諦
閲覧注意
「じゃあね、バイバイ」
「うん、また明日」
学校が終わり、帰路につく怜と別れた瞬間、私の一日は終わる
なにも考えず、ただ歩く
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家に着く、なんてことはないただのボロアパートだ
まともな人間が住む場所にさ見えないだろうが
鍵を開け、中に入り、扉を閉める
居間の扉を開けたとき、中にいた男がこちらに近づき、唐突に腹を殴った
小さい呻き声をあげ、私はうずくまる
しかし驚くことはない、その男は父親で、いつからかその暴力は日常だ
彼はなにか喋りながら蹴り、踏みつける
私はいつものように、意識を手放していく
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目を覚ます、時計の針は深夜2時を指している
男は寝ている
散らかった衣服を手繰り寄せ、風呂場に向かう
男はほぼ毎日私を「使っている」
シャワーを浴び、体についた汚れを落とし、臭いを払う
身体を拭き、数日間洗っていない服を着て、自分の部屋と化した押し入れに入る
隠していたパンを食べ、身体を小さくしてまた意識を手放した
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また目を覚ます、腕時計は朝の4時を示している
男が起きる前に家を出て、かなり遠回りをしながら学校に向かう
いつも学校が開くタイミングで校門をくぐり、教室に入る
一時間もたたず同級生が入って来るが私に声をかける者はいない
話しかけられても困るのだが
8時25分、いつも彼女はギリギリの時間にやってくる
あ、今日は紅さんだ
2分12秒後、彼女は教室に入ってくる
彼女が私に声をかけたとき、私の一日は始まる