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  作者: ダル
2/6

「おい、早く起きないと遅刻するぞ」


目を覚ますと、坊主頭の厳つい男が皿を両手にこちらを覗き込んでいた


「、、、嘘マジで?」


「時計を見ろ」


7時50分を指していた


「準備を10分、登校を20分で出来るのならば話は別だが」


そう言って男は部屋を出て食卓に向かった


ベッドを飛び降り、寝巻きのまま急いで男の後を追った


「皆おはよう!」


既に食卓に集まっている普通よりは多いであろう家族に挨拶する


「「おはよう」」


食べずに待っていてくれたようだ


男も既に席についている


自分も急いで席につく


「「いただきます」」


特に変わらないいつもの朝が始まった


ーーーー


少女の姿はいつも人の目を引いた


比較的短く、揃っていない金の髪は輝き、

空を思わせる大きい瞳は切れ長に縁取られ、力強い

整った顔立ちは日本人には無い美しさと野性味があった


もうひとつ目を引く理由があった


出掛ける際にはいつも誰か黒服の男又は女が控えているからだ


学校の誰もが彼女を知っているが、級友ですら素性を把握していない


教師もまた同じく


ーーーー


あ、今日は藍さんだ


彼女が登校してきた


例によって校門の前で二三黒服と言葉を交わし、校舎に向かってくる


2分12秒後、彼女は教室に入ってくる


何故かは分からないが、いつも決まってそうなのだ


きっと私以外は気付いていないと思うけれど


彼女はいつも黒服の人と一緒に登校し、下校する


毎日人は変わって、特に規則性はみつからない


彼女は入学式から目立っていたし、雰囲気もどこか他の人とは違った


その所為か余りクラスメートとの交流はないようだった


その点においては人の事は言えないが


隣の席にならなければ私も話しかけようとは思わなかっただろう


そして、教室に彼女が入ってくるまであと3、2、1、、


開け放たれた扉から彼女が元気に入ってくる


「皆おはよう!」


「「おはよう」」


クラスの女子、男子関係なく皆笑顔で挨拶を交わす


周囲と他愛もない会話をしつつ席を掻い潜り、こちらに近づいてくる


「おはよう茜」


今までよりも明るく見える笑顔で彼女は私を見る


「うん、おはよう怜」


この学校で彼女を呼び捨てにしているのは私だけだ


今この瞬間私の一日は始まった


ーーーー





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