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五年後

波に遅れに遅れて書き始めた乙ゲー系の話にポイントが入っている事に驚愕しております((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル

 私ことフィーリア・レギスは只今5歳となり、頭を抱えながらとある学園の幼稚舎に入ることになりました。

 ゲームの中ではそんなこと知らなかったので、『ああ、家庭教師とかで勉強して社交界デビュー後ゲームスタートなのかな』くらいしか思ってなかったのに、入園一か月前になって(この世界も一年365日)専従の小姓と紹介されたのが、まさかの攻略対象・専属執事(吊られた男)イコス。

 最初、私は彼が誰なのか分からなかった。配色(カラーリング)こそ同じだが、取説にあったキャラ紹介のイラストより小さい子供だったのだから。

 名前も知らない初対面の段階で、私は実に気軽に挨拶をした。勿論、良家の子女としての慎みを持った上での挨拶だけれでも、彼は嬉しそうに挨拶を返してくれた。


「初めましておじょうさま、僕はイコスと申します。せいしんせいいお仕えいたしますので、よろしくおねがいいたします」


 名前を聞いた瞬間に固まる私に気付かず、父は幼稚舎へ入る私に色々と注意事項を教えてくれているが、目の前の小姓(イコス)が気になってそれどころではなかった。


「良いかい、フィーリア。くれぐれも気を付けるんだよ?」


 はた、と気付いたときには父の話は終わっていた。

 にっこり笑って誤魔化しつつ、イコスを置いて部屋へ駆け込む。


――――何がどうしてこうなった!?


 イコスとの出逢いは、ゲーム上ではヒロインが10歳になって初めて町中へ出掛けたときのイベントとしてある。いきなり小姓として紹介されるはずがないのだ。

 確かに、この世界はゲームと酷似している。けれど今こうして自分が成長していくのだから決してゲームではない。分かっている。

 それでも予定では10歳からフラグを叩き折るつもりでいたのに、世界はそれを見越したのか、早々に攻略対象(イコス)を差し向けてきた。

 何の陰謀だと叫んだところで、意味もないのでしないが。

 とにもかくにも、イコスとは出会ってしまった。

 あとはフラグを立てないようにするか、へし折っていくしかない。

 よし。



 ※※※※※※※※※※※※※※※※※


 というわけで、イコスを共に幼稚舎へ通うことになった私が最初に出会ったのは、これまたどういう訳だか分からないが我が国の第三王子(女帝)ヴァシーロ・ルーキスだった。

 それどころか、右を見れば公爵嫡男(法王)ルーネ・ドゥーカ。

 左を見れば騎士団長嫡男(戦車)ラテス・ハルマ。

 新たにやって来た馬車から降りて来たのは魔術師長嫡男(魔術師)タウマト・イディア。

 そして私の後ろには荷物持ち宜しく付いてくる専属執事(予定)(吊られた男)イコス。

 気が付けば周りには攻略対象が勢ぞろいだ。

 非常に宜しくない事態に慌てるが、レディたるものそれを表に出すことは憚られる。

 表面上は無関心を装い、宛がわれたクラスへ進むだけにしたが、それも教室へ足を踏み入れた瞬間に空しく崩壊した。


「あら、ワタクシと同じの色ですわ」


 そう。

 目の前には、見紛うことなく自分ヒロインと同じ瞳の色を湛えた悪役令嬢ライバル、アリスティ・マルキシオース侯爵令嬢がころころと微笑みを浮かべていた。

 その微笑みたるや美の女神(ヴィーナス)もかくや。

 私は一辺にその微笑みの虜となった。


「は、はい!わた、わたくしは、フィーリア・レギスともうします!」


「先にあいさつをありがとう。ワタクシも名のらないといけませんわね…ワタクシは、アリスティ・マルキシオース。マルキシオース侯爵家のものですわ」


 存じ上げておりますともー!

 そのご尊顔はパッケージにて拝見させて頂いております!

 御幼少の頃からその美少女っぷり、幾多の貴族を射止めてこられたのでしょうか!?

 いえ、今から射止められるのでしょうね!!

 射止められた本人がここにいますので!!!


 内心てんやわんやの大騒ぎだが、前世込み通年〇十(ピー)歳の理性も同時に思い出し、見事なまでの演技力を発揮した。

 つまり、初対面の人間が憧れの対象、言わば理想の存在に出会い緊張するという演技。

 我ながらよく出来たと思う演技にすっかり騙されたのか、背後に控えていたイコスは一歩たりとも動くことなかった。よし。


「アリスティさまは、きょうのごよていはどうされるのでしょうか」


ワタクシは、この学園を少しお散歩してみるつもりですわ。フィーリアさまは、どうされるおつもりでしょう?」


 問い返された!

 どうしよう、これはいきなりのフラグ!?

 でも、今までアリスティとのフラグはなかった。ということは、これはもしかしたら新規イベント!初の友情フラグ!!


「よろしければ、ごいっしょさせていただいても!」


 ここで一緒に回らなければ女ではない!


「それでは、式が終わり次第ご一緒いたしましょうね」


 気迫が伝わったのか、アリスティ様は私の同行を快く許可してくれた。

 ただそれを苦々しく見てる目が複数あることに、有頂天になっている私は全く気が付くことが出来なかった。


アリスティ様は3歳から教育が始まっているので漢字多め。主人公はわざとらしく子供っぽい喋り方を心掛けている為ひらがな多め。

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