32.オーク殲滅作戦(3)
〈シャイン・セイバー〉使いの魔術師と共闘して、なんとかオークキングを倒した。
と言っても、光の剣と言霊でボロボロだったオークキングはシガンにとっては物足りない相手に成り下がっていたが。
冒険者のリーダーが駆けつけると、そこには特殊個体のオークの死骸が7体。
嫌でも何があったかわかろうというものだ。
「今回もスカジャンのシガンの手柄か……ん? お前は確かターニア?」
ターニアと呼ばれた冒険者は、力ない足取りでオークの集落に戻っていった。
シガンたちは魔石を回収して、集落を焼き払ってから冒険者ギルドに戻った。
今回の貢献度では一位にシガンのパーティ、二位にターニアのパーティがランクインした。
それも当然、雑魚ではなくオークリーダー6体とオークキング1体という災厄を退けたのだから。
ターニアのパーティは彼女を残して全滅したらしい。
オークの集落で聞いた爆発音、あれに巻き込まれて仲間は全滅したそうだ。
シガンたちはオークキングの魔石を山分けすると言ったが、ターニアは貢献度報酬だけで十分だと言って頑として受け取らなかった。
さてオークリーダー6体は銀貨300枚に、オークキングは銀貨100枚になった。
これは金貨4枚で支払われた。
さらに貢献度一位の報酬は金貨1枚。
つまり合計で金貨5枚もの報酬を得たのである。
ただ金貨5枚の報酬は美味しいが、シガンにすれば領主に卸した巨大野菜の種子の方が高額だったため、大して驚きもなかった。
……危険度に比して野菜の種の方が高額だったなあ。
だが野菜の種が高額なのは最初だけだ。
種子は売り続けるが、次第に値段が下がるだろうし、伯爵も種子を増産して畑を増やしていくだろうから、そのうち庶民にも手が届く値段になるだろうことは予想に難くない。
……やっぱり戦いたい。
危険を冒す冒険者という職業は、シガンにとって丁度いい仕事、天職なのだと感じていた。




