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今日から学校と仕事、始まります。①莞

”キス”を思い浮かべてください

作者: 孤独

「”好き”の反対の言葉を思い浮かべてください」


松代宗司は、酉麗子にクイズを出す。その出し方は手品を披露するかのようにだった。


「”好き”の反対、……”好き”の反対ね」

「浮かべました?」


残念な気持ちになりそうになったら、答えを出す。

酉を抱きしめて、彼女に”キス”をする松代……。


「反対だとしても、好きのままです。酉さん」

「なるほど。いいんじゃない?」


そんなやり取りを会社内でやるのだから、他の社員にとっては目のやり場に困る。


「相変わらずだな、松代さん」

「ですね。酉さんも……」


社内恋愛はOKであるが、そんな環境になるほどどちらにも良い奴がいないのが現状である。

そんな言葉遊びを間近で見ていた瀬戸博は、女性陣に声をかける。


「林崎ちゃん、安西ちゃん、友ちゃん!”好き”の反対の言葉を浮かべてーー」

「”嫌い”」

「ど直球ーー!?」


愕然と、その言葉に一度倒れる瀬戸であった。


「僕とキスくらいしてよ!舌入れるくらい!」

「嫌よ!」

「嫌です!」

「寝言は寝て言え!」


とんでもな扱いをする女性陣、しかし当然でもある。こいつはホントにバカだからだ。


「松代さん!僕でも彼女ができる方法を教えてください」

「まずは見た目が全てだぞ!」

「現実を教えないでください!僕みたいな低身長、思春期、オタク、変態がダメって言っているわけじゃないですか!」

「あんたの場合は、性格が悪すぎでしょーが」



◇       ◇


最近、僕に対して女性陣が冷たすぎる。僕としてはあんまり関わりが少ないから、ちょっと不満に思っている。なんかスキンシップという体を装って、エロいことしたい。



「キスでもいい」


そうだ。丁度、友ちゃんがトイレに行っていない。

飲み掛けのコーヒーをくいーっと飲んで、間接キスでもして青春しよ。安西ちゃんと林崎ちゃんが見ていない、一瞬の隙を突いて



ゴクゴクゴク……


「ぐぉっ」


苦いコーヒーを飲む事になるとは、ある意味失敗!友ちゃんだから仕方ないかな?


「!あーっ、瀬戸くん!勝手に友ちゃんのコーヒーを飲んじゃダメだよー!」

「間接キスじゃん!」

「えへへへ、苦かっただけ」


ブラックのコーヒー味のせいで、全然間接キスの余韻に浸れない。ちきしょー。


「ちょっと、人のコップを持って何したの、瀬戸?」

「!やばっ」


トイレから戻って来た友ちゃんが背後に!席に戻ろうとするも、彼女を抜くのは無理。仁王立ちしている。


「の、喉から乾いたから、飲み物をね」

「…………」

「だってさ!松代さん、キスとかしてるのに!僕にはなんのサービスないじゃん!僕だって頑張ってるんだよ!?」

「人が頑張ってないみたいな事を言うな!」


それはある意味、真理!ツッコんではいけないお言葉であり、内の本音!


よく考えたら間接キスをしに来たのに誤魔化しちゃ、カッコがつかないなぁ。友ちゃんの迫力に押されてしまった。


「いいじゃん、いいじゃん。間接キスくらい。凄い苦かったけど!コーヒーのせいで」


開き直る瀬戸を見たとき、友ちゃんはまるで松代をまねるようにクイズを出す。


「どSな女性に、キスをしたいほど好きな男ができました」

「!クイズ!?」

「好きで、愛し合い、キスをして……(LOVE)に変わったどSな女性は、男に何をしたでしょうか?答えたら、その通りにしてあげる」


この問題、安西も林崎も参加する。頭の中で友ちゃんの問いの意味を考える。しかし、瀬戸は正直に。っていうか、本心なのか。


「S○○!するっきゃないでしょ!?」

「ぶーーっ!」

「ええーっ!だって、どSな女性が好きで、愛し合ったんでしょ!LOVEなんでしょ!?」


今の瀬戸の言葉がかなりのヒントになって、


「あっ!」


安西が一番で正解する。


「安西、分かったの!?」

「トンチみたいな答え。英語にすると分かる」

「英語?…………あ!そーいうこと!」

「え?なになに?安西ちゃんや林崎ちゃん、分かったの?」


瀬戸にはまだ答えが分からない。なので、友ちゃんが答えを教える。同時に拳を握りしめて、


「”KILL”だ!このど変態!!」


瀬戸くんの顔面に強烈な一撃を叩き込むのであった。殺す気満々であったとさ。


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