学園サバイバル(2)
「きーんこーん、かーこーん」
授業のチャイムが鳴った。正直授業どころではない。さっきの翼と賢人の戦いを見てすごく面白くて早くやりたいと思った。ダウンロードが終わった瞬間。
急に目の前に黒フードの者が立っていた。周りを見るとさっきまでの教室とは違う所にいるみたいだ。
後ろに座っていた翼も隣にいた人たちもいない。どうやらおれ一人の様だ。とおれが観察していると黒フードの者が話しかけてきた。
「これから生と死をかけた戦いが始まる。この戦いに生き残った者が願いを叶えられる。生き残ってみよ。」
「はぁ?何言ってんだ?ってかお前だれだよ!」
「願いを叶えよ。それが宿命。」
おれの話を聞かずに黒フードは消えていった。
「....國....國村....こ、く、む、ら!!!!」
はっと気が付くと先生が名前を呼んでいる。
さっきのは何だったのか。
「國村、話聞いていたのか?ぼーっとしてるとまた悪い点とるぞ。」
数学は苦手な教科だが赤点は取ったことない。いやらし教師だ。
とそんなこと思っていると教室中の携帯が鳴った。
それと同時に校庭にドローンが4台飛んできて映像が流れだした。
そこにはアプリの運営会社「コア」のCEOを名乗る人物が映っていた。逆光なのか顔が見えない。
街のいろんな所から同じ声が聞こえる。どうやら至る所で映像が流れているようだ。
「BATTLEユーザーが世界の人口の9割を超えた、これにより我々あるプロジェクトを発令する。それは全世界のユーザーの中に「ギフト」というアイテム持ちが1人いるそいつから「ギフト」を奪い最後の1人になるまで「ギフト」持っていた者の願いをなんでも叶えよう。」
なんだ。突拍子ないこと言い出した。そう思っているはおれだけじゃない。
至る所から怒号のような声が聞こえる。
「何言ってやがんだ、なんでも願いなんか叶えられる訳ないだろう!」
「我々は人智を超えた存在だ。叶えられない願いはない。アプリを開いてみろ貴様らのモンスターが具現化するぞ。」
モンスターが具現化するだと....本当になに言ってんだと思った瞬間。クラスのやつの携帯が光った。
そこからホオジロサメ的なのが出てきた。
「うわぁ。本当におれのモンスターができた。」
そんな馬鹿な。クラス中が呆気にとられているとCEOはまた語りだした。
「これで信じてくれたかな。ルールは簡単だ今までアプリでやっていたことを現実でやるだけ。ただ違うのは今回はモンスターの所持者の君たちプレイヤーにもモンスターが攻撃できるということだ。さぁ私からのささやかなプレゼントをプレイヤーの君たちに贈ろう。」
そういうとドローンはどこかへ消えていった。
また携帯が光った。画面を見るとさっきの話の詳しい説明があった。
♢ ♢ ♢ ♢
プレイヤーの諸君にはゲームをより楽しんでもらえるために基礎能力を上げさせてもらった。
これで漫画やアニメの様なうな軽快な動き、怪我の治癒ができるだろう。
だが自分だけ軽快に動けてもモンスターと連携がうまくいかなければ負けてしまうだろう。
そこで大事なのが絆の力シンクロ率だ、このシンクロ率が高いほどモンスター能力を最大限に引き出せるであろう。
このゲームは「ギフト」を最後まで持っていれば願いが叶う。
だが誰が「ギフト」を持っているかは誰もわからない。すでに「ギフト」を持っていてもそれを知る方法はない。そうプレイヤーが持っているのかモンスターが持っているのかもわからないのだ。
モンスターを殺せばプレイヤーは生き残るが戦う力を失うだろう。
プレイヤーを殺せばそのプレイヤーのモンスターも同様に消滅する。
なお、このアプリをダウンロードしたプレイヤーの携帯は壊れず電池も減らない。
そして携帯を手放そうとしてもまた手元に戻るのでこの戦いからは抜け出せない。
さぁ、CEOからの贈り物の武器を持ち「BATTLE」を始めよう。
♢ ♢ ♢ ♢
なんだ、この説明分これじゃまるで人殺しをしろって言っているようじゃないか。
「どかーん」
隣の教室から爆発音が聞こえた。