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スカジャンのシガン  作者: イ尹口欠
冒険者編

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80.真珠貝の養殖(1)

 シガンは牧畜を考えていたが、どうやらアドリアンロットでは牧畜は行われておらず、肉は輸入に頼っている事実を知った。

 なにせ港のある街である。

 新鮮な魚がとれるのだから、牧畜をする必要はない。

 むしろ獲った魚を干物に加工して輸出する方に重点が置かれているのだった。


 シガンはすぐに方針を魚の養殖に切り替えることにした。

 いや、しかし魚を養殖すれば、漁師の仕事を圧迫しかねない。


 そこでシガンは真珠貝の養殖を思いついた。

 随分と当初の目的から逸れたが、新鮮な魚料理があって、巨大野菜があるのだから、輸入物の肉の品質にこだわる必要はないのだと気づいたのだ。

 ならばやることは自由。

 さっそく真珠の取れる貝を漁港に買いに行くことにした。



 シガンは真珠貝を入手すると、海岸近くに生簀を用意させた。


 ……確か真珠貝に貝殻の欠片の粒を食わせると、それを核にして真珠が育つんだったっけか。


 うろ覚えの知識を駆使しながら、真珠貝に砂粒をピンセットで食べさせていく。


 そして生簀に真珠貝を放り込むと、


「《この真珠貝たちは美しくて大きな真珠を作る》。で、《もうその真珠が取れるだけ年月が経過した》」


 と言霊をかけるのだった。



 さてこの事業も他人に任せたいところだ。

 そこでシガンは義父、アドリアンロット伯爵を頼ることにした。


 伯爵の部下で人手を集めて、真珠の養殖をやらせることにしたのだ。


「こんにちは、お義父さん」


「スカジャンのシガンか。先日は大活躍だったようだな」


「ハルピュイアですか。アレは失敗なんですけどね……」


「ふむ。単独でハルピュイアの巣を撃滅しておいて何が失敗だったんだね?」


「単純にうっかり巣に足を踏み入れてしまったことと、冒険者の集団で殲滅するという仕事を奪ってしまったことです」


「ほほう。為政者らしい視点でものを語るではないか」


「そんなわけで、稼いだ金で新しい商売を考えたんですが……これを御覧ください」


 シガンが伯爵に見せたのは、養殖真珠外からとった大粒の真珠だった。


「ほう……見事な真珠だ。しかし真珠は稀に貝の中から取れる宝石。それをどう商売にするというのだ?」


「真珠貝を養殖して、真珠を育てるんですよ」


「な、なんだと!!?」


「これは第一号です。こんな立派な真珠が安定供給できるとなると、値崩れが心配になりますが、商売としては画期的で当初は大儲けできると――」


「すぐに人員を用意しよう!!」


 説明の途中だが、伯爵は真珠貝の養殖に乗ってきた。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] いや、しかし魚を養殖すれば、猟師の仕事を圧迫しかねない。 猟師→漁師?
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