学園サバイバル(5)
「なんだこのちっこいドラゴン。」
「ぼくはね。未來のモンスター。だから未來の家族だよ。」
この声さっきの戦いの時に聞いた声だ。
「おまえおれが戦っている時話しかけてきた。」
「え、ぼくは今初めて未來と話したよ。」
じゃあ、さっきの声は誰だったんだ。
「なぁ。そのドラゴンなんてモンスターなんだ。」
賢人が聞いてきた。
そういえばなんて名前ってなんだ。
アプリを開きモンスターのステータスを見た。
♢ ♢ ♢ ♢ ♢ ♢
名前:????
種族:地球
四季を操るといわれている。進化で才能が覚醒するだろう。
♢ ♢ ♢ ♢ ♢ ♢
「おまえ名前ないのか?しかも種族ドラゴンじゃないのか?」
おれがそう聞くと笑いながら
「ぼく、よくわかんない名前ないなら未來つけてよ」
と言ってきた。名前つけるとしてもなんてつければ....
「四季を操る。「シキ」ってのはどう?」
「四季を操るから「シキ」ってネーミングセンスどうなっているの」
隣にいた賢人は爆笑しながら馬鹿にしてきた。
「ぼく「シキ」気に入った!!!!」
どうやら本人は気にいったらしい。
「これからよろしくなシキ!」
「うん!!」
そう言ってシキがおれに飛びついてきた。
そんなこと言ってる間に校舎の方がやけに静かになったのに気付いた。
「やけに静かだな。」
回復した翼が言ってきた。
「もう大丈夫なのか?」
「ああ。むしろ朝より元気だ!」
賢人の質問に対し翼がジャンプしながら答えた。
「それより、未來そのドラゴンの名前....ぷぷぷ、ダメだ笑いが堪えられない。」
「だよなー。センスの欠片もかんじられないわ。」
どうやら翼はずいぶん前から回復していたらしい。賢人と二人で物凄く馬鹿にされた。
「うるせ。本人が気に入っているからいいんだよ。なっシキ。」
「うん!」
シキはまたおれに飛びついてきた。まるで人懐っこい大きな犬だな。
「とりあえず、屋上にいてもしょうがないし校舎にいこう。」
とおれがいい三人で校舎に入ることにした。
「どういうことだ。思ったほど荒れてない。」
翼が言った。確かに多少窓は割れているがおれらが戦った屋上ほどひどくはなかった。
そして何よりも人の気配もモンスターの気配もしない。
おれたち三人が顔合わせて不思議がっているとおれにおんぶされているシキが
「みんなポケット光ってるよ。」
「「「えっ」」」
と三人が声を出した瞬間目の前がまぶしくなった。