5話
…あぁ温かい。
頭を撫でれる感じに思わずくすぐったくて笑う。そういやぁ、小さい頃はよくされたなぁ。今じゃ頭叩かれる事が多いけど…。
…久しぶりのくすぐったさに恥ずかしくなる。でも頭撫でられるのって結構好きなんだよね。なんか気持ち良くて温かくて眠たくなるこの心地さ…。
そしたら今度は優しく頬を撫でられる。ひゃーくすぐったいです!!けど温かいです!!人の温もりです!!
頭を撫でられ、頬を触る手にようやく気付いて目を開ければ、目の前に美少年の双子が居ました。えっデジャブ??
「……ヤバい…可愛い」双子の一人が呟けば。
「……僕たちの妹…」っと双子のもう一人が呟く。
…てか何ですか!!??
その前に双子美少年!!多分5歳くらいかな?中々見慣れない双子に会えた感動と日本ではあり得ない美しい容姿!!外国とかに居そうだけど、此処は異世界。容姿は外人さん寄りだけど髪と瞳の色が異世界だと証言するあり得ない色彩。
ふわふわで透き通るような、まるで銀世界の雪のような白さを持つ髪にキラキラ輝く青い色を持つ瞳。だが不思議な事に動くたびに瞳の色が紫に変化する。
まるでロイヤルブルーサファイヤの様な神秘的な美しさだ…。
…それにしてもさっき聞こえましたよ。聞き間違えかと思いましたけど、いや聞き間違えだよ!!
こんな美しい美少年が兄弟とかありえないよ!!
「あっ吃驚してる。可愛いなぁ…」
「ジークウェン、シルフェス」
「あっ、リカルド兄さん」
おいおいまた来たぞ…今度は誰だ!?
上手く体を動かせない私は「あぶあぶ」しか喋れず何とか首を“持ち上げよう”と頑張ってるが、此方からは体全体を動かして“喜んでいる姿”に見えるみたいだ。
…それを見る双子は頬を緩ませてデレデレ状態にリカルドは、少し顔をムッとして早足で私の所に向かえば私をそっと抱きあげた。
「うわっ、リカルド兄さんずるい!!」
「僕たちだって妹を抱きあげてない!!」
「私だってちゃんと愛しい妹を見てないのだから、良いだろう?」
そう言って私の頬に自分の頬をすり寄せて愛しそうに見る“リカルド兄さん”。
…一瞬あの“父様”に見えて吃驚したが良く見れば幼い。多分10歳くらいだろう。父様似の濡羽色の肩まで伸ばした髪を一つに纏めて青いリボンで結んでいる。そして瞳は母様似のあの美しいアメジストの色でキラキラ輝いて見えた。
…それにしても皆さん美少年ですね。まだ幼いが双子はまるで天使のような美しさ。上の兄は少し大人びた優しい顔立ちの美しさだ。
…うん、きっと将来有望の美形になるんだろうな。うん眼福眼福。
美少年に囲まれ見られる事が中々無い貴重な体験に、思わずデレて少し恥ずかしがる私は悪くないだろう…
そして何を思ったのか上の兄、リカルド兄さんは私の顔を見てまだ幼さは残るが、まるで恋人にみせるような甘い笑みで笑えば「あぁ…愛しい妹が笑った…なんて可愛らしい頬笑みなのだろう」っと恥ずかしいセリフと共に私の頬にキスを落とした。