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転生したので欲望を忠実に生きます。  作者: 叶和 めこ
そして、私は異世界に転生した。
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閑話『お父様の精霊は、イケメンなおじ様』



私がアルドに会う前の話。部屋に篭ってこの世界について絵本で学んでいた時だ、アルヴァハロン父様が私の部屋に突然現れて「お前に会いたい奴がいる」と子供相手に不必要な妖艶な笑顔で言った。



私に会いたい人??すぐ思いつくのは、上にいる三人の兄様。今頃何しているだろうと思いながらお父様に手招きされて着いていくと、手招きされた場所は父様の仕事部屋。お父様は、何の仕事しているのか未だに分からないが、仕事部屋に呼ばれることなんて初めてだ。不思議そうな顔して見る私に微笑む父様。「さぁ、中に入って」と言われて恐る恐る入れば、お行儀悪くテーブルに座る"赤い男"。


「おっ、やっとちゃんと挨拶出来るな!!」ニカっと笑う赤い男に吃驚する。


"赤い男"は、見たまんま赤い。燃える様な、いや、燃える火の様に動く紅いうねる髪に、炎を閉じ込めたような真っ赤な瞳。顔立ちは、父様より老けているが、中々のイケメンのおじ様。少し怖そうな精悍な顔付きに無精髭の組み合わせがとてもエロスに感じる。褐色肌で服装がこの世界では見たことない格好をしている。私がいた世界で言えば、アラビアン系の服装だ。上半身裸だが、身体中タトゥーの様な金色と赤を使った不思議な模様に首や腕、足首に金属のアクセサリーを沢山身につけている。下半身は、腰に豪華な布を沢山巻いて、ゆったりした黒と金の装飾が施されたアラビアンパンツを履いている。座っているが巨体で鍛え抜かれた美しい肉体美を晒す服装は、目のやり場に困る。



そして派手な美丈夫のおじ様に吃驚するが、最初に驚いたのは"声"だ。


体を震わすような、まるで大地を震わすような不思議な声質だ。声で人を震わせるなんて何とも不思議な体験。そんな震える様なベルベットボイスを持つ赤い男。



私に会いたい人とはこの人なのか???他にはいないのかと周りを見るが、お父様と赤い男しかいない。

この部屋に似合わない異質な赤い男とお父様を交互に見てどんな関係なのか無言でお父様を見つめる。そもそも見た感じ男性に見えるが人と違う感じがする。


ファンタジーなら有りうる。


「…精霊?」怖ず怖ずだが、この男の見た目なら有りうる姿に赤い男は目を細める。ひぃー獲物を捉える鷹のような鋭い瞳に思わずビクッとする。


「会ってもない男に"精霊"と見破るお前の娘は、中々の聡明な方だな」とクツクツと笑う。


「お前の場合、見た目が派手だからすぐ分かると思うが…」と呆れた目で見るお父様は、喋り方からして随分と仲がいいと知る。


「あの、お父様…この方は?」


「あぁ、コイツは私の契約精霊で『大地を司る炎』(イルフヴァーン)だ。」


「俺は、ずっとお前の事見てたが対面するのは初めてだな。名前長いからイルフと呼んでくれ姫さん」


「え、あっ、こちらこそよろしくお願いします???」


なんか堂々と"ストーカーしてました"的な内容が聞こえだが、え?"ずっと見てた"そして本物の精霊。


「え、精霊と契約できるの!?」


「おう、契約出来るぞ?後な、俺らは姿隠せるからアルバに頼まれて姫さんを見守ってたんだ」と笑う。


イルフさんの言葉に驚く、心読めるのか!?精霊凄い。そんな百面相な私の姿にお父様がくすくす笑う。


イルフさんは、私に精霊について分かりやすく教えて貰った。精霊は、色んな種類の属性を持つのが多いらしい。そして見た目は、人間と変わらないが特徴的なのは、同色の瞳と髪を持ち、耳が尖ってるだそうだ。精霊は、とても気まぐれなので人の前に現れるのは、中々無いらしい。私の場合、精霊なんてこの世界に存在する自体初めて知った事にイルフさんは笑った。笑う要素があったか?そんな気まぐれな精霊は、気に入った人間を見つけると現れるのとか、イルフさんもそうだったらしい。


「アルバとの出会いは、戦場だったなぁ…」懐かしそうに昔を思い出すイルフにお父様は、「娘の前でそれは語るな」と嫌そうな顔をする。中々見ないお父様の表情に驚く。


そんなお父様の表情を見て笑うイルフさん。この人は、見た目と裏腹によく笑うなぁと観察する。



初めて精霊のイルフさんとの出会いと、珍しいお父様の表情見た不思議と貴重な日を過ごした。

いつか、私も精霊と出会って契約したいと心の中で一つの目標を立てた。





イケおじイルフさんの他に色々出ます。

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