3話
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「…リュテシア様おめでとう御座います!!…可愛らしい女の子が産まれました!!」
私が光を追って来てみたら、目がまったく開けられない状態と誰かに抱かれてる感覚に困惑した。
「おい泣いてないぞ!!大丈夫なのか!?」
「あぁ私たちの可愛い子が!!」
目がうまく開けられない状態の中、何やら焦ったような話し声が聞こえた。それにしても何話しているのか全く分からない。流石にそれはヤバい…。
「落ち着いて下さいリュテシア様…ちゃんと泣きますから」
いきなり私の体が逆さまにされ、何が起きたかと焦ればいきなり背中を叩かれ思わず叫んだ。その声は赤ん坊の声で私は驚きと痛みで泣き叫んだ。
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目が開けられるようになり瞼を開けば、目の前に美しい女性がいました。えっ誰ですかこの人は!?
すぐ目に行ったのは、まるで月夜の光でキラキラ光る白銀色の長い髪を動くたびに穏やかな波が揺れるように見え、瞳はアメジストのような神秘的な色をしている。
肌は、まるで真珠のような白さ。頬は生んだ後なのかやや赤く汗が頬につたりその姿が何だか見てはいけないような艶やかな姿だった。
「あぁ、私たちの可愛い子が目を開けたわ!!」
また何を言っているのか分からない。因みに今更だが私は本当に転生したみたいだ。
しかも17歳だった時の“桜守 柚李”の記憶を持ったまま。
そして何を話しているのか分からない。つまり此処は別世界。私が知る世界の言葉では無い。
「…本当か!!。あぁ、やはりお前似て愛らしい顔だな…」
聞いた事のある声がしたかと思えば目の前に来たので少し吃驚した。この人もなかなかのイケメンで吃驚仰天!!。多分20代後半くらいなのだろうか。髪はまるで“日本人”特有の真っ黒な髪かと思ったが光の反射で暗い緑色に見える。多分色からして、濡羽色だろう。サファイヤ見たいな色の濃い瞳、鼻筋もすっとし唇は薄く男らしい妖艶さが溢れている。
例えるなら歩く18禁だなこの人は…。
私は、少し冷静になりながら頭の中を整理する。多分、いや確実にこの人たちは私の“父と母”なのだろう。17歳の記憶を持つ私は、何故か素直に喜べない。やはり“前の家族”を思い出し何だか胸が苦しくなる。まだ私は此処の世界を受け入れるのは少し難しそうだ…。
…せっかく忘れてポジティブ宣言したのにやはり私の心はまだ治って無いようだ。でも少しの寂しさと新しい家族に甘えて私は泣いた。