君との3
「どうして? 君だってまだ異能を使い始めてから僕と同じくらいでしょ。それに君は……異能の授業だけじゃなく、一般的な授業でさえもサボっているじゃないか。それで君が僕に異能を教えられるとは思えないんだけど」
と、俺は痛いところをつかれ、グッと喉を鳴らしかけたが本来の目的を言う訳にもいかず、少しだけ俺の秘密を氷柱に明かすことにした。
ここに通う友人も知らない俺の秘密を。
「俺は全ての授業の出席を免除されてるし、それがバレても面倒だから平均的な成績の理数系の授業だけは出席するようにしてるだけだよ。
俺は星蘭高等学校の入学時前から異能が使えてたし、ちゃんと異能に合った教育、自分の才能に合う教育を幼い時から受けられる環境にいた。
だから、少しは君の役に立てられるかもしれないよ。……君、異能に関して悩みごとがあるでしょ? 一人で考えるより、二人で考えた方が多くの可能性が見つかるかもしれないし、……だからもう一回言うよ。異能の使い方、教えてあげようか?」
そう言う俺の言葉に、氷柱はまるで驚きを目だけで表現をするかのように、元々から大きくクリッとした目を、限界まで見開いていた。
それは俺の“秘密”に対する驚きなのかな? ……それとも、また「異能の使い方、教えようか?」と言っていることに対しての驚きかな?
と、そう俺は考えていると氷柱から、
「どうして? どうして、今まで一度も話したことのないような僕に、君はそんなことを言えることが出来るの?
君になんの得があってそんな申し出を僕にしてくれたの? 君は異能を教えることは出来ても、僕は何もしてあげることは出来ないよ?」
そう俺は氷柱に聞かれてしまった。
そんな氷柱の疑問に、俺は思わず微笑みを浮かべた後、彼の髪を優しく、絡まないように丁寧に撫でていた。
そして俺はこう言う。
「俺にはなんの得もないよ、……だけど何故か君を放っておくことが出来ないから、異能を教えようと思っただけ」
と、そんな俺の言葉に氷柱は泣きそうで、泣けないと言ったような表情を浮かべながら顔を下に向けてしまった後、小さな声でこう言った。
「僕に異能を教えて、……零一くん」
そんな氷柱の言葉に思わず、俺は再び微笑みを浮かべていたのだった。




