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スカジャンのシガン  作者: イ尹口欠
冒険者編
9/185

09.宿

 シガンはベルと一緒に宿に来た。


「部屋を借りたい。ベル、そっちは何日残っている?」


「あ、ちょうど今日までですので、今晩は泊まれます」


「そうか。じゃあ俺だけだな。2泊で銀貨1枚でいいんだっけか」


「はい、確かに。部屋はこの鍵に書かれている数字の部屋ですよ」宿のおかみが鍵を出しながら言った。


「ベル、食事はどうする?」


「ここの宿の食事、美味しいですよ。銅貨10枚でお腹一杯たべられます」


「そうか。じゃあ食事はここにしよう。とはいえ俺は銀貨しか持っていないぞ」


「店の方で崩しましょうか?」宿の女将が言った。


「おお、助かる」


 銀貨1枚は銅貨100枚になって返ってきた。

 シガンはジャラジャラした銅貨100枚のうち50枚をベルにおしつけた。


「こんなに小銭を持てない。ベル、半分やる」


「え? いいんですか?」


「いいんだ。今晩の食事代にしよう。それに俺たち、相棒じゃねえか。財布は一緒でも構わねえだろ?」


「え……はい」


 またもベルは硬直した。

 財布が一緒なのは夫婦の話だ。


 それと知らないシガンは鍵をチャラチャラ鳴らしながら、宿の部屋を探して歩く。


「罪な男だねえ」宿の女将はシガンの背中の竜虎を眺めながら言った。



 食事は大満足だった。

 パンにシチュー、サラダに魚料理。

 これで銅貨10枚、つまりゴブリン10分の1ということは、シガンならかなり稼げる。


 生活の目処が立ったので、シガンはようやく一息つけたと安心した。


「ベル。明日からはガンガン、ゴブリンを狩ろう。狼でもいいぜ」


「シガン様、狼は手強いですよ?」


「三日三晩、狼を殺しまくったから知っているよ。そういえば狼にも魔石はあるのか?」


「いえ。魔石があるのは魔族だけです。狼は毛皮ですね」


「ふうん。狼の肉は?」


「マズくて誰も食べませんよ」


「なるほど」


 確かに宿の料理を食べた後で、狼のあの肉を食べたいとは思わない。

 シガンはその日は早めに休み、翌日に備えた。


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