表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/8

ラベンダー

 初めての試みなので優しい気持ちで見ていただければ、幸いです。


「安達さん、それ今回の事件の資料ですか?」


「それがな斉藤、まだ自殺か他殺か分からねえんだよ。」


「そうなんですか?」


「ああ、亡くなったのはまだ20代の若い女性だ。今のところ服毒自殺とみられているらしい。」


「安達さんの娘さんと同年代ですね。」


「ああ、そうだ。もう結婚して家にはいないけどな。」


「そうでしたね。お孫さんも生まれますしね!」


「もうじき定年だから家内が言うんだ、どうせ暇になるから孫に遊んでもらいなさいってな。」


「あははは、安達さんの奥さんらしいですね。」


「うるせえよ。」


 斉藤の腕を軽く叩き資料に目を戻す。松野杏27歳か。


「まつのあんず。」


「亡くなった方ですね。まだまだ楽しい事もあったろうに。」


 斉藤はいつの間にか同じ資料を見ていた。松野杏は少し閉鎖的な村の村長だ。村長である父が死に彼女が村長になった。こんな年齢で村長か。何故、東京に来ていたのかは分からないが東京にある父名義だった家を、彼女の名義に変更し住んでいたようだ。一緒に住んでいるのは2人の男、1人は通報してきた現付き人の上野誠、もう1人は前任の村長の付き人ということは亡くなった父の付き人の新田翔平。ここまで読んだところで斉藤が、


「痴情のもつれですかね?」


 と言ったが、なんとなく違う気がして、


「さあな?自殺かもしれんしな。」


「安達さんが引っかかってるんだから、怪しいですけどね。」


「やめてくれ、他の奴にいらんことは言うなよ。」


 と釘を刺す。資料にはそれ以上書かれていない。人が死んだというのに、数行足らずの資料に虚しさを感じる。いくつも事件を経験しても、若者が死ぬのに慣れることができない俺は、きっと刑事には向いていなかったと思う。

 だが、昔からよく気がついたのだ。人の感情や行動に。だから結局刑事になった。昔気質だと言われるから大っぴらには言わないが、俺は勘を信用している。斉藤はそんな俺と一緒に行動してくれるいい奴だ。

 それにしてもこの話引っかかるな、少し調べてみよう。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ