グリム(1)
光が収まると見開いている建物程の大きさの本がたくさんある場所にいた。
「なんだここ。でかいほんが大量にある。」
「映画とかでよく見る外国の図書館みたいだな。」
そう言ってると携帯から音声が流れた。
「地域イベント、「グリム」この無数にある本はグリム童話の話につながっている。どこかの本にいるグリムを倒せばイベントクリア、クリア者には武器をプレゼント」
「イベント?つまりこの本の中から選んでグリムを倒せばここから出られるってことか。」
とおれが口にした途端近くの本から何人も飛び出してきた。
「うわー。なんだよあのつよさ。」
「グリム以外でもつよすぎる。」
よく見ると金山たちの大好きな園部達だ、どうやらクラスのやつらが10人以上いるようだ。
「あっ。國村くん」
手を振りながら園部が走ってくる。
「國村くんたちも本の中から出てきたの?」
「いや。おれたちは今来たとこですよ。」
翼が答える。翼は園部と話す時だけなぜか敬語になる。
「そうなんだ。じゃあ私たちと一緒に行動しない?」
どうする。さっきもクラスのやつに命を狙われた。こんなに大人数で狙われることはないと思うが正直クラスのやつらは信用できない。と考えていると....
「一緒にいきましょう!」
と翼が答えた。おれと賢人は顔合わせて大丈夫かと確認したが。翼の勢いに負けた。
「待て!亜理紗。俺たちはさっきまでヘンゼルとグレーテルという本の世界にいた。だがそこは本に入ってら直後に周りの木々や動物たちが武器を持って襲ってきた。おれ達は逃げるので精一杯だったんだ、そいつらがいたところで状況は変わらない。」
と鈴木が園部に言った。ナイスだ鈴木おれもお前たちとは行動したくない。
「大丈夫よ。今度は違う物語に入れば問題ないはずよ。それに大人数の方が何か起きた時に対処しやすいでしょ?」
と園部が言うので鈴木も渋々了承した。
とりあえずおれたちは自分のモンスターの情報交換をすることにした。これは正直ありがたいさっきのBATTLEでおれはシキを使わずに戦ったから色んなやつの戦い方を聞けるのは、この先の使えそうな戦い方あるかもしれない。
どうやら他のやつらは自分たちの基礎能力の向上にそこまで気づいていないらしい戦い方もモンスターのみで、おれたちとは違う戦い方をしていたみたいだ。
そういえば金山たちもモンスター任せの戦い方だった。つまりおれたちみたく自分たちで武器を使う戦い方はしたことがないようだ。
「おれたちもモンスターに戦わせた。」
賢人が言った。やはり賢人は頭がいい誰が味方かわからない中で自分たちもモンスターと戦えるだけの能力があるというのは均衡を崩しかねないし、手の内を晒すもの隠すのが得策と考えたんだろう。
「ぼくは戦ってないよ。みら..むぐむぐ。」
「おれたちは戦ってないよな。賢人と翼のモンスターが戦ってくれたもんな。」
あっぶね。シキが口を滑らせそうになったから口を抑えながらおれが言った。