、と、あるラボに住む『ドク=シンキ=ゾーク』女博士。29歳。
ドクは、目の前にある完成品に背を向けると、テーブルの上に置いてあったトングを手に取り、アルコールランプでぐつぐつと沸騰したコーヒー入りの三角フラスコを掴む。
「落ち着け……落ち着くのじゃ……儂……」
高ぶる気持ちを抑えるように呟くドク。沸騰したコーヒーは、ビーカーに移し替えられ、震えるドクの右手によって口に運ばれる。
「熱いわ!!」
瞬間、舌を火傷したドク。しかし、それによってちょっとだけ冷静さを取り戻したドクは、再び身体を反転させ、完成品と対峙する。
「さ……動いて見てくれ……」
完成品にそう語りかけるドク。すると、完成品は細長くも、頑丈な素材でできた足を一歩、軋む音を立てながら前へ踏み出す。
「おお……素晴らしい!!」
感動のあまり、両手を広げて涙するドク。その間も完成品は、また一歩、もう一歩と前に踏み出し……ドクの隣で歩みを止める。
「ハ……カセ……ワタシ……ヲ……ツク……テ……イタダキ……アリガ……トウ……ゴザイ……マス……」
それは、ロボット……いや、紛うこと無き兵器だった。胴体はドラム缶で、頭はラジカセをただ取り付けたようなすげー見た目だが、中味は、最新の技術を詰め込んだ殺戮兵器だった。
「助手くううぅぅんん!!」
嬉しさのあまり、泣きながら殺戮兵器の名前を呼ぶドク。
「ソレでマスたー。ワタシはナニをすればよいノデスカ?」
「う、うむ! 助手くん!! 君の仕事はな……」
助手くんの質問に、ドクは明後日の方向を指差しながらこう答えた。
「世界中のリア充を滅殺することじゃ!!」
それは、人類を滅亡させかねない恐ろしい作戦だった。しかし暴走したドクは、殺戮兵器『助手』と共に、ラボの外に向かって駆け出していく。
「さあ、助手くん! まず手始めに、中心街のリア充共を滅殺じゃあ!!」
「OK!! Master!!」
ああ……世のリア充達は、みな滅殺されてしまうのだろうか……?
誰も彼女達を止める事は出来ないのだろうか……?
そう思われた、正にその時、何者かがラボに侵入してきた。
「ドク〜♪ ただいま〜♪」
「あ~ん♪ あなたぁ♪ お帰りなのじゃあぁん♪」
ラボが吹き飛びましたとさ。
……お終いなのじゃ。
ドク「お主たちよ。どうやら、続報と連載版が書かれたようじゃ。続報と連載版は、この後書きをスクロールすると現れる、星評価、広告のさらにその下にある、ランキングタグというところから読めるらしいぞい」
ドクの夫「ドク、誰と話してるの?(ぞいって……)」