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波乱が始まる五月5

 誰かを恋愛的に好きになると言う気持ちと、一番信頼すると言う気持ちは全くの別物だ。確かに涼は海さんのことが好きだ、でも……一番信頼しているのは恐らく彼女じゃない。

 一番大切に涼が想っているのは確かに海さんだ、でも……依存している相手は違う。自意識過剰じゃなければ恐らく、この高校の生徒の中で一番先に出会った俺と素直な態度を見せない氷柱なのかもしれない。

 その考えはあながち間違えではないように思えて。……だって涼の異能である「音」を使い、自身の声を俺達以外には聞かせないように音で遮断してしまっているのだから。

 涼はあまり異能を頼りきるタイプではないため、必要以上には使わない。

 だが、前世が精霊じゃないことが不思議なくらいに異能の使い方が上手く、能力的にも強力な力であったのもまた事実。


 異能の応用も幅広く出来、必要最低限しか使わない涼だったが……、良く自身の異能の能力を理解出来ており、誰よりも冷静に判断出来る。

 本当は巻き込みたくなかった、だけど……人を殺し悲しみ嘆く涼の姿など見たくはない。事実を知ることでその姿を見なくて済むのであれば……俺は事実を話すことを決意した。


「あのね……、涼」



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