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森のモンスター……?

あれから直ぐにモンスターは寝てしまった。

強く輝く自身の身体を気にしていたが、ひたすらに地面を掘った疲れからくる睡魔には勝てなかったようだ。

自由になった真乃の目の前で呑気に寝ているモンスターについて、真乃は考える。

(アイツが光ってる原因って……浄化だろうなぁ。ひたすら浄化かけてたあの時から、ほんのり輝き始めてた気がするし。気のせいかとも思っていたけど、あそこまで輝くと流石に変だよなぁ)

真乃の視線の先には今も強く輝いたまま手足をだらしなく伸ばして寝るモンスターがいる。

(もしかして、このまま浄化し続けたら何か起こるんじゃないか?)

真乃は寝ているモンスターに向かって浄化をかけ始める。

あのモンスターは浄化をして綺麗になると喜んでくれる為、真乃は土から掘り出してくれたお礼も込めてモンスターを浄化していく。

(なんか変化とかしないかなぁ……急に巨大化したりして……ないか)

真乃がバカな事を考えている時にそれは起こった。

何度目かわからないシャボン玉モドキがモンスターに当たった時、モンスターが一層強く輝きはじめたのだ。

「えっ?ちょっ、まぶっ、なんも見えねぇ!一体、何が起こって……」

強い光に思わず目を細める真乃。

モンスターに至ってはどうなっているか全くわからない。

数十秒後、光がだんだんと収まっていき、ようやく真乃はモンスターの様子を見れるようになった。

「大丈夫かー?寝ているところ悪かったよ、まさか急に光が強くなるなんて……ってぇ!?」

「なに……気持ちよく寝てたのに……」

真乃の目の前には、一糸まとわぬ姿の少女がいた。

真っ白なストレートの髪が美しい少女の頭には、可愛らしいうさ耳が付いている。

顔は可愛いと言うよりも綺麗と表現すべきだろう。

少し幼さを残すその顔は、見るもの全てを魅了する妖しさを秘めている。

突然の事に真乃は動けずに固まっていた。

「どうした……ってこの声は?……もしかして私?」

真乃を綺麗な青い瞳で見据えて尋ねてくる少女。

固まったままの真乃はなんとか首を動かして頷く。

それと同時に少女から目をそらす。

裸の少女を見続ける事に罪悪感を感じたのだろう。

それを見て少女は優しくからかうように微笑む。

「また何かした……私が寝ている間に……」

「ま、また?って事はやっぱり君があの……」

真乃は薄々気づいていた事を聞いてみる。

「うん……私がさっきまでの…君たちには魔物って呼ばれてたかな……?その魔物」








真乃はひとまず自分が着ていたパーカーを少女に被せ、話してみることにした。

「なんで急に人になったんだ?」

真乃が尋ねると、少女は意外そうな顔をする。

「君がやったんじゃ……?私は何もしてない」

「俺はただ浄化してただけなんだけど……。もしかして、呪いかなんかで魔物の姿にさせられてた?」

浄化には呪いを解く力があるとコスプレ少女が言っていた事を思い出す。

「私は生まれた時から魔物。ただ……」

「ただ?」

「……私だけみんなより力を使うのが上手かった。だから、みんなから離れて動いてもよかった」

みんな、と言うのは他の仲間だろうか。

森の中で一匹でいたのは単に自由が許されていたからなのだろうか。

真乃は気になることがいくつもあったが、一番気になっている事を聞くことにした。

「力って?」

「さっき使ってたやつ……。尻尾の形を変えてたでしょ……?」

尻尾が不思議な構造をしているのかと思っていたが、どうやら何らかの力を使って変形させていたらしい。

「じゃあ、その力を使ってまで何で俺を助けてくれたんだ?」

「……別に助けようとしてやってた訳じゃない。君が、周りの地面を叩くと私を綺麗にしてくれたから。みんなも私も綺麗になるのが好きだから」

少女は顔を反らしながら答える。

真乃と張り合っていた事を思い出して恥ずかしく思っているのだろうか。

そこで真乃は気づいた。

「そういえば、魔物の時のが元気だったよな?俺に懐いてて積極的だったし。それに喋るスピードもなんか遅いな。魔物の時のイメージだと、もっとどんどん喋ってくるような感じだったと思うんだけど……」

真乃が尋ねると少女は恥じらいからか顔を赤くした。

「あ、あれは!その……魔物の姿の時の方が本能に忠実……」

真乃の顔に身体を寄せていた時のことを思い出しているようだ。

「喋るのが遅いのは初めてこの姿で喋ってるから、上手く喋れない」

そう言いながら、だんだん慣れてきたのか普通のスピード喋れてきている少女。

少女の話しを聞きながら、真乃は頭の中で情報を整理していく。

・少女が魔物から人になった原因はおそらく浄化だが、何故人になったのかは不明。

・その口ぶりから他に仲間がいる。

・少女はその仲間達よりも力の扱いが上手い。

・少女もその仲間達も綺麗好き。

・魔物の姿の方が思考力が落ちる?

こんなところだろうか。

喋るのが辛いようならモンスターの姿に戻って貰おうと思っていたが(戻れるかどうかは不明だが)少女が普通に喋れてきたため、真乃は会話を続けることにした。

「いやぁでも助かった!君がいなかったら俺は生首のまま餓死するところだったよ!」

真乃がお礼の言葉を伝えるが、少女は何やら微妙そうな顔をしている。

「その話し方、やめてほしい。さっきまでの方が話しやすい」

「えっ?」

言われて気づいた。

無意識のうちに真乃は話し方を変えていたようだ。

モンスターに対する話し方と美少女に対する話し方が違うのはしょうがないと思うが、少しよそよそしくなってしまっていたかな、と真乃は反省する。

「わ、悪い……。……ありがとな、そのつもりがなかったとはいえ助けてくれて」

「ん、別に感謝しなくていい。君もその分私を綺麗にしてくれたから。むしろ、こんなに綺麗にしてくれて私の方こそお礼を言いたい」

授かった力を使ってみたくてモンスターを倒すつもりで浄化したら助けてくれた。

真乃からしてみれば感謝こそすれ、お礼を言われる立場ではない。

「それこそ、お礼なんていらないさ」

「でも」

「でも、何かくれるって言うなら貰うけど?」

「…………」

「なんなら貸し一ね」

「…………」

少女が何か言おうとすると同時に真乃が図々しく言い放つ。

そんな真乃を少女はジト目で見ている。

しかし、見れれている真乃は(美少女に見つめられるのっていいな、しかもジト目ときた。いやぁ役得、役得!)などと思っていた。

「しかし、どうすっか」

「ん……?何が……?」

「お前のことだよ。その姿で放置ってわけにもいかんだろ?」

そう言って真乃は少女を見据える。

真乃のパーカーを羽織ってはいるが、未だに少女は裸のままだ。

日も少しずつではあるが傾き始めており、まだ余裕があるとはいえ早いうちにどうにかしなければならない。

「魔物の姿に戻れたりするか?そしたらまだ考えようはあるんだが……」

真乃も異世界に来てまだ街を見つけていない。

野営の心得など真乃は持っていないため街へ行かなければモンスターに襲われてそのままお陀仏だろう。

森を抜けて散策するにも、裸の少女を連れて歩きまわるわけにはいかない。

それに、運良く街を見つけたとしても裸の美少女(獣人)を連れた変な服装の男など街に入れてくれないだろう。

村くらいなら入れるかもしれないが、面倒なことになるのは確実だろう。

そもそもこの世界に獣人は居るのだろうか、と真乃が考えていると、少女が申し訳なさそうに話しかけてくる。

「その……戻り方がわからない。どうやって人になったかもわからないから……」

「あぁ、そりゃそうか……」

真乃は試しに少女を浄化してみるが、変化は見られない。

少女は何故急に浄化されたのかわからない様子で、首を傾げて、ありがとうと言っている。

人になった時のように輝かず、綺麗になっただけのようだ。

どうするか……と真乃が悩んでいると……




ァァァァァァ……




何やら頭上から声が聞こえてきた。




「何で私がこんな目にぃぃ!!」




真乃と少女が頭上を見上げると……


「コスプレ少女!?」


空から自称女神が落ちてきていた。


最近モチベが高いんですよ〜。

投稿するとPVが増えて嬉しいんです。

ポイントは伸びませんが、頑張って面白いものが書ければ、いつかは伸びてくれる!……といいなぁ。

※3/1 物語の進行上少し編集しました。

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