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スカジャンのシガン  作者: イ尹口欠
冒険者編

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23/185

23.幽霊屋敷(1)

 その夜。

 ベルは普通にシガンを襲った。

 横にアティがいるのに、だ。


「おいベル! アティが見ているぞ!?」


「いいんですシガン様。アティもシガン様のご寵愛を受けたいと申していますから」


「おいおいおおい!? さすがに小学生は無理だぞ!!」


「なら、せめて私たちの愛の営みをアティにも見せてあげましょう」


「そ、そんな趣味はねえ!?」


 シガンは半裸のベルと、アティに説教した。


 せめてアティはベルと同じ14歳になるまで抱かないこと。

 ベルとシガンが愛し合うときは別に部屋を取ること。


 しかしアティも負けてはいない。

 キスまではオッケーだとシガンに約束させた。


 こうしてドタバタの夜は終わった。



 すったもんだの翌日、シガンとベルとアティは冒険者ギルドにやって来ていた。


 今日も今日とてその日暮らし。

 しかし銀貨は溜まる一方で、冒険者としてはリッチな部類に入る。

 そろそろ新しい刺激が欲しくなって来ていたシガンだった。


 オーガ戦もシガンを満足させるものではなかった。

 1対1なら満足もできただろうが、ベルとアティが援護していたおかげで楽勝だった。


 シガンはいつもは見ない高難易度の依頼を眺める。

 ベルとアティは戦々恐々としながら、シガンに問うた。


「まさかシガン様、それらの依頼を受けるつもりですか?」ベルが心配そうに言った。


「シガンさま、そこは危ないから誰も受けたがらない塩漬け依頼なんだよ?」アティが不思議そうな顔で言った。


「ほっほう。丁度いいじゃねえか」


 シガンは舐めるように高難易度依頼を確かめていく。

 ベルとアティは諦めた。

 あのオーガを倒したのだ、シガンがもっと強い相手を求めるのもわからないでもない。

 なにより強敵に向かっていくシガンが、ふたりは好きだった。


「これはどうだ?」


「グリフォン!? 駄目ですよそんな危険なの!! シガン様でも無理ですって!!」


「ぐ、グリフォン……シガンさまは恐れを知らない勇者なの?」


「じゃこっちは?」


「なんですこれ。幽霊屋敷の幽霊退治?」


「シガンさま、幽霊って倒せるんですか?」


「倒せるぞ。俺の刀は特別だからな」


 カウンターで依頼票の説明を受けることにした。


「ああ、それですか。かなり難易度が高い依頼です。受けるのですか?」


「ああ。具体的にどんな幽霊が出るんだ?」


「……入った冒険は帰ってきていません。報酬は書かれている通り、幽霊屋敷そのものです」


「つまりタダで豪邸を入手できるチャンスじゃないか」


「そう言って帰ってこなかった冒険者たちを、私は数多く見てきましたけどね!」


「よし、これを受けよう」


「…………話、聞いてましたか?」


「俺たちをその辺の雑魚冒険者と一緒にするなよ」


「そうですねえ……確かにシガンさんならやってしまうかもしれません。領主に目をかけられているのにもったいないですが、受けると言った依頼を処理するのが受付嬢の定め……処理しますね」


 かくして幽霊屋敷に挑むことになったシガン一行だった。


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