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スカジャンのシガン  作者: イ尹口欠
冒険者編

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50/185

50.ミノタウロス(1)

 第三階層のマッピングに挑戦する。

 パーティメンバーにガールを加えたことで、今まで(いびつ)だったパーティに安定性が生まれた。

 これまでは前衛にシガン、後衛にベルとアティとターニアというワントップだったが、ガールの加入で前衛がふたりになったのだ。

 そしてそのガール、……べらぼうに強かった。


「すげえな。あの距離から魔物をバラすか。指先のワイヤーってのは目に見えないくらい細いのによく切れるんだな」


「はい。構造は単分子シートですから、横からだと視認は特に難しいでしょう」


「単分子シート? つまり極薄ってことか……そりゃ切れ味もさぞ凄まじいだろうな」


「マスターは不思議ですね。この退化した文明の中にあって、単分子シートが何か分かるのですから」


「俺は特別だからな」


「はい。マスターは私にとって特別です」


 そのとき、アティが警戒を発した。


「シガンさま、前方からたくさんの足音が近づいてくるよ! 多分、冒険者!」


「帰りってことか?」


「わかんない。でも速歩きから走るペース」


「そりゃ、何かから逃げているんだ! 総員、警戒しろよ。ヤバいのが来るかもしれない」


 バタバタとした走り方で冒険者たちがこちらに近づいてくる。

 誰も彼もが必死の形相だ。


「おい、道を開けろ!」


「それはいいが、何があった!?」


「ミノタウロスが出た! こんな浅い階層なのに!」


「追われているのか!?」


「分からん! 多分、徘徊型だ!」


「情報、ありがとうよ」


「なに。いいってことよ」


 シガンたちは道を開けると、撤退する冒険者たちに道を譲った。


「さて、ミノタウロス退治といくか」


「本気ですかシガン様!? ミノタウロスは迷宮の守護者と言われる化け物ですよ!? あのオーガよりも強いんですよ!?」


「……ていうか、このパーティの充実ぶりを見て今更オーガを引き合いに出すのはどうなんだ、ベル?」


「…………そういえばそうですね」


「シガンたちはオーガを倒されたのですか?」ターニアが驚いた様子で問うた。


「ああ。あの時は俺とベルとアティの3人だった。それが今じゃ5人。ミノタウロスってのがどんなにヤバくても、苦戦する気がしない」


「シガンさま、でもミノタウロスはオーガよりでっかいって聞いているよ?」アティが問うた。


「そのくらいなんとでもなる。的が大きければ、ベルとアティの支援もやりやすいだろ」


「それはそうだけど。危ないのはシガン様たち前衛ですよ?」ベルが心配そうに言った。


「俺の隣にはガールもいる。心配ないさ。さあ、行こうぜ。久々に楽しめそうだ」


 シガンは強敵の到来に胸躍る気持ちでいた。


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